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レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

ワタシの晩夏の恒例勤行

2023-08-26 21:47:51 | 日記
こんにちは/こんばんは。

幸いなことに「夏」と呼んで良い13〜15度の気温を保ったままで八月終盤を迎えているレイキャビクです。夜半にはすっかり暗くなるようにはなりましたが。




ゲイ・プライドに備えてのハットゥルグリムス教会
Myndin er eftir Rod_long@unsplash_com



久しぶりの更新となります。気がついたら前回から三週間も経ってしまっていました。なんというか、周辺世界(つまり私の身の回りの外界=フツーのアイスランド社会)でも私自身の生活でもいろいろ起こっていたような...

前回のブログ更新時は、ちょうど「野外ワイワイどんちゃん騒ぎ」の国民の祝日の週末だったのでした。その次の週末には「これぞ夏日」といった快晴の青空と金色の陽光の下で「ゲイ・プライド」のお祭りの開催。

その翌週のウィークエンドはレイキャビク市のMenningarnottメンインガーノホト「文化の夕べ」という、これもお祭りがあり、「夕べ」になる前の朝イチからレイキャビクマラソンなどが開かれて盛り上がりました。

これらすべてを通じてアイスランドでは奇跡的と言える「好天」に恵まれていました。当然ながら人出も凄まじいものがあったようです。これも当然ながらワタシはその中にはおらず、従ってこれらすべてはワタシの「周辺世界」の出来事でした。

強く感じたのは、「あー、コロナ終わった」去年もイベントそのものは再開されていましたが、今年と違いは「ガイコクジン」の数で、今年はツーリスト数もコロナ前に完全復帰し、レイキャビクは再びガイコクジン勢力の支配下に戻った感があります。




内外から参加者・見学者が殺到するゲイ・プライドのパレード
Myndin er eftir G_Jjohnson@unsplash_com


私自身の生活では、夏休みが終わり新年度の準備が着々と始動しています。例えば以前も何度か書いたことがあるFermingフェルミング「献信式」の夏期コースです。

これはキリスト教の洗礼式を十四歳になって確認する儀式です。伝統的にキリスト教国であるアイスランドでは、あいかわらず過半数の赤ちゃんたちが洗礼式を受け、教会の仲間入りをします。

当然赤ちゃんはまだ「信じる〜?信じな〜い?」の決断はできませんので、この洗礼式は親の責任を前提として成り立つものです。そして、赤ちゃんたちが成長し十四歳になる頃になると「そろそろ自分で判断できるだろう」ということで、キリスト教への信仰を確認する「献信式」が持たれるのです。

これって、かなりメジャーな儀式で、実際には「家族単位」でのイベントになります。各家庭は親戚一同を招いてのパーティーを開き、献信する子供たちは、豪勢な贈り物を手にします。本番は来春の復活祭前後に行われるのですが、そのための足掛け一年のクラスが夏に始まるのです。

クラスというのは、キリスト教の極意や教えを徹底的に?叩き込むもの。ウソウソ。聖書とは何か、イエスキリストは何をして何を教えたか等々のごく基本的なことについて、遊びやピザを交えながら学ぶものです。




ネス教会でのフェルミング・コースでの朝の礼拝
写真 by Me


私は毎年恒例で、このコースに助っ人として駆り出されます。多くの教会でこのクラスが持たれるのですが、私が駆り出されるのは2005年くらいから十年間居候していたネス教会というところ。自宅から歩いて十分強のところにあります。

その教会を出てからもう八年も経つのですが、なぜかネス教会はワタシが来るのは当然と考えているらしく、今年も当然のように駆り出されました。ワタシもこちらが助けを求める場合のことなどいろいろと忖度して、参加OKとしています。

実際には私の担当するのは、一週間のコースのうちの一日だけ。そんなに負担ではないはずなのです–「が、」–夏休み明けのトロンとした精神的、肉体的状況にある時のこの一日はかなりショック療法的な意味を持ちます。

だいたい、10〜15人くらいのグループに対しての40分の授業を、四、五回繰り返します。生徒は十四歳になっているか、春までになる連中ですから、日本で言うと中学二年生くらい?かな。

