Indoor airplane world
 



 入門シリーズ第3弾として、超小型2チャンネル赤外線送信機の基板完成品ITXS2と、自分で組み立てる楽しみを味わえるキットITSX2KITIndoor Airplane World e-shopに用意しました。

 すでに発売している2チャンネル赤外線送信機(ITX2KIT)と基本的に回路は同じで、表面実装部品を使うことで超小型化しています。

 当初基板完成品での供給を予定していましたが、キットにしてほしいとの要望があり、基板完成品とキットの両方用意しました。

 送信機として完成させるためには、ITXS2KITのほかに、ジョイスティック、赤外発光ダイオード、抵抗、変調周波数切り換えスイッチ、電池などが必要になります。



 基板サイズを32.5mmx19.5mmと小さくしたことで自由度が高くなり、好みのケースに収めて送信機を作ることができます。

 大変小さなチップ部品で構成されているため、はんだ付けに自信のない人は基板完成品を使って送信機を完成させてください。

 赤外発光ダイオードは3個(1組)から21個(7組)まで、用途に応じて自由に組み合わせて使うことができます。

 電源の電池にはリチウムポリマ電池(2セル直列)のほか、ニッカド電池(6セル直列、ニッケル水素電池(6セル直列)、アルカリ乾電池(6セル直列)などが使えます。

 広い場所で使う場合は、リチウムポリマ電池(250mAh以上の容量)と、7組(21個)の赤外発光ダイオードを組み合わせることで、最も大きな赤外線出力をもつ送信機を完成させることができます。

 室内などで使う場合は、1組(3個)の赤外発光ダイオードで十分実用になります。この場合は消費電流が少なくなるので、電源に006P型のニッカド電池あるいは70mAh(IPX-70)リチウムポリマ電池(2個直列)を使ってもよいでしょう。

 バッテリモニタ回路が搭載されているので、安心してリチウムポリマ電池を使うことができます。



 キットの中にあるITXS2 BMSETと書かれたバッテリモニタを構成する部品を最初に基板にはんだ付けします。上図の黄色い枠内がバッテリモニタ回路です。LEDはまだ取り付けません。基板完成品を作るときに、ひとつ上の画像の黄色い番号順に部品をはんだ付けしました。



 部品が小さいので紛失しないように気をつけてください。チップ抵抗はすべて同じサイズなので、はんだ付けする場所を間違えないようにしてください。チップ抵抗は表面に抵抗値が印刷されています。また、チップコンデンサのC104とC105はサイズが同じですが、C105のパッケージには黒い帯で印が付いています。チップ部品のはんだ付けが済んだらLEDを端子に仮配線します。LEDの足の長いほうがアノードになります。

 ここでバッテリモニタの電圧調整を行います。リチウムポリマ電池は過放電厳禁で、セル電圧が3V以下にならないようにしなければなりません。2セルの場合6Vになりますが、ここでは安全を見て電池の電圧が6.5Vに低下したらLEDが消灯するように調整します。6.5V以上ならLEDが点灯して安全に使えることになります。

 電源装置から6.5Vの電圧を基板のB+とB-に加えます。この時点でLEDが消えている場合は、基板にBMと書かれたトリムポットを、マイナスドライバで反時計回りに回し、LEDが点灯することを確認してから、時計回りに静かに回してLEDが消えたところでとめます。電源接続時にLEDが点灯している場合は、トリムポットを時計回りに静かに回してLEDが消えたところでとめます。

 バッテリモニタの調整はこれで完了です。調整が終わったら電源をはずします。基板完成品は調整済みで出荷していますから、あらためて調整する必要はありません。

 次に基板上のすべての部品をはんだ付けします。PICマイコンはすでにプログラムが書き込まれているのでそのままはんだ付けしますが、取り付ける場所や向きを間違えないように気をつけてください。


基板完成 サイズ32.5mmx19.5mm

 使用するジョイスティックによっては、スロットルスティックの改造が必要です。その場合はあらかじめ改造を済ませておきます。(改造例1) (改造例2)

 この送信機はFutabaフォーマットで作られています。Futaba用の赤外線受信機を使用してください。JR、Sanwaフォーマットの赤外線受信機では正しく動作しません。

 下図のように、ジョイスティックのラダーボリュームをR-r端子に、スロットルボリュームをT-t端子に配線します。ゲームコントローラなどからはずしたジョイスティックを使う場合は、10Kのボリュームであることを確認してください。


ジョイスティックは上から見た図

 下図のように送信機の変調周波数を切り換えるスイッチ(S2)をS端子とB-端子の間に配線します。スイッチをONにすると38KHzの変調波出力、スイッチをOFFにすると56.9KHzの変調波出力になります。スイッチを省略して38KHzの変調波のみを使う場合はS端子とB-端子をジャンパー線で結線してください。56.9KHzの変調波のみを使う場合はS端子はオープンのままにします。

