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南あわじ市・入田稲荷前遺跡 後漢初頭に造られた貨幣「貨泉」が3枚出土

2017年05月19日 | Weblog

 南淡路市教育委員会が18日、同市八木入田の入田稲荷前遺跡で紀元14~40年にかけて中国古代国家の「新~後漢」で鋳造されたとされる貨幣「貨泉」3枚が見つかったと発表した。
 貨泉は九州や近畿、瀬戸内海沿岸などの遺跡で計179枚が見つかっている。兵庫県内でも7遺跡10枚に上る。
 入田稲荷前遺跡の3枚出土は、岡山県の高塚遺跡の25枚、福岡県の元岡・桑原遺跡群の8枚に次ぐ規模という。
 貨泉は中国・新時代(8~23年)の貨幣で、後漢時代の40年まで鋳造されていた。3枚は、直径2.27~2.32cm、重さは1.45~2.53g。重量約1・5~2・5g。中央に四角い孔(7~8mm)が開いており、片側の面に「貨」と「泉」の文字がある。大きさや重さから、後漢初頭に造られた可能性が高いと判断した。
讃岐・阿波地方から搬入された土器も出土した。
周辺に弥生時代の拠点集落跡もあり、吉備地方や四国を経由した交易などで流入したと推測される。
 南あわじ市では15年4月に祭祀道具「松帆銅鐸」7点が見つかるなど、弥生時代の青銅器が集中出土している。弥生時代最大級の鉄器工房である五斗長垣内遺跡や、中国鏡片が発見された舟木遺跡(いずれも淡路市)とは同時代に当たるため、瀬戸内海を通り畿内への玄関口となる淡路島の重要性を示す遺物としている。
 出土品は20日~7月2日に滝川記念美術館「玉青館」(南あわじ市松帆西路)で有料公開される。
[参考:神戸新聞、共同通信、産経新聞]

過去の関連ニュース・情報
 松帆銅鐸
 舟木遺跡
 五斗長垣内遺跡


古代中国の貨幣、淡路島で出土 交通の要衝示す
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