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地球人カレッジ 6月 第2弾

2011年06月24日 | 地球人カレッジ
*とき:6月18日(土)19:00~21:00
*参加人数:20名(発表者含む)
*ところ:吉野川市山川町 さくら診療所デイケア室
*講演者:伊勢 達郎さん(NPO法人自然スクールTOEC代表)
*テーマ:のびやかに自分になる~田んぼと畑と幼稚園と小学校 TOECフリースクールの取り組みと目指しているもの~

畑や田んぼで自然とふれあい、こどもたちの心や気持ちに耳を傾けふれあうこと。
現場にいると楽しい!
これは国際協力に携わるものも同じではないでしょうか。

学校教育での指導というのが、大人の理想や思惑の押しつけのようになっており、
何でもかんでも過剰に与えることが教育にも反映されている中、
こどもたちは生活体験、自然体験、自分とふれあうと言った、
生きる力を育むことが希少となっているように思えます。

徳島県阿南市にあるフリースクールTOEC(トエック)を訪れてみると
そんな思いが一気に晴れる気がします

思い思いに時間を使って、走り回り、物作りに勤しみ、好きな時に好きな場所でご飯を食べる。
ここにいるこどもたちは、生きる力に満ち、「のびやか」に毎日を過ごしています。

フリースクールというとフリー=自由と混同されがちですが、
フリー=自由=欲求、怠惰ではないと伊勢さんは言います。
単に要望が聞き入れられるとか、枠組みがゆるいことではなく、
「危険、暴力、破壊」といった心や身体、環境に不適切な「言葉」や「行動」は
ゆるされないし、即座にとめられます。
温かい雰囲気の中で誰からも強制される事なく、学び、遊ぶ場であり、
主体性を持ってやりたいことを徹底的にやる意欲や集中力を身につけることができる、
心の自由が保証されている場、
それがTOECなのです。

だからこそ、TOECのこどもたちは自然と一体となって遊び、学び
自分の判断で行動する術、生きる力を自ら身につけているのです。

現在の学校は工場(Factry)のようだと伊勢さん。
工場は、分業で、大量に生産できる、均一、効率がよいことがあげられます。
しかし、それが人や自然を壊し、そういったやり方が戦争を招く。
本来、学校とは工房(Workshop)であるべきなのでしょう。
工房は、全行程を自分がする、少量しか生産できない、不均一、効率はよくないことが言えます。
ただ、回り道でも喜びがそこにはあり、学びというのはそういうものではないでしょうか。



体験学習でよく言われている4つのキーワードがあります。

 教えたことは忘れる
 見た事は思い出す
 体験したことは身に付く
 発見した事は道具になる

体験や発見から知恵や知識を得る。それは一生のもの。
余計なことはしなくていい、手や口は出さずに愛情を差し伸べて
丁寧に耳を傾ける。気持ちを傾ける。心にふれあう。
今の大人も学ぶべきことがたくさん体験学習にはつまっています。

よく、途上国を訪れた人々は、こどもたちの笑顔がキラキラしていると言います。
TOECのこどもたちを見てください。本当にエネルギーに満ちたキラキラした笑顔を彼らは持っています。



キラキラした笑顔を活かしてあげられないのは、私たち大人なのかもしれません。
環境問題は人間の問題、こどもの問題は大人や社会の問題。
のぞみはないかもしれないけど、ひかりはある。
その光にアクセスするにはどうすればいいのか。
それは支援する私たちの姿勢を変える必要があるのでしょう。
こどもたちを思惑で変えようとしない、たっぷりした時間をかける、これからを信頼する。
伊勢さんのこどもたちへの深い情とアツい想いが伝わる2時間でした。

TOECでは自然体験フリーキャンプを年間を通して実施しています。
のびやかに自分になるために、キャンプに参加してはいかがでしょうか?
大人もこどもも参加できるイベントがたくさんありますよ!
2011年度実施されるキャンプの予定はこちらから。

*講演を視聴する*

次回の地球人カレッジは7月23日(土)19:00~です。
ザンビアに派遣された新人調整員の奮闘記です。

文責:事務局(庄田)