レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

「笑い」という栄養

2014-03-20 05:00:00 | 日記
もうかれこれ十五年以上も前のことになりますが、レイキャビクにあった「ミズストーズ ・ニーブア」というマルチカルチュラルセンターで、移民の何かの集まりがありました。食事が出たように記憶していますので、何かの楽しい機会だったものと思います、その部分ははっきりと覚えてないのですが。

私のテーブルには若くて美女の智子さんという方と(そういう点は良く覚えています)、ジェフというカナダ人のオジさんと、あと誰だったかアメリカ人が二人くらいいたと記憶しています。

食事の席で「世界でのユーモアの違い」みたいな話題になり、「これはどうだ?」とジェフが自前のジョークを披露してくれました。

ある男性をお医者さんが診察して「あと十....」と言って黙り込んでしまいました。男性はびっくりして尋ねました。「十って、十年ですか?」お医者さんは無言。「十ヶ月ですか?」無言。「十週間?」無言。「十時間?」... するとお医者さんがおもむろに「テーン...」

席にいたアメリカ人の人たち爆笑。私と智子さん、顔を見合わせて「...???」

落ちは男性の余命は「あと十秒だった」ということらしいのですが、正直言って何がおかしいのか分かりませんでした。

似たようなことって良くありませんか?例えばアメリカのギャグ映画を見ても少しもおかしくない、という経験をしたことはありませんか?私の場合はもっと極端に、アメリカのギャグ映画をみて面白かった経験など全くないと言っていいくらいです。

確かに世界のいろいろな文化の中で、ユーモアとか笑いのセンスというのは結構違うものがあるような気がします。もっとも全部すれ違ってしまうわけではないようです。映画はつまらなくとも、例えばジェイ・レノのショーなんかを見ていると結構笑えたりしましたね。ドタバタ的な笑いが特に合わないということなのかもしれません。

アイスランド人の笑いのセンスというものも、アメリカとはまた全く違います。アイスランドでは毎年大みそかに恒例の「一年間の時事風刺ギャグ」の番組があって、こちらの「紅白」的位置を占めているのですが、正直言ってこの番組も大して面白いと思ったことがありません。この番組もどちらかというとドタバタ系の笑いに属しますね。

アイスランドでもユーモアというかウィットみたいなのは日本と共通するものがあると思います。やっぱり違いが際立つのは「ほくそ笑む」ようなユーモアではなく「爆笑する」ような笑いだということだと思われます。

というわけで、こちらでの日常生活の中でワタシがどうしてもこちらではまかないきれず、外部(日本)から摂取しなければならない心の栄養がユーモアと笑い、それも特に「バカ笑い」の類いです。

で、ワタシはネットで日本のお笑い番組を見まくっているわけです。まあ「見まくる」というのは大袈裟でしょうが、かなり気にいって定期的に見ているものはあります。

「マツコ有吉の怒り新党」「ロンハー」「アメトーク」などからバラエティ系の「秘密のケンミンSHOW」や「世界行ってみたらホントは...」あるいは「正直さんぽ」「モヤさま」などのような食系、旅系で笑いが多いものが好みです。

毎晩寝る前の二時間ほどをそのような「お笑い」で過ごすのが日課のようになることもあります。(「相棒」や「捜査一課9係」が取って替わることもあります) 「時間の無駄じゃないの?」という心の声が聞こえてくることもありますが、心の別の声は「無駄じゃない、無駄じゃない。笑いは必要」と弁護します。

冷静に公平に考えてみても、やはり笑いは必要なものだと思います。考えてから笑うようなものではなく、本能的な爆発的な笑いです。これを得るにはやはり日本のお笑いを見るしかありません。

これはもう説明不可能ですね、なぜそれが可笑しいのか、笑ってしまうのか。全て繋がっているんですよね、言葉、表情、状況、期待を裏切る思いがけなさ...等々。やっぱり文化と切っても切れないものがあるのでしょう。

笑いというものが健康に与える良い影響についてはよく言われていることと思います。気をつけて聴いたことはないのですが。それでも笑いがもたらす効果は経験的に確信することはできます。

ワタシ、職場では寡黙なツマラナイ男と見られていると思うのですが、その「寡黙なニホンジン」が自宅でネットを見ながらバカ笑いをしているところを見られたら...マズイかもですねー...

いやマズくはないか。そちらが本物ですね。人間には笑いが必要だ! 笑いは人を自由にする! のだ。


応援します、若い力。Meet Iceland


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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コメント
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