ひねもす日報

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聖の青春

2015年09月12日 | 本・映画
「聖の青春」。元将棋世界編集長の大崎氏の小説。幼少期から難病と戦いながら名人を目指し、30歳にならずに亡くなった棋士のノンフィクション。爆泣き。大泣き。「おとなの読書感想文」で検索し、自分の感想文をコンクールに出したくなるほどの名作。わたしが大好きなシーンは森師匠と村山氏が公園の真ん中で会う場面。居合わせた
作者の大崎氏に「ほっぺたさわってもらい」のところ。読後YOU TUBEで村山聖氏に関する動画を観ていたら、作者の大崎氏もこの場面のことを話していたから、印象的なことだったんだろう。それと、羽生さんと行きつけの
食堂行くところ。ただ、同世代の棋士が二人でご飯食べるだけなのに、その背景や道程を思うと泣けて仕方なかったなぁ。将棋フォーカスの佐藤康光氏とはしゃべらない村山氏が面白かった。3番目に好きなシーンは奨励会から
去らなくてはならなくなった人と村山氏の殴り合い。そしてその後の村山氏の「僕、このまま加藤さんとは
終わりにしたくない」「また、一緒に飲みに行ったりしたいんです」のところ。泣けたよなー。ただでさえ
厳しく辛い奨励会やその後のプロ世界。その中での友情。村山氏の背負っているもの。そんな彼と、風変わりな
師匠。この師弟愛にも泣かされる。そして親切な近所のおじさまや、家族。名著。

 二学期になり、息子の学校の教室に将棋盤が登場したと聞いていた。担任の私物かと思っていたが、わたしの
働く小学校でも二年生たちが将棋やり出したので、「どこで覚えた?」とたずねたら、息子の小学校と同じ
スタディ将棋という駒に進むのが可能な矢印が書いてある盤と駒が登場したという。わたしが住む地区の二年生
はそうなったのかなー。それもあるのか、一学期は全然登場しなかったわたしの職場の将棋盤は急に毎日二年生らや将棋を知っている子らに遊んでもらえるようになった。それはいいが、わたしもお相手願われることがある…。仕事ですから、指してみる。ばり難しい(驚愕)。見るのと指すの大違いとは聞いていたがこれほどまでとは。地道にやっている将棋ドリルは最後の3巻に入ります…。角とかどう使っていっていいか分からん。覚えたての子どもらはガンガン飛車と角で攻めてくる…。ちょっと上手い子は見事な中飛車。

○今日の将棋 二年生○
 週に二度通っている公文。ここの卒業生の大学生君が時折先生の手伝いにやってくる。夏休みに公文のおやつ
タイムでこのお兄ちゃんと話した息子。その日飛車のイラストTシャツを着用していた。帰宅して、「お兄ちゃんで将棋指す人がいたんだよー」と言っていた。先日用事で公文へ息子を尋ねて行った日に、先生に「あそこで採点手伝ってくれている子、将棋強いんですよー」と軽く紹介された。「昔教え子にママが女流棋士で、うちの教え子が棋士になったんですよ」と聞かされびっくり。ゆっくり聞きたかったが授業中だしうちらも空手行かないかんやったのでそそくさと帰る。しかし、その話が気になり、公文の後片付けくらいの時間に再度話を聞きに行った。棋士君の名前を控えさせてもらう。そのこの新聞記事の切り抜きも拝見する。今年の新聞。糸谷竜王やそうそうたるメンバーのリーグ戦に名前を連ねていた。すごい!その時に「将棋強いお兄ちゃん」とも話せた。聞けば「僕は将棋やり出したのが遅くて」6年生で始めて千駄ヶ谷の将棋会館の将棋教室へ通い、一年間で初段となり、研修会へ。その後奨励会というではないかーーー(驚愕)。「将棋の子」を読んだ後に奨励会員と話してみたい、しかし
一体どこに奨励会員なんているんやろか、いても話せんやろうしと思っていたら、ひょっこり現れて感動した(ミーハー)。今は大学の将棋部で部長をしつつ、大学生全国大会二位だそうです。佐藤康光さんも今はやや桃屋のイラストみたいになっとるけど(大変失礼、偉業は称えておりますもちろん)20年前はこんな風だったのかも、と思わせる素敵なお兄様です。兄者!!息子の現在の棋力に対しておすすめの本を質問したら、「好きな戦法は?」と息子に聞いてくれいくつか本を教えてくれた。さらに「佐藤天彦さんが得意な横歩取りって何ですか」とか「中飛車と四間飛車はどう違うんですか」というわたしのドシロウト質問にも丁寧に答えてくれた。人格者ですね。
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