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奈良県広陵町・巣山古墳 葺石が3か所で延べ180m出土 築造時の姿がわかる資料

2012年04月12日 | Weblog
 巣山古墳(全長220mの前方後円墳、4世紀末~5世紀初め)で、町教委が墳丘の東西に張り出した「造り出し」付近と、東側の外堤の3か所、計860㎡を発掘し、葺石が延べ約180mにわたって出土した。
 墳丘の西側裾で幅2mの葺石を68m分確認し、また、東側では、墳丘裾と外堤の内側で葺石が各58m分出土した。
 葺石は10~40cm大の安山岩など。基底部に石を並べ、目地になる石を斜面の縦方向に積んで区画を設け、その中に石を敷き詰める工法で造られていた。区画ごとに石の大きさや種類に違いがあることも確認した。
 三角形をした造り出し(幅14・6m、長さ33・1m)の全体もわかった。
 現場は埋め戻されており、現地説明会はない。
 古墳の築造時の姿がわかる貴重な発見としている。
[参考:読売新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2010.1.30 巣山古墳 新たに葺石が120m出土、湧き水対策か
 周濠を取り巻く外堤の斜面から、葺き石が約120m、幅2mにわたって出土した。 これまでの調査と合わせると葺石が確認された外堤は計約300mに及ぶ。 丘陵を切り崩して築造された西側では、捨て石(底石)を埋めて基礎工事を施した上に葺石を積んでいたことが新たに分かった。この場所は豊富な湧き水があり、地盤が弛みやすいために石で地盤を固めたと考えられる。

 2009.1.8 周濠外堤から長さ100mにわたる葺石が出土 17日に現地説明会
 周濠の外堤から築造当初のままの葺石が長さ約100m、幅2mにわたって出土した。 墳丘と外堤の両方に葺石を敷き詰め、被葬者の威厳を高める視覚効果? 二上山で産出する板状(長さ約30~40cm)と、拳大の安山岩が使われていた。

 2006.1.19 巣山古墳の前方部斜面で、古墳を装飾する葺石が長さ約100m、幅約3mにわたって出土した。 前方部裾の最下部に人頭大の石を並べ、斜面に拳大の石を敷き詰めていた。いずれも二上山産とみられる安山岩。
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