パラパラとF誌を読んでいたら、「自主回収通知」という広告が目にとまりました。内容は某社のサイクリンググローブの自主回収のお知らせです。職業柄、この「自主回収」という言葉にはいささか敏感に反応してしまいます。
僕の職場は医療関係の材料(器機)を病院や診療所に供給しています。医療分野の場合には、患者さんの生命に関る危険をともなうカテゴリーⅠから、重篤な健康被害の危険をともなうカテゴリーⅡ、一過性の健康被害の危険をともなうカテゴリーⅢの3レベルに分けて詳細な情報が提供されます。どのメーカーの作ったなんという商品のどの型番のもので、いつからいつまでの期間に製造された物で製造ロットはこれこれ、どういう不具合があってどのような危険があるのかということまで明らかにされた情報が入って来ます。毎日更新されるその情報の中に、自分たちの扱っているものが該当していれば、どこに何をいつどれくらい納品したのかを明らかにして、即座に納品先とディーラーやメーカーに通知してしかるべく対処を依頼するという、危機管理の手順が発動するわけです。まぁ、医療という人間の命そのものを扱う分野なので当たり前の事なんですが、いざそういう情報が入ってくると他の仕事は全て一時棚上げにしてその処理にかかりっきりになるわけです。一度「自主回収」が始まると、メーカーもディーラーも僕たちも医療の現場も本当に大変な苦労をするわけです。労力もそうですが、経済的にも大変な費用が発生します。
そういう目で見ると、今回の「自主回収」についてもメーカーさんや卸さんは大変な苦労をされるんだろうなという同情が先に立ってしまいました。あ~あ、でもこのグローブ気に入ってたのになぁ~。デザインも好きだし、この夏はずっと愛用してたのに・・・。「ベンジジン」ってなんだったっけ?対象製品は Made in Pakistan なんだそうですが、大当たりでした(T_T) われわれ消費者としては、こういう時はさっさとメーカーさんの指示に従ってあげるのが一番良いことです。というわけで、シマノのサイクリンググローブをご使用中の方は、 Http://cycle.shimano.co.jp にアクセスして、使用中のグローブが回収対象となっているかどうかをご確認頂き、メーカーの指示に従ってあげてください。