R4J NANO FM受信機の軽量化と周辺機材

　小型FM送信機が製作できるようになり、インドアでもアウトドアでもFM受信機を搭載した小型軽量な飛行機が楽しめるようになりました。

　Micro Inventの 超軽量なFM受信機を使えばよいのですが高価です。安価で比較的軽量なR4J NANO FM受信機の登場で、より手軽に小型飛行機を楽しむことができるようになりました。

　R4J NANO FM受信機はそのまま使ってもよいのですが、小さな飛行機に搭載する場合はできるだけ軽いほうがよいので軽量化しましょう。

　R4J NANO40(40MHz帯受信機)とR4J NANO72(72MHz帯受信機)があり、40MHz帯ではマイクロクリスタル5バンドと72MHz帯ではマイクロクリスタル10バンドが使えます。

　R4J NANO FM受信機はオリジナルの状態(アンテナ込みクリスタル別)で2.55gです。別売の軽量なマイクロ・クリスタル(0.26g)が使えます。4チャンネルFM受信機としては軽量な部類で、パーク・プレーンならこのままでも十分ですが、ここでは体育館などで使うことを考慮してさらに軽量化します。

　まずアンテナを極細ケーブルに交換します。オリジナルアンテナは72cm(0.34g)でカタログ値360m以上の通達距離がありますが、インドアや公園ではそれほどの通達距離は必要ないので、これを26cmほど(0.09g)の極細ケーブルに交換します(26cmは72MHzの1/16波長に相当)。40MHz受信機の場合は24cmほど(40MHzの1/32波長)にします。





カッタナイフの刃をコネクタの付け根に挿し込んで浮かして外したあとピンを1本ずつはんだごてで外す
クリスタルを受ける2個のコネクタも重いので外す(クリスタルは基板に直接はんだ付け)


軽量化後の受信機重量(クリスタル別)


　一般的にFM受信機にはスピード・コントローラが内蔵されていないため、別にスピード・コントローラが必要になります。ブラシレスモータを使う場合はブラシレス・コントローラをスロットル・チャンネルにつなぎます。

　今回は試作中のブラシモータ用スピード・コントローラを受信機に載せてみました。



クリスタル(0.26g)、試作スピード・コントローラ(0.15g)、コネクタ・ケーブル(0.34g)を取り付けて軽量化完了


スマートサーボを搭載したオールド・タイマー機に軽量化してスピード・コントローラを追加したFM受信機を搭載


　50mAhのLi-Po電池を搭載したオールド・タイマー機の全備重量は14gです。

　R4J NANO FM受信機は軽量なサーボと組み合わせるのが一般的ですが、マグネット・アクチュエータを搭載した飛行機にも使えるように、FM受信機用のマグネット・アクチュエータ・ドライバを試作しました。



R4J NANO FM受信機に試作マグネット・アクチュエータ・ドライバをセットしてモータを駆動


　アクチュエータ・ドライバ・テストムービー

　テストではモータギヤユニットGB05(MK04-10相当モータ使用)にカーボン・プロペラMCF3222をセットして回してみました。20オームほどのマグネット・アクチュエータからドライブできます。



マグネット・アクチュエータ・ドライバとスピード・コントローラ追加したR4J NANO FM受信機(2.62g)


マグネット・アクチュエータ・ドライバとスピード・コントローラを追加したR4J NANO FM受信機を搭載


軽量化したR4J NANO FM受信機を搭載したマイクログライダー(左)とオールド・タイマー機(右)


　2008年7月27日に行われた飛行会で、改造したR4J NANO FM受信機を搭載したマイクログライダー(マグネット・アクチュエータ・ドライバー搭載)とオールド・タイマー機(スマートサーボ搭載)の両方でテストを行い、どちらもまったく問題ないフライトができました。

　途中から送信機のアンテナを全部縮めた状態でテストしましたが、バレーコート一面の体育館でまったく問題なくフライトできることを確認しました。

　10g前後の小さな飛行機にも安価なR4J NANO FM受信機を軽量化して搭載することで、手軽にインドア・フライトやアウトドア・フライトが楽しめる時代になりました。

　スピードコントローラは商品化済み。マグネット・アクチュエータ・ドライバについては現在商品化を検討中です。