何故詰まらない人生なのか。
たぶんそれは逃げることばかり考えるからではなかろうか。
逃げるから詰まることもないのだ。
それにしても何から。
己の責任から。
ところで己の責任とは何か。
それは人それぞれなので一概には言えないけど己の心の声に耳を傾ければわかることではなかろうか。
今どうしてもしておかねばならない。
そんな衝動に駆られるような。
だからそれは他人から指示されるようなものではない。
「××しろ」とか「××するな」とか。
そんな命令は本人のやる気を削ぐだけで無駄である。
神は全知全能のはずなのに何故カインのアベル殺害を未然に防げなかったのか。
アベルの捧げものだけでなくカインの捧げものも受け取っていればそんなことにはならなかったはずなのに。
受け取れないのならせめてその理由を説明すべきだった。
農耕より牧畜の方が好ましい理由を。
説明しても当時のカインに理解できたかどうか怪しいが。
果たしてこの世では価値あるものしか生きてはいけないのでしょうか。
無意味なものは存在してはならないのでしょうか。
障害者に無理やり聖性を付与しようとするのもそのためなのでしょうか。
悪意はなくても「人のために生きてこそ価値がある」という言葉は人のために生きるどころか世話にならざるを得ない者を追い詰める。
それともそういう者も人だから「自分のために生きてこそ価値がある」という解釈も可能なんだろうか。
また世話を受けることによって世話する者のために仕事を与えてるとでもいうのだろうか。
国であろうと人であろうと精神が分裂した相手と付き合うためにはこちらも矛盾した態度を取らねばならないのだろうか。
本を読んだくらいで登場人物と同様の追体験はできるか。
それには他人のことをあたかも自分のことのように捉える能力を要するだろう。
でもそれは統合失調症を招きやすい能力でもある。
神とは己の「こうあってほしい」という願望を外界に投影したものなのに本人はそのことに無自覚なためまるで絶対的な他者が独立して存在してるように見える。