 電源はB+端子とB-端子にスイッチ(S1)を介して配線します。電池コネクタの抜き差しで電源のON/OFFを行う場合は、スイッチ(S1)を省略できます。



 赤外発光ダイオードSLR932AV-7KまたはQED234を3個と、2.2Ω 1/4W 1%誤差の金属皮膜抵抗を直列にしたものを1組として使います。他の赤外発光ダイオードを使ったり、抵抗値を変更したりしないでください。1組から7組まで使用目的に合わせて自由に組み合わせることができます。





 赤外発光ダイオードのアノード側をB+端子に、抵抗側をK端子につなぎます。一度にすべての赤外発光ダイオード配線する前に、上図のようにとりあえず1組だけつないで次の調整に進んでもよいでしょう。

 すべての配線が完了したら、配線に間違いがないかもう一度確かめてください。

 最後にスロットルのローポジションの調整とラダーニュートラルの調整をします。調整には実際に使用する受信機を使うのが一番確実です。

 受信機側の準備が出来たら、送信機のスロットルを下げてから、電源の電池を接続して電源スイッチをONにします。

 基板上にTHRと書かれたトリムポットを回して、モータがストップすところに合わせます。次にRUDと書かれたトリムポットを回してラダーの中立になるところに合わせます。これで送信機の調整は完了です。

■応用例■



 広い体育館や部屋の中でテストする場合など、両方で使いたい場合はそのままでもよいのですが、電池の消耗を抑えるために赤外発光ダイオードの数を少なくしたほうが賢明です。複数列の赤外発光ダイオードを使っている場合は、上図のように1列(3個1組)だけに切り換えられるスイッチを追加してもよいでしょう。

■参考■



 画像は今回の超小型送信機を作るための基になったプロトタイプで、木製の握りに貼り付けて送信機を組んだものです。
 このように超小型送信機基板を使うことで、今までにない自由な発想で送信機を作ることができます。

 組み立てについて、疑問点や質問などがある場合はコメント欄に書き込んでください。今後の開発要望などでも結構です。

■補足(2006/03/11)■
 基板を安価につくるため、ブルガリアのOLIMEXに注文しています。OLIMEXでは周囲に規定の余白を作らないと受け付けてもらえません。そのようなわけで、この基板にも周囲に余白があります。基板の外枠を示すシルクのラインは、その下に銅箔のラインも一緒に残っています。

 配線のときに、このラインに配線が接触しないように気をつけてください。シャーリングでカットされた端面のザラザラも気になるので、できればラインがなくなるまでヤスリなどで周囲を削り落としたほうがよいでしょう。ここに掲載した画像は、基板の周囲のラインがなくなるまでヤスリで削り落としてあります。

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コメント
 
 
 
ジョイスティック (しゅんすけ)
2006-04-11 14:46:13
>ゲームコントローラなどからはずしたジョイスティ

>ックを使う場合は、10Kのボリュームであることを確>認してください。



とありますが

フタバプロポのジョイステックは仕様できないのでしょうか?
 
 
 
ジョイスティックについて (toko)
2006-04-11 21:44:05
Futaba送信機とジョイスティックでは、動作角に対して抵抗値の変化範囲が異なるため、使うことが出来ません。

 
 
 
2モーター受信機は? (kon)
2006-04-25 16:22:41
この送信機で、2モーター受信機を操作できるでしょうか?



それとも、ミキシング機能付のプロポが必要でしょうか?



仮組を終えてテストをしているのですが、いまひとつ動作がはっきりしません。



よろしくお願いします。
 
 
 
2モーター受信機 (kon)
2006-04-25 19:47:47
落ち着いてテストする状況に無いのですが、

ちゃんとモーターを2個つないだら、それ

らしい動きをしました。
 
 
 
C473のコンデンサが・・・ (ken)
2007-11-26 10:02:49
はんだ付けしたところ突然変形してしまった
大丈夫でしょうか?
 
 
 
C473の変形 (toko)
2007-11-26 11:43:42
多分はんだ付けのときにかなり熱を加えたと思われますが、とりあえず組み上げてテストしてみてください。
C473が原因で正常な動作しないときは、交換する必要があるかもしれません。
その場合は直接メールをいただければパーツ供給させていただきます。
 
 
 
ジョイスティックについて (takuya)
2007-12-02 06:46:19
ジョイスティックを操作することで変わるのは電流、電圧どちらなのですか?
 
 
 
ジョイスティックについて (toko)
2007-12-02 11:24:53
こちらの送信機ではジョイスティックの抵抗値変化でコンデンサへの充電電流を変化させています。

ほかにジョイスティックの電圧変化を利用しているタイプもあります。
 
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