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【絵本から専門書まで】 塾講師が、生徒やご父母におすすめする書籍のご紹介です。

『「受験世界史」の忘れもの』 井野瀬久美恵

2006年10月27日 | 歴史


世界史.JPG

高校の必修科目である世界史の未履修問題、こんなことがあるんですね。誰かが責任を取るのでしょうか。校長への注意だけなら生徒は助かりますが、ゆとりの時、あれほどもめていた“指導要領”とは一体何なんだということになるでしょうね。

少なくとも公文書に、虚偽の記載は法律違反でしょうし、岐阜の裏金でもあったように、教職員のモラルハザードはどこまでも続いてしまう。一方、自分の受験科目じゃないのに、まじめにやっていた学校の受験生は、どう感じるでしょうね。


かといって厳しく対処すれば、世界史を受験科目にしていない生徒はたまったもんじゃないですね。たまたま2007年度入試を受ける現役の生徒たちが、受験直前に世界史受験でもないのに、その集中講義を70時間も受けなければならないという、信じがたい状況に追い込まれてしまいます。 学校の不始末を生徒たちが責任を取らされるわけです。

卒業延期して、入試の後に補習というのが現実的でしょうか。それにしてもやっぱり誰も従いたくないような指導要領だった。文部科学省は、裸の王様だということがよくわかったでしょう。

センター試験まであと3ヶ月を切って、1時間、10分でも時間が惜しいときに、70時間取られる。実にバカバカしい。 高校3年生諸君に“世界史は抜群におもしろい!”と言っても、何の慰めにもならないでしょうが、その“受験世界史” の問題点を指摘し、授業では決して語られない、“本物の世界史”を語った一冊を紹介します。

まずは、生徒にも、この地図をじっくり見て欲しいですね。

map2.JPG← クリックで拡大されます。

  
そうです。見慣れた地図と異なり、日本は端っこに来ています。世界の人々は、こういう地図を見ながら、ものを考えます。世界の中心は日本ではなく、あくまで西欧。そして、受験世界史も西洋中心主義が過ぎる、と筆者は指摘します。

さまざまな興味深いエピソードが登場しますが、受験世界史と筆者が大学で教えている世界史に橋をかけたい、そんな思いで書いたそうです。今回の事件で、再読してみましたが、やはりおもしろいです。この先生の大学の世界史の授業に参加したくなるでしょう。


【本書の裏にある言葉】

世界史は、物言わず静かに流れる時の大河。その壮大な流れを受験世界史は古代・中世・近代・現代と切り刻み、細かな事実を羅列する。かくして、歴史は無味乾燥な年号と人名と事件の集積と化す。しかし、実際の世界史は教科書と裏腹に、もっとダイナミックに、人間くさく動いてきた。本書は、そうした歴史の裏側に光をあて、本当の世界史の醍醐味を満喫させてくれる一書。



誇大広告でなく、その通りだと思います。ただ、残念ながら、本書はアマゾンのユーズドでしか入手できないようでした。(またPHPだ)。しかし、井野瀬氏には、他の著作もたくさんありますので、きっとそちらでも同じような興奮が味わえると信じています。

http://tokkun.net/jump.htm 


『「受験世界史」の忘れもの』 井野瀬久美恵
PHP研究所:198P:480円



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少しでも世界史に興味を持ってくれる生徒が増えるといいんですが…。最後までお読みいただき、ありがとうございました。参考になりましたら、応援のクリックをいただけるとうれしいです。

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「受験世界史」の忘れもの

PHP研究所

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『NEW 青木世界史B講義の実況中継 (1)-(4)』 青木裕司 【参考書】

2006年10月27日 | 大学受験【国語・社会】情報・参考書
 

青木世界史Bタ況中継.jpg



今日は、高校の世界史、未履修問題を受けまして、世界史に関して、参考書紹介の記事をUPします。

当教室 では、授業はオリジナルなテキストで進めていますが、自分ひとりで勉強する人には、購入できる良い参考書が不可欠ですね。急きょ、genio先生にお願いして、世界史でもっとも人気の高い参考書、『 NEW 青木世界史B 講義の実況中継 』について、使い方や特徴を教えてもらいました。

以下が、genio先生の意見です。テキスト選びの参考にして下さい。


『 青木先生の実況中継は受験生のベストセラーです。が、率直に言って基礎用語をある程度押さえた受験生や歴史好きの受験生に向いている参考書です。

というのも、第一にテーマによってはかなり深い内容だからです。恐らくある程度勉強した受験生でも、フランス革命、ビスマルク外交、ロシア革命、ナチス政権、中国革命史はかなりのボリュームで読み応えがある反面、大きな流れを理解するのに苦労するからです。

もちろん、逆に言えば早稲田・慶應を狙う受験生の皆さんにとっては、大いに役に立つと言えるでしょう。

また、青木先生直筆の重要人物の似顔絵につけられたコメントは印象に残りやすく、単純暗記にはない面白さを兼ね備えています。

なお、よく受験生の間で話題になりますが、山川から出ているナビゲーターと比較すると、覚え方にオリジナリティがあり(中国の王朝名や遊牧民族など)、雑談も交えて臨場感たっぷりで読み進めやすいのですが、雑談とメインストーリーとのメリハリの点ではナビゲーターの方が整理されていると言えるでしょう



genio
先生のブログ→  『入試に出る!時事ネタ日記 



急な、お願いでしたので、細部にわたって紹介はできませんでしたが、他の科目でも、こうした参考書等の書評が、ブログをお読みいただいている方にも有益であれば、他の先生にもお願いして、参考書関連の記事をUPしてみたいと思っております。


http://tokkun.net/jump.htm 


『 NEW 青木世界史B 講義の実況中継 (1)ー(4)』 青木裕司
語学春秋社:356P(1):1155円


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NEW青木世界史B講義の実況中継 (1)

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