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映画「聖の青春」

2016年11月30日 | 本・映画
 やっと「聖の青春」を観に行けた。良かったんだけれど、わたしが好きなシーンはほぼ削られ、削られていない場合には映画の尺の関係やろけれど、何かのエピソードとごっちゃにされていた…。

・シンフォニーホールのシーンなし。ここを削られるとは…(涙)。
・灘 蓮照とのことで森先生が奔走するシーンなし。これがあるから森先生がどれだけ村山くんを初めて見た時か らこころが惹かれたか分かるのでは…。
・森先生と村山くんの見る景色が同じという話。それは森先生の生い立ちによるものではという話。映画としては 小ネタでしょうが、少し入れてくれないと師弟愛が不自然では…。
・先崎さんが飲んでいる時に倒れた村山くんを病院へ連れて行き、村山くんが点滴を病院のベッドで受けている  間、村山くんのカバンに入っていた(推理だっけ?)小説を読みながら病院のベンチで村山くんの意識が戻るの を待つシーン。ここに二人の友情が表れるのでは…。
・森先生とのおかしな師弟同居生活が全部削られていた…。自転車の練習するシーンは映画に入ると確信していた だけにびっくり。聖の東京行きが尺としてすごく早い段階に登場したので、この作品は大阪編を削ったんだ!と 観ている間にハっとさせられた…。二人が更科食堂にいつもご飯を食べに行くシーンもなし…。
・「ぼく…、ぼく…、20才になったんです」と、雀荘で牌を握る森師匠の後ろで嬉しそうに頬を染めながら言う  シーンは削って欲しくなかった。ここに彼の命への向き合い方というか想いがよう表れてますやん!!!
・羽生さんに「女抱きたかった」とか言わないから。何でこれ羽生さんとのエピソードに混ぜちゃったんだろう。 先ちゃん役の榎本息子がいたんやから、彼との会話の中にしておいてくれよー。先ちゃんと飲酒→女抱きたかっ たと先ちゃんに話して→先ちゃんの車で嘔吐して(本当は佐藤康光の車なんだよねぇ)→先ちゃんが病院で待つ シーンくらいには作って良かったんじゃないですか。村山くん「村山聖名局譜 」という本の解説者は先ちゃん と羽生さんなんですよ。

 小さなシーンの積み重ねがこの小説のよいところなんだなーと改めて。原作本をわたしがどこから読んでも3分後には泣けてしまうのは、小さなエピソードひとつ一つに感涙しているということも分かった。
 とはいえ、映画だから良かったところもある。最初5分で涙が出たのは、三谷工業のおじ様が歩けなくなってる聖に頼まれ対局場まで送るシーン。ここは原作ではそこまで感動しなかったのやけれど、動画になると、「こんな感じだったのかもなー」と泣けてしまった。そして聖を表す名刺代わりなエピソードなのかもと発見。知らんおじ様が送って下さっても「ありがとう御座いました」もなし。もちろん送ってもらう理由に「ぼく、病気で…」なんて初対面のおじ様に説明することもなし。息も絶え絶えにやっと対局の座布団に着席する。「ありがとう御座いました」も発せない体調、状況。それが日常に頻発する。苦しい日々。それでも将棋へ掛ける想いと強さ。それがよく出ている最初の5分だと思った。お札破るシーンも映像で観たら、聖の自分の病気に対するいら立ちがよく伝わってきた。

 映画化の話を聞いたとき、師匠は榎本明!!!と願ったのは叶わなかったが、リリーさんの師匠良かった。榎本父の師匠は叶わんやったが、息子が出るからイイヤーと思っていたがやっぱり良い演技だった。筒井道隆くん久しぶりに観たけれど、ナイス大崎さんやった。大崎さんこれが小説第一作目というのもすごい。
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