「O君、楽しい思い出それだけしかないの?」。
ああ、そう言えば、統合失調症の急性期の頃、職場の上司のMさんに僕に起こっていることを過去から説明していたらこう言われたんだっけ。
別の場面で職場の同僚のKさんには「昭和枯れすすき」みたいと。
今から思うと、そう言われても仕方なかったなと。
実際、その通りだったから。
あの頃、僕は物質的には恵まれていたが、非常に惨めな精神生活を送っていた。
頭がいい人とは効率的に脳を働かせる人のことだと思うが、そのために不必要な神経回路をなくしてしまうようだ。
しかし、ある環境に過剰適応すると、別の環境に置かれた時に残された神経回路では適応できなくなる。
試験勉強用に最適化された頭脳が実際の社会生活で役に立たないというのもうなずける話である。