そういう「現役」のティーンですからね。おとなしく座ってなんかいないのですよ。関係ないおしゃべりと、キャッキャキャッキャという女子の鳴き声、スマホのビデオミュージック、女子より一回り小さいくせにやたらに自己アピールしたい男の子たち。

これらを「ワン・パック」にしたのがクラスです。




クラスのスナップ1
写真 by Me


私に与えられているテーマは「イエスについてのイメージ」とかいう、なんだかよくわからないものなのですが、「加えて、トシキのしている仕事の説明や、教会の他の『特命係』牧師の働きについても教えてあげて」ということで。

私は「移民と難民」のための特別職にあり、この仲間には他に日本語では「教誨師(きょうかいし)」とも呼ばれる刑務所付きの牧師さんや、病院のチャプレン、障害者のための牧師さんらがいます。

クラスでは、当然「え〜、教会にはですね〜... 」とか話し始めても、誰も聞いてくれません。作戦が必要。私はまず「はい、では、始めますから静かにして」と「日本語で」話し始めます。そしてホワイトボードに「藤間寿紀」と私の名前を「漢字で」書きます。だいたいこれで皆さん注目してくれます。へへ、単純な奴らだ。

後は、読みと意味を教えたあとで「日本ではねえ、始めに姓を名乗り、後から自分の名前を言うんだよ。中国や韓国でも同じだよ」とか説明し、そのあとで簡単な日本語のフレーズを教え、しゃべらせてみます。即席「日本語講座」。日本語はティーンの間では人気の言語なのです。

そこから自分のしている仕事の話しに移り、特に移民や難民に対する「偏見」というものについて説明。偏見は多くの場合、ステレオタイプの考えに培養されており、このステレオタイプは日常生活に蔓延しているから、と注意を喚起。




クラスのスナップ2
写真 by Me


その例として、「イエス・キリスト」の顔を揚げます。いろいろなスライドをプロジェクターで見せながら、「ほとんどのイエスは長い髪に口髭、細身の身体で、時にはすっかりヨーロッパ人の外見になっている」ことや、「実際には、聖書はキリストの外見についてはなにも語っていない。

つまり背が高いか低いか、細身か肥満か、なにも伝えていない」ことを説明し、「にもかかわらず、世に伝わるイエスのイメージはみな似通っている。これがステレオタイプ」と指摘します。

その後で、実際に各人にイエスの顔を「自分のイメージで」描いてもらいます。この時点で残り時間はだいたい8〜10分。このパターンで授業時間の四十分間は賄えます。

生徒たちの描いたイエスの顔は、それでも80%はステレオタイプのままです。「自由に描いていいから」と何度も言ったのでけどね。まあ、それは仕方がないでしょう。一回きりでステレオタイプを打破するのは無理です。教育全体で取り組んでいただかないと。

今年の場合は、最後の時間はふたつのグループをまとめてでしたので、計五回の授業で済みました。それでもずーっと立ちっぱなしなので、終わった時には結構お疲れ。

毎年、このコース前にはうんざりゲンナリしてネス教会を恨むのですが、終わってみればスッキリくっきり、良い気分になるのも毎年のことです。試練を甘受し、忍耐力を試し終えた気分です。なんというか、これが終わるとシーズン開始に準備ができた、みたいな。

そして、実際に今年は夏の終盤からかなり忙しくなったのでした。それはまた次の機会にお伝えできればと思います。アイスランドの社会の動向に関わる、結構シビアな部分があります。

ともかく最後に今日の結論。「学校の先生でなくてよかったー!! 学校の先生方、ガンバッてください」

*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。


藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話し』と『自慢話し』」

2023-08-06 22:31:17 | 日記
こんにちは/こんばんは。

8月6日の日曜日です。この週末はVerslumannahelgiヴェルスルマンナヘルギ「商人の週末」と呼ばれ、明日の月曜日は国民の祝日となっており、三連休のウィークエンドなのです。

八月の第一月曜日を含む週末が、この「商人の週末」と定められています。「商人」というよりは「商業活動に携わる人々」という意味に受け取った方が正解と思います。

この週末は、ヴェストマンナ諸島をはじめ、あちこちで「ワイワイガヤガヤ野外どんちゃん騒ぎ」パーティーが催されるのが慣例となっていて、多くの人々がこぞって出かけていきます。とても楽しみにしている人々も多いのです。理解できませんが。

