イノチの旅
僕の前に父母や祖母が居て
僕の横に女房や仲間がいる
それから
僕の後ろに子や孫達が居て
それからそれから
僕の遙か以前からも
僕が生存するための細胞を付与されている
そうして
束の間を生きた僕の形見は
以後もこの星のイノチに抱かれて
延々と残されてゆくに違いない
明け暮れの悠久の豊饒や
時の間に間の柔らかな揺蕩いや
もの想いの刹那の煌きや
めぐり逢いの奇蹟の連鎖の度に
僕はデカルトのように
そんなこんなを思索するのだ
不思議な、不可解な、快不快な
イノチの旅のことを
*08/15 07:14