■■■ 厚さ1センチ (10ミリ) 以下の本特集! ■■■
今月の当教室のメルマガは、忙しい受験生でも読めるように、厚さ1センチ以下の本。メルマガに先立って紹介しちゃいます。
先生方に“ 1センチ以下でお願いしま~す ”と言っただけなのに、どういうわけか古典的名作がそろってしまいました!これなら、名作特集でも良かった。受験生でも読める“薄い名作選”になりました。ちょうどいいや、それ、どうぞ!
■『春琴抄』 谷崎潤一郎■ (新潮文庫300円) 【106ページ・6ミリ】
春琴につかえる佐助との間の愛情を描いた作品です。春琴は薬問屋のお金持ちで、意地悪で、頑固で、わがままなお嬢様でありましたが、芸事には素晴らしい才能を持っていました。しかし幼いときに盲目になってしまい、春琴の家に奉公にきた佐助が彼女の目となり世話をします。身分や立場の違いを越え、二人は親密になっていくのですが、支配する側とされる側という関係は保たれたままであり、佐助の献身的な愛情には異様ささえ感じられます。そしてついに春琴が顔に負った火傷がもとで佐助は自らの目に針を刺してしまいます。最初から最後まで映像が目に浮かび、美しくもあり、ゾクッと背筋に何かが走る心持がし、強烈な印象を残してくれる一冊です。
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■『ローマ人の物語Ⅰ』塩野七生■ (新潮社 420円) 【197ページ・9ミリ】
副題は「ローマは一日にして成らず」。ローマ誕生から共和制に移るまでを描いています。ヨーロッパにはローマ帝国に関して多くの著作が残されていますが、塩野氏は独自の史観を曲面ごとに披露してくれます。神話によれば羊に育てられたロムルスが双子のレムスを殺した時からローマの歴史がスタートするわけですが、それ以前のギリシャの状況なども詳しく説明し、ローマが生まれた時代背景を浮き彫りにします。私は三国志も大好きで、登場人物、人間模様は魅力にあふれていると思いますが、やはりそこは史実から離れて、創作部分がかなり入っているためか、戦いの歴史はスピード感、躍動感に溢れていても、リアリティーに欠け、行動の動機は常に同じトーンですね。本書はそれとは違って、人々の行動の描かれ方は単純ではなく、史実を追い、諸説を紹介し、時に氏の考え方が紹介されます。Ⅱ以降も楽しみです。
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■『星の王子さま』サンテグ・ジュベリ/池澤夏樹訳■(集英社文庫 381円) 【143ページ・9ミリ】「星の王子さま」というタイトルを知らない人はほとんどいないと思われます。また、どこかで一度はその一部分ではあっても読んだことがあるのではないでしょうか?しかし、その内容をちゃんと覚えている人はどれだけいるでしょう。私もタイトルしか覚えていない一人でした。久しぶりに読んでみますと、その詩的表現の素晴らしさに驚いてしまいました。旧来の訳を覚えてはいませんので、実は池澤夏樹氏の新訳が素晴らしいのかもしれませんが、とても柔らかい雰囲気が漂った作品です。
■『竹取物語』星新一訳■(角川文庫 400円) 【190ページ・8ミリ】
SFの名手が挑んだ古典の名作。星新一と言えば『未来イソップ』などのパロディも多いのですが、これは結構忠実で、しかも分かりやすい。巻末には原典も載っているので勉強にもなります。小学生にも読める内容で、大学受験生にも話の筋を押さえる上で役に立ちそうな本です。話の途中途中で星新一の気の利いたコメントが入っているのもマル。
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今まで古文はそれほど読んではおらず、教科書に出てくるような代表的な文章くらいしか目にしたことはありませんでした。土佐日記に関しても、男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり・・・という出だしの文章だけ知っていました。今回何気なく読んでみようかなと思い読み始めたら、すぐに読み終わりました。知らなかったのですが、ページ数にして100ページちょっとという、短いものなのですね。また、その頃の日記は漢文で書かれたものが多いそうですが、紀貫之は女性の立場で仮名書きで書いています。後ろにある現代語訳とあわせながら、比較的読みやすかった文章でした。他の古文にも挑戦してみようかなと思わされる一冊です。
http://tokkun.net/jump.htm
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確かに忙しい学生さんでも、とっつきやすいでしょうね。
私は星新一さんの作品が大好きなのですが、同期の作家さんの筒井康隆さんや小松左京さんの様に、高い教養の裏付けがあるスノッブさが素晴らしいですね。
その点でも、星新一は最高です(笑)!
変わった売り方ですね。厚い本の方を揃えれば済むんですが、ついこちらを買ってしまったので追いかけるのが大変ですよ。全部出てから、買えば良かったかな?
私が読んでいたときは文庫はまだ出ていなかったのですが、あのⅠが文庫になったら、9ミリじゃ済まないですね。
ヘンですよね。
VIVAさん是非鴨長明の「方丈記」もいれましょう。これほど読み易い昔の文章はないとおもいます。そして、日本人にしかわかり得ないとおもわれる「無常」の思想、文学の極致だとおもいます。
「ローマ人の物語」:
第二巻の「ハンニバル」が好きです。あと第十巻のローマのインフラを解説した書が出色という友人がいます。(私にはえっ、何故なのですが)
「星の王子様」内藤濯訳
破れるくらい読みました。大好きです。私の考え方を変えた、といっても過言ではないくらい。
「春琴抄」
(歳がバレますが)山口百恵・三浦友和コンビの映画を先に見まして後で本を読みました。当時は衝撃的でした。
山ちゃんのイチオシでしょうか?
「山月記」
これにもビックリしました。中学生でしたが両親に口角泡を飛ばして、内容を話した記憶があります。
> 山ちゃんのイチオシでしょうか?
はい、イチオシです。
たしか中学だったか高校だったかの授業で読んだのですが、言葉って凄いとおもい、それから文学にはまりました。