シクラメンよ
お前は自分がシクラメンと名づけられていることに気づいているのか、いないのか
でも、お前は名前などどうでもいいのだろう
お前はただ存在することによって自己を証明すればいいのだから
誰に対して?
神に?!
いや!お前は神と対立などしていない
お前は神の表れにちがいないのだから
対立するのは人のみ
それは呪いと祝福
あいつは何々だというレッテルを貼って
相手を所有した気になる
所有物だから
もてあそんだり
あっさり捨て去ることができる
相手と自分を区別する壁を作るから
相手にも自分と同様の心があることが見えなくなる
それが苦悩の原因となる
でもあいつと違う俺って
いったい何者なのだろう
守るつもりが圧殺しかけていた
羽毛のように柔らかな心を
そのことに気づいて僕は愕然とする
相手を見ているようで見ていなかった
相手にとって本当に必要なものは何かを考えてこなかった
僕は傷ついていた
自分が思っていた以上に傷ついていた
今日それが分かった
自分が救われていないのに相手を救えるわけがないじゃないか
君が僕を違った目で見るようになったら
僕は君にナイフを突きつけ
「僕を愛せ!」と強要できるだろうか
そんなことはできないことは僕だって分かっている
僕だって・・・
愛は強制できない
そんなことをしたら壊れてしまう
愛することは義務じゃない
みんな、同じ時の流れの中に生きていると思っていたけど
一人一人の中にも時は流れていて
それぞれ速さも勢いも違うんだね
そう気付かされるとき
I feel loneliness.
だから「時」を共有したい
ただ生きているだけではだめなんだ
与えたい(受け入れてください)
与えて欲しい(プラスなら一度でもいいから)
そうして僕は気持ち良く『自分』を忘れて
大きな時の流れと一体になる
朝、雨上がりの公園の中を歩く
ふと見上げると東の空に虹がうっすらとかかっていた
僕は周りを確かめる
神はどこ・・・神はどこ・・・
人は僕以外誰もいない
神と僕
畏れと喜びの中でしばし足を止める
死にたい、死にたいと言うけれど
本当の意味で生きたいから死にたいの
本当の意味で生きるとはどういうことかって?
それは明日のことなど心配するのは止めて
今、降っている雨に笑うこと
心も体も裸にして
天に向かって歓喜の声をあげること
でもそれができそうでいて、できないんだ
宝石は嫌い
けっして僕の一部にならないから
ルビー、サファイア、ダイヤモンド、エメラルド・・・
綺麗過ぎるんだ、宝石は
見ていると自分の動物性が浮き上がってくるんだ
だから宝石は嫌いなんだ
簡単に答えを出さないで
僕の話をよく聴いて
本当の愛
僕に考えさせて
僕から誇りを得るチャンスを奪わないで
大切なことは僕が関係性を取り戻すこと
人間に対する不信感と恐怖心を克服すること
でもそれは独りではできない
だから僕の相手をしてください
歯医者に行くから今日は早引け
友達とさよならして
学校を出ると
それからは僕だけの時間
みんなと時間割から解放されて
いつもの帰り道とは違った道を歩いてみる
そこは僕だけの空間
自由というものを考える時、よくこの記憶を思い出す