「商人の週末」についてはこちらも:「シーズン開幕直前情報」


この「商人の週末」が終わると、「夏休みも終わった」感が一気に浮上してきます。実際には、休み中の人もまだ多いのですが、少なくともいくばくかの人々は秋に向かっての仕事に着手し始めます。

私もそのひとりです。あさってからは仕事再開となります。この週末は夏休みの送別です。




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Hari_nandakumar@unsplash_com


ただ「まったり」しただけのワタシの夏休み。いろいろと自己啓発の本を読んだりメンタル系のYoutubeを見たりしていました。今年は「自分のありようの見直し」の年であり、その努力をまだ続行していますので。

いくつかの本やYoutubeは、とても良い内容を提供してくれましたので、いずれまた詳しくご紹介したいと思いますが、今回は特に高田純二さんの「教え」から考えたことを書いてみたいと思います。そうです、あの「天下のテキトー男」の高田純二さんです。

ワタシ、別に高田さんのファンでもなんでもないのですが、たまにバラエティで見かけると面白かったり、そうでもなかったり、というような存在の方です。ずーっと昔からいらっしゃる気がしていましたが、今、76歳でいらっしゃるそうな。

その高田さんが、2015年だかに「情熱大陸」の中で「歳を取ってからしてはいけないこと」を語ったそうです。「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話し』と『自慢話し』」

なるほど。別に斬新な発想ではないと思うし、むしろ高田さんのようなキャラクターから出た言葉だから「へえー?」と感じさせる気さえします。ただ。その後に続く言葉が高田さんらしく「だからおれはエロ話ししかできないんだよ」あはっ!

お年寄りの「説教」「昔話し」「自慢話し」に辟易させられた経験は誰でもあることだろうと思います。実際、この三つを日常的に行なっているお年寄りの方々自身も、以前はそのように思ったことがあるはずだと考えます。

では、なぜ自分でも体験しているのにも関わらず、自身がお年を召した時に同じ轍を踏む道を辿ってしまうのか?




ヴェストマン諸島の「ワイワイガヤガヤ野外どんちゃん騒ぎ」の一コマ
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


現在、私も「高齢者」の範疇に入っていっているので、そのことを考えてみました。自分を顧みてみると、まず「説教」は私の場合はチョト特別です。牧師なので「説教」というお話しをする機会が職業的かつ定期的に与えられています。

そのせいか、職場やプライベートでもことさら「説教」するようなことはない、と思います。もちろん必要な「説教」は個々人に対してもします。まあ、説教というよりは忠告・アドバイスと言った方が適当でしょう。

「昔話」「自慢話」はどうか?この二つは、二つのように見えて実際はひとつのことであるように思えます。「昔話し」はだいたい「自慢話し」の導入ですし、「自慢話し」は過去の自分についての話しに思われます。

この二つに関してはですねえ、私も常習的にではないにしても、それなりにしているなあ、と認めざるを得ません。多分、このブログの中でもしてきているはずです。

この点に関しては、私自身も若い頃には気がつかなかったけど、今にしてその裏にある「理由」に気付かされたように感じていることがあります。それはですねえ、誰しもその人自身の「前史」を持っているということです。

例えば、ある会社のある職場に初老の男性がいたとします。在籍三十年としましょう。その職場にはその職場の歴史があり、この男性が囲まれていた職場の条件や環境もあり、その中で男性が経験した苦労やもたらした功績もあることでしょう。

ですが、普通の職場では、そのような「職場小史」はオフィシャルには存在しません。ですから、最近職場に加わった若いスタッフは、その男性が「以前よりいる」ということ以外には、何もわからないのが普通です。

当たり前の話しですが、新たに職場に加わったスタッフにとっては、その時が「始まり」であり「スタート地点」です。そこから「あれが足りない」「これは非効率だ」というような健全な批判精神が働き始めるわけです。




清涼感アップ用ピック2
Myndin er eftir Michael_behrens@unsplash_com


ですが、その「始まり」「スタート地点」は、決して本当の「始まり」でも「スタート地点」でもありません。以前からあるものを維持したり、発展させてきたものの「途中経過」であるわけです。

