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公立高校入試に出題される本・作家ランキング

2006年10月20日 | 高校受験【情報など】



 ■■■■■ 公立高校入試に出題される本・作家ランキング ■■■■■


今月の、当教室のメルマガでご紹介したものですが、役立ちそうですから、こちらでもご紹介しておきます。

公立の高校入試には誰の、どんな本が出されるのかを調べてみました。データは2001年から2006年まで、可能な限り集めました。ただし、すべてを正確に把握することが難しいので、あくまで目安として下さい。

(古典は省いてあります。吉田兼好や清少納言が頻出であることは申し上げるまでもありませんね)


注目していただきたいのは、公立高校の出題出展は、私立中学の出題出展と重なることがとても多い という点です。ですから、私立中学受験を目指している方も、ぜひ参考にして下さい。


ではさっそく、もっとも多く出された出典『本』ベスト5から!


【順位】【出題数】【書名】・・・・・・・・・(著者)

【第5位】・【4題】・・【ニライカナイの空で】・・(上野哲也)
【第5位】・【4題】・・【バッテリー】・・・・・・・・・(あさのあつこ)
【第3位】・【5題】・・【この言葉!】・・・・・・・・(森本哲郎)
【第3位】・【5題】・・【峰雲へ】・・・・・・・・・・・・(阿部夏丸)
【第2位】・【6題】・・【自転車少年記】・・・・・・(竹内真)
【第1位】・【7題】・・【読書力】・・・・・・・・・・・・(齋藤孝)


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当教室のメルマガでも、紹介されたものがたくさん入っていました。3題出題されたというのが、実は数多くあって、ずらっと書名だけ紹介しますと…、

『皐月』 『海峡』 『たはれ草』 『本当の自分のつくり方』 『人類がたどってきた道』 『背中』 『西洋の眼 日本の眼』 『学びの場はどこにあるのか』 『鯉のいた日』 『小さな町の風景』 『さくら』 『国語の時間』 『楽隊のうさぎ』 『夏の庭』 『自由論』 『脳と創造性』 『いちばん大事なこと』 です。


詳しく知りたい人は、問い合わせて下さい。



さて、次は、誰の作品が一番出されているかという、【作家】ランキングベスト10です。


【順位】【出題数】【著者】・・・・(主な出題作品)

【第8位】・【8題】・・【鷲田清一】・・・・(まなざしの記憶)
【第8位】・【8題】・・【上野哲也】・・・・(ニライカナイの空で)
【第8位】・【8題】・・【阿部夏丸】・・・・(峰雲へ)
【第5位】・【9題】・・【外山滋比古】・・(思考の整理学)
【第5位】・【9題】・・【重松清】・・・・・・(卒業ホームラン)
【第5位】・【9題】・・【内山節】・・・・・・(自由論)
【第4位】【10題】・【竹西寛子】・・・・・(国語の時間)

【第3位】【12題】・【森本哲郎】・・・・(この言葉!)

【第1位】【13題】・【齋藤孝】・・・・・・(読書力)

【第1位】【13題】・【伊集院静】・・・・(皐月/海峡)



いかがでしょう。読んだことのある本はありますか。並べてみるとかなりバラエティーに富んだ印象を受けますね。何か読むものに迷った時、ぜひ参考にしたら良いと思います。




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『信さん』 辻内智貴

2006年10月20日 | 小説


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つい先ほどのNHKのラジオニュースでは、法務大臣が、いじめによる生徒の自殺を受けて、人権保護の観点から、来週一週間程度を特別に電話相談などの時間を延長した、いじめ対策強化週間のように指定するそうです。(すみません、まだネットで検索しても出てこないので、不正確な表現です)

詳しい内容はわかりませんが、つまりはキャンペーンのようなものだと思います。たとえ一時的であっても、また直接電話をかけなくても、この関心の高い時に、さらにこの問題に焦点を当てる効果はあるでしょう。


このところの飲酒運転撲滅運動はマスコミを巻き込み、かなり大掛かりで、相当な成果を上げたと聞きます。いじめ問題にしても、いじめをしている子どもの中には、悪いことだという自覚にかけたまま、加わっている人もかなりいると思いますので、それが犯罪行為だと知らせる良い機会ではないでしょうか。

親や学校の先生が、自分の子どもや、生徒たちに話をする機会になればなぁ~と思います。これがきっかけで、たとえそれが、わざわざ電話相談をするほどでもない、小さないじめであっても、子どもがそれに気付き、いじめがなくなれば、生徒は救われます。


という訳で、そのニュースを聞きましたので、予定を変更し、小学生でも読める、いじめを扱った良書をご紹介しましょう。麻布中学入試の国語でも出題された一冊です。

本書には、表題の『信さん』と『遥い町』という2作品が収められていますが、どちらも印象深い物語です。


『信さん』の方のストーリーを紹介しちゃいましょう。

場面は福岡の炭鉱の町。すでに結婚し子供もいる“私”が、仕事ついでに、ふと一人で、帰郷し、母親と世間話をしながら、小学生時代を振り返ります。

“信さん”は、“私”の二歳上、子どものいない親戚の家に養子にもらわれてきたのですが、その後、妹が生まれます。何となくその家族から、疎まれる存在になった信さんは、荒れ、街で知らないものがいないほどのワルになってしまいます。

ある日、私が、他の学校の生徒たちにいじめられているところに偶然、信さんがいて、助けてくれます。その折、近くを通った巡査が勘違いし、信さんを叱りますが、私とその母親は、警官に事実を訴えます。

それがきっかけとなり、信さんは、私と母親には、素直に心を開くようになっていきます。 やがて時が経ち、養父が亡くなってしまったため、信さんも最愛の妹を進学させるために稼ぐのだといって、まじめに仕事に打ち込みます。

そして、より条件の良い仕事を求めて故郷を離れる決意をした信さんの運命は…、という話です。


もう一作、『遥い町』では、“私”とは仲が良いものの、いつもいじめられてしまう朝鮮人の友だち、ヨンくんとの物語です。こちらは、ストーリーは書きませんが、やはり最後が印象深く、きっとお子さんの心に残ると思います。


どちらの話も、とても切ないのですが、出てくる人物が、みな精一杯生きており、感覚的には、『東京タワー(リリー・フランキー)』で描かれていた故郷とだぶります。

大人たちが生きていくことになりふり構っていられない厳しい経済状況のなか、多感な子どもたちが、成長したのち、自分や他人の人生を振り返るという点では同じですね。

短くて、すらすら読めるような文なのですが、子どもたちに何か考えさせるのではないか、そんな作品ですから、多くの方にお薦めしたい一冊です。


http://tokkun.net/jump.htm
 


『信さん』 辻内智貴
小学館:112P:1155円



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