肯定的映画評論室・新館

一刀両断!コラムで映画を三枚おろし。

『アイアンマン』、観ました。

2008-11-07 19:52:44 | 映画(あ行)





監督:ジョン・ファヴロー
出演:ロバート・ダウニー・JR.、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、グウィネス・パルトロウ、

 『アイアンマン』、映画館で観ました。
軍事企業CEOにして天才発明家のトニー・スタークは、武器のデモで訪れた
アフガンで 武装集団に拉致され、兵器開発を強要される。彼は兵器開発を
するフリをしながら脱出用のパワードスーツを製作し、命からがらの脱出を
果たす。 帰国後トニーは自社の軍事産業からの撤退を発表。自らは自宅の
作業部屋に篭って、 新型パワードスーツの開発に没頭する。彼の周囲は
恐ろしい陰謀がうごめいているとも 知らずに……。
 日本語に訳すと“鉄人”ってか。おっと“28号”じゃないゼ。まったく、人を
喰った タイトルだ。普通なら絶対付けない。ありえんよ。こんな時代錯誤の
タイトルは。でも、観てくうち、なんも考えてないてないようでいて、それが
狙い通りの確信犯だと分かってくる。後のレビューにも触れるが、先に
ここで 言っておく、「この映画の名付け親、なかなかの策士だゾ」。
 物語の主人公は、元をただせば開発能力に長けた発明家で利己主義な
戦争の 武器商人。公共のモラルとは掛け離れたところで自分の懐を肥やし、
その財でもって夜毎、オンナ遊びとカジノに明け暮れる。いわゆる、世間
一般にいうヤな奴だ。しかし、それがある事件をきっかけに、自分の体を張って
“悪を退治する側”へと変わっていく。しかし、人はそんな“簡単”に、且つ
“劇的”に変われるものだろうかとツッコミたくもなるのだが、それがアメコミという
“マンガの世界”なら許されようぞ。その辺のくだりが、さもアメリカ的な
アバウトさ加減で、しかもそれが“濃ゆキャラ”の中年おっさんに戦闘スーツを
付けて戦わせるのだから目を疑う。でもって、その“屈折した、アンチな
ヒーロー像”が、最高にCOOLで、ダサかっちょイイのだ。彼が悪に対して
敵対心を燃やせば燃やすほど、また、正義に対して進めば進むほど、どっか
ヌケてる感じがして笑っちゃう。悲しいかな、彼の、そのエネルギーの向かう
ベクトルがちょこっとズレてるのサ。主演の ロバート・ダウニー・JR.も、そこを
重々理解した上で、コミカルよりマンガチックに 演じることに重きを置く。
ゴボウのようにアクが強くて、山椒のようにピリリと辛い。まったく何処までも
ファンキーな野郎だゼ。
 映画は、『トランスフォーマー』より断然イカしたロボット対決が展開され、
ナンセンスなSF映画として観るにはゴキゲンな出来栄え。それにしても、
それまでさんざ武器を売って大儲けしてた主人公が、今度は自分の命が
危うくなってきたら、金に任せて“鉄の鎧”を作り、悪を撲滅するため立ち上がる
なんてのは、ちょっと幼稚で身勝手過ぎるんじゃあるまいか。いや、それって
“どっかの大国のありのままの姿”じゃないかしら。実は、この映画を観て
オレたちが笑っているのは、単に物語の中の主人公だけじゃなく、その背後に
透け出して見えてくる“アメリカの滑稽さ”かもしれないゼ。


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