ですから、それまでの経緯の理解なしに今あるものを評価することは、ある意味無理解の上に立った評価になってしまいますし、その場にいる三十年勤務の男性についても正しい評価を持てないことになります。

そのギャップを埋めるために、その男性がその職場の「昔話し」をし、必要に応じて「自慢話し」をして職場の成り立ちや自分自身を分かってもらおうとしたとしても、私にはそう「耐えられないこと」ではないと思えますし、むしろその職場の誰にとっても有益なものだろうと考えます。

「小史」というものは、社会の中のいずれの局面においても大切なものではないでしょうか?ある意味、歴史は小史の塊ですからね。

私自身は、アイスランドでの移民の生活に関連して、三十年近く働き続けていますが、残念ながら「小史」は残されていません。ですから、過去にどんな状況にあり、誰がどんなことをなしたか?についても、人が移り変わっていけば、何も残るものがなくなります。

そうすると、いつも新しくその場に立つ人たちが、自分たちの「始まり」から物事に着手することになるわけで、これは非効率です。実際に、現在の移民に関する議論の多くは、ずっと前からなされている議論の蒸し返しに過ぎません。

これは変えた方が良いのですが、そうなると高齢者が「昔話し」をしなければならなくなるわけです。




天下のテキトー男 高田純二さん
Myndin er ur Twitter


社会のある分野でも、職場でも、プライベートな集まりでも、とにかくその場にいる人々はすべからずそれぞれの「前史」を持っています。もちろん、高齢者だけではなく若い人たちもです。

周囲にいる人たちの、そういう「前史」を理解するには、まずもって話しを聞くという、多少の努力と忍耐は必要でしょう。

高田純二さんの言葉から、そんなことを考えていた私の夏休みでした。それでもこの言葉はしっかりと胸の引き出しに放り込んでおきます:「歳とってやっちゃいけないことは『説教』と『昔話し』と『自慢話し』」


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オータニさんの「珍種」度

2023-07-28 20:54:07 | 日記
こんにちは/こんばんは。

夏休み、真っ只中です。天候の方もそれにふさわしくなってくれていて、毎日晴れてますし、気温も13〜15度くらいを保っています。外に出て、陽がかげると涼しく感じますが、屋内ではタンクトップでも暑いくらいになります。

今夏のワタシはまったくの「金欠」で(実はいつもですが)、どこかに出かけるバケーションの予定はありません。現在夏休み中にもかかわらず、自宅か自宅近辺でウロウロしています。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Joshua_sortino@unsplash_com


最近、年齢のことも鑑みて禁酒したので(というか、「少なくとも今は禁酒中」)、夕食以降の時間もたっぷり目に感じています。ともすれば退屈〜! に陥ることもあるのですが、昨日の晩は「救い」がありました。それはSho-Timeのオータニさんです。

「昨晩」というのは7月27日木曜日の晩のことで、この日エンジェルスは敵地デトロイトでタイガースと対戦しました。前々日の対タイガース三連戦の一戦目はエンジェルスが競り勝ちましたが、翌日の第二戦は雨で順延。

この時期のエンジェルスの日程は過密で、タイガース三連戦の後は、一日の休みもなくトロントでの対ブルージェイス三連戦。また日をおかずに翌日からアトランタでの対ブレーブス三連戦が組まれています。休みなしの九連戦。しかも、デトロイト、トロント、アトランタと巡業で。

メジャーリーグの厳しさですが、ともかくそういう日程だったので、雨で延期された対タイガース第二戦は、翌日にダブルヘッダーの第一試合として組まれました。試合開始、東部時間の午後1時。その時点では第2試合の開始は未定。そりゃそうですよね、第一試合が終わらないと始められないから。

これは私にとっては天の恵みで、アメリカの東部時間午後1時はレイキャビクの午後5時。野球観戦にはドンピシャの時間帯。しかも、次いでダブルヘッダーの第2試合があるとすれば、これはもう一晩中野球尽くし。

