レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

弱みは強みを生む? 小国エレジー

2013-06-13 05:00:00 | 日記
日本では先日ザックJapanが早々とW杯ブラジル大会への切符を手に入れ皆々大万歳でしたが、こちらでも先週の金曜日の7日、欧州予選Eグループの試合スロベニアvsアイスランドがレイキャビクで行われました。

この試合、その時点ではアイスランドが勝てばグループ首位になるという興味深い試合で選手たちも相当緊張していました。アイスランドのフォワードにはチェルシーで活躍したエイズル ・スマウリをはじめ、欧州プロリーグ活躍する選手が何人かいます。

ただバックス陣には海外組が少ないようで、それがそのままチームの弱さになっているようにみえました。結果は4-2でアイスランドの負け。最後の一点はまったく余計な失点と思いました。

でもよく考えてみると、ここまでやるのはなかなかなものだとも思うのです。アイスランドは人口32万。そのうち男性は約半数の16万。子供や老人を除いたら現役サッカー選手年齢層は2万か3万人でしょう。全員がサッカーをするとしてもです。

その中から世界に通用するイレブンを排出するというのはなかなか大変なことだと思います。母体となる集団が格段に小さいのですから。日本の本田や香川はすごいですが、それは日本一億人の中から競り合い勝ち残っている選手たち。

それに比べるとアイスランドでのイレブン作りは、新宿区だけでナショナルチームを作るのに等しいのです。

ですから私は以前より、アイスランドがオリンピックなどでメダルを獲り得るとしたら水泳や陸上などの個人種目だろうと思ってきました。ところがビックリ。男子ハンドボールが北京で銀メダルを獲ってしまいました。サッカーの場合と同じく、これはすごいことだったと考えます。(ハンドボール ・ファンでないので興奮しませんが)

この事象は当然のことですがスポーツだけではなく、国に関する全ての領域についていえることです。大統領、首相、諸大臣、会社経営者、教授、パイロット、小説家等々。国を維持するに足る人材を人口32万の母体から排出しなければならないのです。

このアイスランド的宿命?がアイスランド的珍現象の源だと考えます。先日もこちらの邦人の方々とお話しする機会があったのですが、アイスランドでの仕事の仕方や社会の通念にはいかんとも理解しがたいところがある。こんなのが通用するわけがない。ここは先進国の皮を被った後進国だ、等々。

確かにそうですが、しかしです。結果帳尻が合うことも多いというのも事実なのです。「アホかいな?こんなやり方で結果が出るわけがないでしょ..... ホンマや!」っていう感じでしょうか?

理屈上では辻褄の合わないような結論というものを、32万国家の運命が作り出しているように思われます。途中経過はともあれ、帳尻が合わなければ国が倒れるというプレッシャーは、おそらくアイスランドの隠されたエトスになっているのかもしれません。

個々人が持つ最高のポテンシャルを引き出すという点では、母集団は小さ目の方がいいのかもしれませんね。多分日本もJRの区分に合わせて独立国とした方が活性化するかもですね。冗談ですが「真理」が含まれているような気もしないでは...(^_-)☆



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コメント
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