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『アメリカの戦争の仕方』 Jr.ハリー・G.・サマーズ

2006年10月16日 | 外国関連


Amerika 戦争の仕方.gif


少し前であれば、大ニュースになるできごとでしょうが、テレビで自民党の幹部が『日本も核武装する可能性を検討する』 というような旨の発言を平然としていました。正直、防衛庁などが極秘に検討をするくらいだと思っていた私には、結構ショッキングでした。

もちろんそんなことが、マスコミで言え、それが大ニュースにならない環境にしたのは、北朝鮮の核実験ですね。隔世の感を禁じ得ません。国民の生命と財産を守るという、政府にとっては、風雲急を告げる状況なんでしょう。確かにありとあらゆる可能性に検討を加えてもらわなければなりません。


一方で、沖縄の嘉手納基地に配備する最新鋭の地対空誘導弾パトリオットミサイルの配備に反対する市民団体メンバーが座り込みをし、米兵や港湾作業員が車で入るのを阻止したと報道されました。これにも驚きました。意図がいまだにつかめません。


以前、『日本の戦争力(小川和久)』 などでも触れたように、とにかくアメリカ抜きでは、日本の防衛ができないのが現状ですが、そのアメリカの軍事的思想などを紹介した一冊です。

本書はアメリカ軍の教授が書いたアメリカの戦略をまとめたやや専門的な内容です。アフガニスタン空爆や、イラク戦争(2002年)当時に出版されたもので、筆者自身が1999年に亡くなっています。 つまり、9.11テロが起こる前に書かれているのは承知しておいた方が良さそうです。

さらに、その後のイランや北朝鮮問題、さらに米軍再編などがいわれましたので、現在は修正されているかもしれませんね。ただしパウエル元国務長官は、発売当初「現代アメリカ人必読の書」といったそうです。彼も軍人でしたね。


当時のアメリカ軍が目指す装備というのは一度に二ヶ所で地域紛争を十分戦えるというものだそうです(本書では不可能であると指摘していますが)。冷戦後に次々現れた国際社会の紛争、混乱は、ソ連崩壊によって、核戦争の可能性がほぼなくなったことに起因していると主張します。

独立戦争から現代まで、アメリカの戦争に対する考え方、世界戦略などを解説しています。 目次を紹介しておきましょう。


第1章 軍と国民の特殊な関係
第2章 アメリカの戦争の仕方
第3章 新しい世界の混乱
第4章 戦闘のさまざまな側面
第5章 戦闘のドクトリン
第6章 戦闘部隊の組み換え
第7章 戦闘の技術と作戦
第8章 アメリカ軍事政策の“十戒”

最後の十戒ですが、これがアメリカの戦闘の哲学といえるようなもので、こちらもご紹介しますと

1.“三位一体”の戦争を忘れるな
2.核による戦争抑止力を強めよ
3.海外の核防壁を維持せよ
4.通常兵器こそがカギである
5.敵をおびえさせよ
6.自国の力を錯覚するな
7.技術の罠に陥るな
8.軍隊は平和維持活動地域の周辺を固めよ
9.軍事政策の方向性を設定せよ
10.何よりも、戦闘拡大能力の優位性を維持せよ

以上です。


北朝鮮のおかげで、日本人は、緊迫感を持って、軍事や平和のことを考えるようになった気がします。それ自体は良いことだと思うのですが、ソフトランディングできるかどうか、政治家はここ最近では、非常に重い使命を背負っているわけですね。



http://tokkun.net/jump.htm
 

アメリカの戦争の仕方

講談社

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