実はエンジェルスの試合はなかなか観るのが難しいのです。本拠地ロサンジェルスの午後7時(平均的な試合開始時間)は、こちらの午前2時。アメリカ西海岸との時間差は7時間もあるからです。まあ、仕事のある時は観戦不能となります。

そういうわけで、昨晩はホットドッグとウォーターボトルを交互に持ちながらの野球観戦となりました。非常に満足。

第一試合は、オータニさんが一安打完封試合。知らなかったのですが、完封勝利は渡米以来初だったんですね。続く第二試合 -なんと第一試合終了より45分後: そんなに間(ま)を詰めてやるんだ、ダブルヘッダーって- では、オータニさんは第二打席、第三打席と連続ホームランを放った後、お役御免となりました。

エンジェルスは、こうしてタイガースに三タテを喰らわせたのですが、オータニさんのスーパー活躍が一要因であったことは言うまでもないことです。




ネットでのMLB観戦、こんな感じ


で、このオータニさんについてのニュースやYoutubeはいくらでもあるのですが、確かにユニークですよね、この方は。グラウンドでものすごい超ド級の活躍をするのですが、グラウンド外ではまったく気配なし。この差がものすごくないですか?

例えば、今人気のベイスターズのバウアー選手とかとは大違い。バウアー選手とかは、実力もありますが、おとなしくしてる時がないですよね、グラウンド外でも。

その点、彼は我らがダルビッシュ選手とも共通してるところがあると思います。前にも何回か書いたことがありますが、私はまずもってダルビッシュファンです。以前は嫌いでしたが、後に信者に転身しました。

ダルビッシュ(失礼して敬称略)の好きな点は、自分が好かれる・嫌われるを超越して、自分が思うことをなし、語る点です。もちろんグラウンド内での実績を前提として。

日本のプロ野球界での、トレーニング一般についての時代遅れの考え方やメソッドへの批判や、NPBの仕組みそのものへの疑問点など、かなりはっきりと意見し、また行動しています。そういうの、私は好きです。

実は、そのことが私が長らくオータニさんを応援しつつも、それほどのファンではなかった理由なんです。なんというか、グラウンド内ではものすごいし、それ故注目度もずば抜けているにもかかわらず、それを良いふうにも悪いふうにも用いていない、みたいな。なんで?

「僕はこう思います」みたいなことをオータニさんが、例えばSNSで発信したりしたら、まさしく「ほんまもん」のインフルエンサーになります。誰もが承知してることです。インスタグラムにはアカウントがあるみたいですが、本人かどうかは知りません。少なくとも私は「オータニさんがこう言った」というような話しを聞いたことはありません。皆さんはありますか?

もちろん、グラウンド内に限っても、オータニさんの影響力は凄まじいものがあります。試合での成績だけでなく。いつも礼儀正しく接する。いつもにこやか。ゴミを拾い、バットは丁寧にバットボーイに返し、相手を気遣う。こういうのは全部観ている人たちにプラスの影響を与えています。



オータニさんの特殊能力について語るサンデル教授
Youtubeより


大谷の”ある特殊能力”についてハーバード大学の名誉教授が大絶賛!(1)

大谷翔平の”ある特殊能力”をハーバードの名誉教授が大絶賛!(2)


あるYoutubeの中にこんなのがありました。ハーバー大学のサンデルという名誉教授がオータニさんを絶賛しているというのです。このサンデル教授は哲学と倫理学の先生だそうですが、オータニさんの持っている「謙虚さ」を、彼の成功を支える「特殊能力」としてみなしているとか。

その流れで紹介されたエピソードが、オータニさんが引退後の夢について聞かれた時のこと。「大学へ行っていないので、普通のキャンパス生活を体験してみたい。どいうものか聞いてはいるけど、体験していないので。授業へ出て、単位を取ってみたい」

確かに、これだけのスーパースターの口から出てくる「引退後の夢」とは思えないものがありますよね。

ダルビッシュやバウアーとは、違う意味で目立つタイプである、サッカーのロナウドや本田圭佑選手と比べてもオータニさんは「真逆」に思えます。

本田選手やロナウドは、良くも悪くも典型的なオレオレ族で、多分そうでなければやっていけない世界なのでしょう。ちなみに本田選手は好きですが、ロナウドは嫌いです。




ついに私もなってしまった... オータニ族


そんなことを昨晩の試合を観ながら考えていたのですが、ふと思い当たりました。

オータニさんというのは、すべてをグラウンド内に集約していく生き方を選んでいるのではないか。試合の成績ということにかかわらず、彼の世界観、人生観、対人感、価値観。それらのすべてを、グラウンド「内」から発信してくことにしているのではないか、と。

