この夏の電力不足に備えて、大手電機メーカーの間では、夜間に電気を蓄えて停電時には非常用電源として電化製品を動かすことができる家庭用蓄電池の発売を、予定より早める動きが広がっています。
家庭用蓄電池は、住宅のコンセントから充電ができるため、電力の供給に余裕のある夜間に電気を蓄えれば、停電した際や電力使用のピークとなる昼間も電源として利用することができます。
家庭用蓄電池について、「東芝」は、当初、来年度に発売する予定でしたが、電力不足が予想される夏場に間に合わせるため、6月に発売を前倒しすることになりました。この蓄電池は、新潟県内の工場で生産している自動車向けの製品を家庭用に活用するもので、電気の容量が1キロワットアワーの製品ですと、中型の冷蔵庫であれば10時間ほど冷やすことができるということです。
また、「パナソニック」も、今年度中に発売する予定だった家庭用蓄電池を、この夏までに発売することを決め、パソコン用のリチウムイオン電池を利用した家庭用蓄電池の開発を急ぐことにしています。蓄電池は、これまで工場や店舗など業務用の製品がほとんどでしたが、一部の家電量販店が家庭用蓄電池の取り扱いを始めるなど、電力不足をきっかけに一般家庭でも利用が広がりそうです。
このように、何か誰もがもっともだと納得できる状況になると慌てて創り出す。作れば少なくとも売れる可能性が見えたからですが、これは誰もが考えること。
新商品開発で新市場を創ってチャンスを掴むのは、誰も未だ注目していないニッチな市場を見つけ出し、タイミングを見計らって一番に市場に出し、そして先行利益を得る。2番手3番手が登場して競争状態になるまでに次の一手を準備するというのが王道。
私は、省エネビジネス関係の仕事に数多く携わっていて、家庭用非常用電源装置も2年位前から技術的にも量産化も目処がついていたので、中小ベンチャーに早くカタチ(商品)あるものを作って市場に顔を出しておきなさいと、何度も言ってきたのですが、ほとんどの企業は大手と同じように今慌てているのが現状で残念で仕方ありません。
レバタラは言っても前に進まないので、こうなった今、中小ベンチャーはどうすれば良いかというと、これまた答えは簡単なのですが、中々気付かないと思います。早く作って売ることにほぼ100%集中して競争市場の中に埋もれてしまうからです。
今のような状況で売る準備(製品)が出来ていなかった中小ベンチャーには、現市場に追いつくことよりも確実にある次のチャンスへシフトすることを強く勧めます。
この後どうなるのかは過去の多くの事例を分析すると見えてきます。しっかり先を読む視点を持って、次の大きくステップアップするチャンスは逃して欲しくないと思います。
成功パターンにハメコム Topdas