ATtiny45Vを使ったテスト用赤外線受信機

左上がATtiny10　左中央がタイトルの受信機に使ったATtiny45V(TSSOP)

　インドア・プレーンへの搭載を考えているので、小型で軽量なマイコンを使うのが最優先になりますが、今のところ6ピンの
ATtiny10を調達できたものの、ATtiny10用の書き込みツールがないので、手持ちの8PIN AVR(ATtiny13VとATtiny45Vでプログラミングして、STK500で書き込みました。



　AVR Studio 4.18 Build684(ダウンロードには登録が必要)の使い方にも慣れてきて、ようやく実用レベルの赤外線受信機プログラムが組めるようになりました。デバッグのしやすさが、プログラム開発に大きく貢献しています。AVR Studioでデバッグ時に表示されるI/O Viewウインドウがとてもわかりやすく、PICのMPLABのそれとは比較にならないほど優れた使いやすさです。Processorウィンドウに表示されるStop Watchが途中でリセットできないのが少し残念。

　インドア・プレーンに使うモータのスピードはPWMでコントロールしますが、軽さが重要なので超軽量受信機には6ピンのPICマイコンPIC10Fシリーズを使っています。PIC10FシリーズにはPWM機能がないため、ソフトウェアPWMを組み込んでいます。ソフトウェアPWMは分岐のどのルートでも同じステップ数にするためのプログラミングがとても大変です。その点、同サイズのATtiny10にPWMが備わっているのはとても魅力です。

　AVRは9年間のブランクがあり、思い通りプログラムを組めるか不安もあったので、まずは簡単なプログラムから実験をスタートしました。LEDチカチカとか、赤外線受光素子とAVRをつないで、赤外線送信機からのシリアルパルスを各ポートに振り分けて出力するデコーダなど。

　AVRには有志による日本語マニュアルが公開されているのでとても助かります。それでもPWMを実装するとなると関連レジスタの設定等にかなり戸惑いました。

　AVRのPWMには高速PWMと位相基準PWMがあり、6ピンのATtiny10にはそのほかに位相/周波数基準PWMがあります。9年前に高速PWMのプログラムをテストしたときは、デューティ0%から100%まで変化させても、0%の時にひげパルスが残って完全OFFにならず、100%の時にもひげパルスが残って完全ONにならなかったことを思い出しました。その解決策が見つからないままAVRから離れてしまったのです。

　今回AVRのPWMを勉強するにあたりいろいろ調べてみたら、高速PWMはデューティ0%でも完全にOFFにはならず、デューティ100%でも完全にONにはならないのはそのような仕様のようです。まあそれでも使うのには支障がないのですが、気持ちが悪いですね。



　そこで今回は位相基準PWMでプログラムを組んでみました。インドア・プレーンのスロットルコントロールにPWMを使う場合、パルス幅はおよそ1msから2msの範囲で変化します。そのパルス幅をレジスタに読み込んでPWMをポートから出力します。

　位相基準PWMではPWMのデューティ0%で出力が完全にストップし、デューティ100%で完全にONするのがテストで確認できました。今回のPWM周期はおよそ7.5KHz。スロットルの分解能は70ステップです。


ブレッドボードで赤外線受信機を組んでモータとサーボの動作確認

　今回の受信機プログラムはスロットルのPWM出力のほかにエルロンとエレベータにサーボが使えるようにしてみました。サーボ対応スピードコントローラ内蔵3チャンネル赤外線受信機になります。PWM出力の更新は約20msに一回(送信機に依存)で、2チャンネル分のサーボパルスも20msごとに更新出力してます。

　早速テスト用の受信機を手持ちのATtiny45VのTSSOPタイプを使って作ってみました。タイトル画像は2番目に作った受信機です。0.5mm両面基板を使い、サイズ12mm角で重量0.3g。赤外線受光素子やバッテリモニタLEDは基板の裏側についています。

　最初に作った受信機は、AVRの足幅が狭い(ライブラリを作るときに間違えた)かったため、やむを得ずAVRの足を短くカットして無理やり基板にはんだ付けしました。結果は動作が思わしくなくて結局作りなおしました。



　このところAVRのプログラミングで毎晩寝不足続きでしたが、テスト用受信機もできたので一段落。早速エレボン1号機に搭載してみました。今度の飛行会でテストしたいと思います。