だから、より一層ファンはグラウンドでのオータニさんに注目することになります。他に彼について知る手立てがないから。

ここになにか、SNSが席巻している今の私たちの生活に対してのメッセージがあるような気がします。本当に大事なものは何か、あなた自身はわきまえているのか?と。あなたの生活の「芯」は何なのか?と。

現代のプロスポーツ界の只中にあって、オータニさんが「珍種」であることは間違いないようです。成績がずば抜けてることだけではなく、その存在がユニークです。多分、多くの人が言うようにオータニさんは本当にエイリアンなのでしょう。

チーム的にはヤンキースファンの私ですが、この夏秋は期間限定でエンジェルのサポーターになります。


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マグマ噴出と閲覧総数百万バンザイ

2023-07-21 05:20:00 | 日記
こんにちは/こんばんは。

ちょっと長めのインターバルが空いてしまいました。実は今週の月曜日から夏休み!に入っているのですが、休みに入る前というのはどうしても、区切りをつけておかねばならないことがありますので変に忙しくなったりします。

実際に休みになっても、五月雨式になんやかんやとしなければならないことが出てきます。これを防ぐには、もう国外へ脱出する以外はないのですが、金欠のワタシは(今年も)在宅夏休みとなります。




これは前回の噴火からのピック
Myndin er eftir Asa_steinarsdottir@unsplash_com


さて、前回のブログの中で「地震が絶えない」ということについて書きました。前回のブログの更新の二日後くらいに地震はきれいさっぱり消えてしまいました。噴火したからです。

「噴火」というのが正しい表現かどうか、ちょっと首を傾げます。ここ数年断続的に続いている火山活動は、例えば桜島や阿蘇山の噴火のように、山の天辺の噴火口から火山灰がもくもくと立ち上がる、というものではありません。

むしろ広大な原野のどこかの地面から溶岩が噴出する、という仕方での「噴火」なのです。それが面白いもので、しばらくマグマが噴出するうちに、固まったマグマが堆積していって、小さな山のようになっていきます。火山て、こうやってできるのかな?




今回の噴火
Myndin er ur Visir.is/VILHELM


溶岩の噴出はまだ続いています。もう一度場所を説明しますと、これはアイスランドの南西部、レイキャネス半島と呼ばれる地域になります。この半島には、日本からのお客様が到着するケフラビク国際空港があります。

ケフラビク空港とレイキャビクの中間あたりにある原野で、この火山活動が続いています。日本のニュースでもこの「噴火」が扱われていました。ちょっと大袈裟で、なんかマグマが今にもレイキャビクまで流れ込んでくるような感じで報じられていました。

実際は別に日常生活にはなんの影響もありません、今のところは。噴火地帯の近くに町グリンダビクとかでは、風向きによっては有害なガスが流れ込む可能性がありますから、まったく影響がないわけではないですね。

観光業会は大喜びで、いろいろと火山見学を観光の目玉のひとつにしようとしているようです。ただし、今回の噴火?噴出では、まず原野の草木に火がつき、野焼きのような状態になってしまいました。それで、これを鎮火するという膨大な作業がなされていたため、数日間立ち入りが禁止されました。

また、前回のようなきちんとした駐車場や見学用の登山道がまだ確立されていません。私が聞いている範囲では、陸路から噴火現場を観光することは、今はまだ難しいとのこと。ただ、高いところからの遊覧飛行とかはあるはずです。値段も高いでしょうが。




ここが噴火の地域
Myndin er ur Vedur.is


観光業界の人がテレビのニュースで話していましたが、間を置かないフライトの予約が増えているらしく、やはり「噴火した?じゃあ、見に行こう」式にやってくる外国の方が相当数あるようです。

そんなに見たいですかね?ワタシは観光オンチ...

