昨日は
仕事から帰宅して
また考えてみた。
夕方には冷えてくる。
夜はもっと冷える。
あのカエルは
自分で土を掘る力はもうない。
元気なカエルは
土を掘って自分の身体をスッポリ埋めるくらいに
上手に寝床を作る。
それができないあのカエルのために
もう一度
寝床を作ってやろうと思った。
プランターは大きすぎる。
背が高すぎる。
そこで
適当な箱にビニルを貼り(雨ですぐダメにならないように)
脱出できる穴を2つ作り
それをドームにしてやった。
更に
干草を小さくまとめて
軽い掛け布団のように作った。
それも持って
夕方サンルームの下に。
少し離れたところの
アジアンタム(サンルーム下に自生したようになって増えている)の
陰にくぼみを作って
別なカエルが潜んでいた。
目を閉じて喉を動かしている。
元気なカエルだ。
あのカエルは
プランターを開けると
目を見開いたまま(瞳孔が開いたまま?)
何かに耐えるようにして
まだ生きていた。
そして私に気づくと
威嚇した。
何度も威嚇した。
他のカエルには観られない独特のその姿は
やはり
7月に私とやりとりした(その記事あり)カエルだ。
普通のカエルは
あんなに威嚇しないし、死んだふりをしたり、無抵抗なんだ。
4つ脚を踏んばって、シャーという姿はあのカエルしかいない。
くぼみを少し深くしてカエルの身体が平らになるようにした。
カエルを入れて
干草ふとんをかけてやる。
これなら少しは温かく過ごせるだろう。
そして風除けの箱をかける。
更にプランター。
これで彼は静かに死を迎えられる。
今朝早く
激しい雨が降った。
音が凄かった。
当然、あのカエルのことが気になった。
雨が落ち着いてから
覗いてみると
干草の下から、箱の穴から
顔を出していた。
目は半開きだった。
それは寝ているのか
死んでいるのかわからなかった。
寝ているのならそっとしておこう。
生きているのか否かを確かめないでおこう。
顔を出している姿は昨日とはちがう姿だったから
あれから少し動いたのであろう。
昨日職場で
同僚に
「うちのカエルが死にそうなの」の唐突な言葉を
言ったら笑われた。
笑うしかないよね。
真剣に
いっしょに、大変だね、と同情するのもおかしいよね。
カエルの命は軽いものね。
その反応は妥当だと思った。
しかし、逆の立場で私が言われたら
私は、いつもの自分で
あれこれとアドバイスをするだろう、その姿は滑稽かもしれないけれど。
カエルよ
一昨日、雨が降らなかったら
あなたは私の目の前に現れず
人知れず草の陰で死に絶えて、土に還っただろう。
私に姿を見せて
こうして「悲しみ」を置いていったのは
私に
「どうぞ、私を優しく葬ってください」の合図だったんだね。
そう思うことにしたよ。