中学三年生の時は泣かなかった
いや、泣けなかった
あの頃の僕は泣けるほど強くなかった
人前で泣けるほど人間を信じていなかった
怒り狂えるほど自信もなかった
一人の女の子の気持ちを汲んでやれるほど大人じゃなかった
軽く生きることが自由だと思っていたから束縛されることが嫌だった
十字架を引き受けるなど考えたこともなかった
そのくせ愛とか平和とかいう言葉が好きだった
だけどこの前泣いた
悲しくもないのに泣けてしょうがなかったのはそれがあまりに古い傷だったから?
でもとにかく泣けてよかった
楽にさせてもらえた