さて、前回のブログ更新直後に、もうひとつのできごとがありました。チョーローカルで、ワタシにしかほとんど意味のないできごとです。

このマイナーブログの「閲覧総数」が百万回を超えました。「百万回なんて、今のSNSだったら一日、二日で稼ぐ数じゃん」とか言われそうですし、その通りなのでしょうが、ワタシにとっては「百万」というのは、日常生活ではそうそう縁のできない数なのです。

ちなみに「訪問者総数」は五十万強で、これは今年のブログお休み中に達していました。ブログお休み中でも、昔のものを読んでくださる方がいらっしゃるのですよ。ありがたいことで。




まさしく皆様のおかげ m(_ _)m


足掛け十一年での「百万」ですので、まさしく長くやっていれば、まあ、数はそれについてくるものだ、ということでしょうか。

というわけで、なんのためにもならないような、このマイナーブログを読んでくださる皆さんには、ひたすら感謝です。これからも期待しないで覗いてやってください。m(_ _)m


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女性用のタンクトップの夏

2023-07-08 22:27:11 | 日記
こんにちは/こんばんは。

アイスランド -というかレイキャビク界隈- では、今年の夏はあまり当たり年ではありませんでした。暑いくらいの日もあるのですが、翌日には「寒い」くらいに気温が下がったりして不順でした – です。

ですが、ここ数日は13〜15度くらいを保ってくれており、かつ向こう一週間もこの調子で行ってくれるような予報がでています。ホントかね?




清涼感アップ用ピック1
Myndin er eftir Lucas_davies@unsplash_com


13度あれば、もうこちらでは御の字なのですが、ちょっと日本と違うかなぁ?と思うのは気温の上がり方です。私も日本を出てからもう三十年経ちますので、今は違ってきているのかもしれませんが、日本だと大体夕方からは気温は下がり始めるものでしょ?一般的に。

こちらでは、四時過ぎあたりからさらに気温は上がってきます。これは単に日が落ちない故なのだろうと思います。私の個人的な体感では、一日の気温のピークは夕方過ぎにやってきます。

エアコンというものがありませんので、家の中にいる時にはもうショートパンツとタンクトップ。こういう姿でいられる一年の中での僅かな日々を楽しんでいます。アメリカからネットで買った紺色ベースに黄色で縁取りしたMICHIGANと入っているミシガン大学のタンクトップが今のお気に入りです。

実はこれ、女性用のものを間違って買ってしまったもの。出荷されてから気がつき、バスト部分がゆるゆるかな?と諦めていたのですが、意外とそんなことなくフツーに着れてます。何が違うのかな?丈がちょっと短めかも。「女性用」と思って着ると、変にコーフンしたりして。(^-^;

ちなみに、私には各スポーツごとにお気に入りのチームがあり、カレッジフットボールは高校生の頃よりミシガン大学のファンなのです。




今夏のお気に入り ミシガン大タンクトップ


さて七月中旬に入りますが、周囲はもうすっかり夏休みモードに入っています。そういう中での最近のアイスランドのメディアトピックは、まずは捕鯨禁止を巡る騒動。

アイスランドは依然として商業捕鯨を行う国のひとつです。周辺国からは捕鯨を批判する声が継続的に届いてきます。観光業が盛んになっている背景もあり、最近では国内でも「捕鯨廃止」論が強まってきていますね。捕鯨よりはホエール・ウォッチングを、と。

で、二週間くらい前だったか、割り当て捕鯨開始の数時間前になって、スヴァンディース食糧大臣が「一時的な捕鯨差し止め」令を出してしまいました。これは鯨資源保護の研究者からのリサーチ結果を受けての決断だったらしいのですが、国会での議論や賛同を経ていません。大臣ひとりの決断でした。

環境保護者や動物愛好者の人たちはこれを「素晴らしい英断」と讃えますし、捕鯨関係者は「行きすぎた独断」と糾弾します。捕鯨関係者が血相を変えるのは無理もないです。生活がかかってるのだから。「大体、大臣にそんな権限はないだろう」と、多分裁判になるんじゃないでしょうか?

