生徒や校長先生の自殺の報道は、本当に気分を滅入らせます。そして万一、そんなことを考えている生徒がいたら、ちょっと読んで欲しい一冊です。主人公が自殺を決意するところから始まります。
以下が書き出しです。
『ずっと前から決めていた。今度ダメだと思ったら、もうやめようって。いつも優柔不断で結局失敗してしまうけど、今度の決意は固い。一度切ろうと思ったものを引き延ばすのには力がいる。もう終わりにしようと思ったら、長引かせちゃいけない。本当に終わりにするのだ。』
瀬尾氏の『卵の緒』 と 『図書館の神様』 を、これまでご紹介させていただきました。こちらがその後に読んだ別の作品ですが、ここでも“心の再生”というのがテーマになっていますね。
自殺を決心した主人公が見知らぬ街へ出かけて行き、決行するも失敗。その街で過ごすうちに、徐々に立ち直るという、単純なストーリーですが、それでも本書はさわやかな感動を与えてくれます。
少しのギャグもあり、登場人物の関西弁の優しさも、なかなか心地よい。 『卵の緒』のようには、読んでいて泣けはしませんが、すがすがしさはこちらが上でしょうか。自分の居場所を見付けようともがいても、自分が行動しないと、そう簡単には見つからない、ということでもあるように感じます。
自殺を考えてしまう人々の現実の厳しさは、この物語のように、そううまくは解消されないでしょう。しかし、自分の気分は徹底的に他人によって変わるものだということがわかります。
小中学生のまわりには、本当に限られた他人しかいません。 まだまだ“他人”は大きく増えて、変わっていきます。それにすでに良い人がたくさんまわりにいるのに、いやなことで頭がいっぱいで、その人たちのことを忘れて、気付かないことも多い気がします。
中学生でもすらすら読めると思いますから、ぜひ手にとってみて下さい。
天国はまだ遠く 新潮社 詳 細 |
http://tokkun.net/jump.htm
『天国はまだ遠く』 瀬尾まいこ
新潮社:169P:1365円
文庫はこちらで380
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今回も親がわざわざ、先生に“注意して欲しい”と伝えていたんですね。無念でしょう。
こちらからも、TBよろしくお願いします。
単純なストーリーだけどさわやかな感動。
まさにそんな感じで、読後感だけでなく
読んでいるときも心地よい小説でした。
私の場合、中高生のときに読んでいたら、
もっとさらさらと読んでしまっていたように思います。
それぞれの年代で感じ方は違うでしょうけど、
幅広い年代の方に響く本の1つかもしれませんね。
これからもよろしくお願いします。