本を読もう!!VIVA読書!

【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『マンガ金正日入門』 李友情(著) 李英和(訳)

2006年10月09日 | 外国関連

金正日入門.JPG

ついに、北朝鮮が核実験を成功させてしまったようですね。東アジアはこれで、一気に緊迫した場面を迎えましたね。

韓国も核を持つと言い出したら(実際、極秘に開発していたと報道されましたね)、日本はどう対処すべきか、まだまだ日本では議論すらされていません。

せっかく日中・日韓関係が修復できそうな雰囲気で、さてこれからという段階での、核実験でした。安倍さんも、総理就任早々、この大きな不安が現実のものとなりましたから、いきなり指導力、危機管理能力を試される問題にぶつかったわけです。うまく対処してもらいたいものです。


これまで、外交や北朝鮮関連の本 を何冊かご紹介しましたが、中には、アメリカが北朝鮮に武力行使することを明言していた『アメリカの世界戦略を知らない日本人―日高義樹』 もありました。イランやイラク問題で忙しいとは思いますが、最悪、ミサイル攻撃なんていう可能性があるのでしょうか。

ともかく、中国、韓国の政府、国民も、やはり北朝鮮より日本の方が信頼できると感じてくれて、今後、いろいろな点で協力して行動できると良いのですが…。 その意味では、皮肉なことに核実験をしてくれたおかげで、日中韓はぐっと接近できるかも。


本書の目的は “韓国民に金正日の本質を知らせること” だそうですが、韓国では発売直後に出版禁止になってしまいましたが、日本ではとても売れた一冊です。

北朝鮮関連の本を読んでいる人は、北朝鮮体制の残酷さや、政治指導者達の非人間性は百も承知だと思いますが、本書は金正日個人にスポットをあてています。  私にとっても、金正日個人に対しては、はじめて触れる情報が多く、興味深く読みました。

その生い立ちから描かれており、金日成の後継者の座に着くまでの権力闘争などは想像していたよりずっと激しいものでした。思想的な理想があるわけではなく権力と富を独占したいというだけの男として描かれています。

筆者が韓国で本書を出版したころ、タイミング最悪で、金大中政権の太陽政策が実施されていました。今の盧武鉉大統領も同様の太陽政策ですが、今回の核実験で大幅な政策転換があるんでしょうか。

筆者は、同じ太陽でも、北を焼いてしまうような、“太陽政策”を取らねばならないと主張します。確かに本書の内容が真実であれば、このような体制は一日も早く無くなるべきだと感じますが、残念なことにこの体制の存続に貢献しているのは、これまでは他ならぬ日本であったということを考えると複雑な気持ちです。



とりあえず核実験のニュースを受けて、予定外の記事UPでした。


P.S. 世界史受験生諸君!予定外でも、せっかくだから、勉強しよう!
太陽政策といえば、第二次世界大戦前のイギリスによる宥和政策です。チェンバレンやミュンヘン会談、大丈夫かな。確認を!

→『入試に出る!!時事ネタ日記


http://tokkun.net/jump.htm 


『マンガ金正日入門』 李友情(著) 李英和(訳)
飛鳥新社:342P:1260円

マンガ金正日入門-拉致国家北朝鮮の真実

飛鳥新社

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『エメラルドカウボーイ』 早田英志

2006年10月09日 | ノンフィクション

カウボーイ.jpg


筆者の早田氏は貿易商です。現筑波大学を卒業後、アメリカの航空会社でメカニックのライセンスを取り働いていましたが、30歳でコスタリカ国立大学の医学部に入学します。

しかし、ビジネスに興味を持ったことから、大学を中退、農園やレストラン、バーなどを経営。その後コロンビアに移ります。 本書はコロンビアに渡った後、彼の地の特産品であるエメラルドを扱って、成功を収めるまでの道のりを紹介したノンフィクションです。

コロンビアに対してどのようなイメージを持っていらっしゃるでしょうか。旅行でも簡単には行けないはずですが…。


コロンビアといえば麻薬組織が暗躍し、その力は大統領や軍上層部まで及ぶといわれています。誘拐、暗殺などは日常茶飯事で、本書で描かれる様子は、以前ご紹介した 『パブロを殺せ(マークボウデン)』 で読んだコロンビアの状況と酷似しています。

商売上の詐欺や、警察、役人に対するワイロは当たり前、闇の世界での商売敵やボスの逆鱗に触れた者には容赦なく、誘拐や死が待っています。

そういう世界で早田氏は類まれな闘争本能というか生存本能を発揮します。自らが命の危険にさらされたのは数知れず、妻や娘にまで危険が及び、ロスに移住もさせています。出社の時のボディーガード(5人くらい)は全員ショットガンを携えていて、まるで映画のワンシーンです(写真が載っています)。


230ページほどですが、おもしろくてすぐに読みきってしまいました。

また、映画化もされました。シネマトゥデイの記事によりますと、


コロンビアで“エメラルド王”として君臨する、早田英志の半生を描くセミ・ドキュメンタリー。危険な撮影に恐れをなしたハリウッドの監督や俳優が次々と降板する中、若手のアンドリュー・モリーナ監督が後を引き継ぐ。ゼロからスタートし、今ではエメラルドの鉱山を所有し、輸出会社や警備会社も経営する現在の早田を本人が熱演。まるで開拓時代のアメリカ西部を地でいく彼の波乱万丈の人生は、ワイルドでスリル満点!


こちらで↓映画の予告編が見られます。
http://www.uplink.co.jp/emerald/


P.S.  今日本書をご紹介したのは、アメリカへ命がけ(笑)で旅立つ、ふるさん(このブログは未成年入場禁止!) への餞別のつもりです。がっぽりもうけて、生きて帰って来てください(笑)! いってらっしゃーい!


P.S. 未成年、世界史受験生はこっち(笑)。 『独立後の南米』の暗記事項です。コロンビアのシモン=ボリバル知ってるかな?

→『試験に出る!!時事ネタ日記

エメラルド・カウボーイズ

太田出版

詳   細
エメラルド・カウボーイ

アップリンク

詳   細

http://tokkun.net/jump.htm 


『エメラルドカウボーイ』早田英志
太田出版:235P:1680円



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