ワタシ自身は特に意見のない日和見です。別に鯨が可愛いとは思いませんが、他に食べるものはいくらでもあるし、わざわざ捕鯨しなくてもいいのではないか、と。
でも、あまり鯨が増えるとアニサキスも増えるんだそうで... (アニサキスの生きる目的は鯨の体内に入ることだそうです)




フーサビークのホエールウォッチは鯨に近いので有名
Myndin er eftir Till_rottmann@unsplash_com


最近のトピックその二はアイスランド銀行です。2008年に国家規模での金融破綻に見舞われたアイスランド。すべての銀行は国有化され、それから経済の復興に合わせて徐々にまた民営へと戻されてきました。

昨年の春、国が保持していた22,5%分のアイスランド銀行の財産が民間へ売却されました。この時、相当な額の「値引き」がされたことが明らかになり、批判が湧き起こりました。買い手の中に、現財務大臣のビャルトゥニ氏の父親が含まれていたこともあり、「身内に値引きしたのだろう」との怒りも。

この問題は相当燻っていたのですが、これも二週間くらい前に最新の調査報告がなされ、売却のプロセスでアイスランド銀行が虚偽の資料を政府に提出していたことが発覚。頭取は即辞任。

それで問題が終わるわけではなく、政府の責任を問う声や、辞任した頭取への退職金等についてもすべてを一般に公開するように、との批判が強まっています。

金融問題についてはまったく音痴な私ですが、基本的に理解できないのは、虚偽の資料を提出していたのになんで訴追されないの?ということです。銀行人は手厚く保護されてるんだなあ、と感じ入ります。2008年の金融危機の立役者も銀行だったのですが、誰も責任を取らず。

顔ぶれは変わっても、以降もずっと銀行は巨大な利益を上げ続け、ローンの返済に困った人たちの家を取り上げ、中央銀行が公定歩合を引き上げるたびに、ローンの利子を引き上げて一般人の家計を拷問してきています。

これが「巨悪」と言われる力で、あがらう術もないのですが、ひとつだけ言わせてもらうと「お前らは、天国には入れないからな」

トピックその三。地震です。




自然の提供する観光スポット
Myndin er eftir Tobby_elliott@unsplash_com


そうなんです。ここ一週間くらい、空港の町ケフラビクのある南西部を震源とする地震が一日4000回とか記録されています。レイキャビクでも、本当に年中グラグラしています。

これはもちろん、火山活動に直結しているものです。予報ではここしばらくのうちに噴火が見られるだろうとのこと。これは三年ほど前に溶岩が噴出したのと同じ地域なのですが、どこから溶岩が噴出するかは「出てくるまでわからない」のだそうです。

前回も同じ状況で、毎日毎晩絶え間ない地震だったのが、マグマが噴出した途端にすべて地震は治まりました。今回もそうなるのでしょう。

起きるな! アイスランドのマグマゴジラ


あの辺りで平和的にエラプトして欲しいものです。観光業界はウハウハもんですね。投資ゼロで、勝手に観光スポットを提供してくれるわけですから。二、三年前コロナで苦しんでいた観光業界に一途の救いをもたらしてくれたのが、火山でした。

そこでトピックその四。アイスランドではコロナはもはや影響なくなりました。もちろんコロナに感染する人もあれば、重篤化する方もあるのでしょうが、もう一般の疾病として扱われます。

そして、そのことを顕著に表しているのが、ツーリストのwelcome backです。ダウンタウンなんか外国人しかいませんよ。(お前もだろ)  どこのカフェもレストランもいっぱい。ホテルはfully booked で満員御礼。今年の観光客の総数は230万人と見込まれており、コロナ前の2018年だか19年に続く記録になりそうだとのこと。

まあ、経済が潤うのは間違いないですし、国全体にとってはありがたいことですね。願わくは、その利益が一部の人たちだけではなく、国民全体にバランスよく還元されますよう。

観光業は、観光業界の人たちだけで賄われているわけでは決してありませんからね。230万人の観光客がやってくる状態の中で、なんらかの皺寄せをみんなで分け合っているわけですよ、特に利害関係がない人たちも。国や経済会のトップの方々はそのことをお忘れなく。

なんか、ウメザワトミオさんみたいになってきた。ああいう人にいてほしいなあ、アイスランドにも。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

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コメント (2)
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