FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

ユーロ破壊論が再び浮上。 目先の 正念場を迎えたか。

2011-09-30 06:00:00 | 日記
国慶節が明日に迫り、昨夜は近所でも爆竹の音が鳴り響いていました。 いよいよお祭り騒ぎが始まりざわついてまいりました。

<ユーロの話題から>
ソブリン債務問題が長期化する中、ユーロそのものに対する不信が強まってきていますが、ここにきて立て続けにユーロ崩壊論を唱える論説も出てきました。

英国のヘイグ外相の発言 :
1)ユーロは出口が設計されておらず、離脱は非常に困難。
2)ドイツ人は今後、一生涯にわたって支援国に補助金を与え続ける状況を受け入れなければならないだろう。
3)ギリシャ・イタリア・ポルトガル・スペインの国民は非常に大きな変化を受け入れざるを得ない。

市場の不安が強くなると、あちこちからユーロ崩壊論が飛び出すのはこれまでと同様ですが、欧州債務問題も目先の正念場を迎えていると言えそうです。

欧州各国の政府とECBによる成功の見込みのない延命策が、どの程度長くギリシャを支えることが出来るかが残された唯一の選択肢なのでしょうか。

ポンド・円の見通しについて。

2011-09-29 06:00:00 | 日記
国慶節迄あと2日となりました。 仕事による疲労もピークにさしかかり、疲労を抱えたまま休暇に突入しそうです。 国家の規定では1週間の休みですが、会社は未だ繁忙期が続いているため3日間の休みしかありません。 旅行することも出来ず、上海市内を歩き回ろうかと思っていますが、地下鉄の事故も有り躊躇しているところです。

今朝はトリシェECB総裁の昨日の発言を検証してみたいと思います。
>ユーロ圏の財政は、米国や日本よりも健全である。
>欧州の銀行には資本増強が必要。
>現在はユーロ圏各国の政府が効果的に行動すべき時期。
>政策金利については、事前にコミットしない。

ユーロ圏の財政が米国や日本より健全だとの認識は、ユーロ圏全体の財政収支のGDP比などの指標を指しての発言だと思われます。 確かに数字上はその通りですが、ギリシャの債務再編不可避の国とその予備軍が控えている現状に鑑みると本当かと問いただしたくなります。 ギリシャ支援には1100億ユーロが必要であり、差し迫って80億ユーロの資金手当てをめぐって二転三転している現状を読者の皆様はどのようにお考えでしょうか。 

<ポンド・円の見通し>
欧州の債務問題によってリスクに対する懸念が強い上、英国についても追加の量的緩和観測がある中、中期的なトレンドが上昇転換する公算は小さいですが、昨日の上昇によって目先はもう一段上昇する可能性も浮上してきています。 次の上値目途は20日移動平均線121.38となりそうです。

昨日の東京市場中は上値が重い様子も見受けられますが、それまでの上値抵抗線だった119.20付近で下げ止まれば、上昇基調維持と考えて良いでしょう。 ただ、このラインを割り込んでしまうと117.20付近を目途に下げる可能性も出てきます。


世界経済危機克服に向けた中国の役割。

2011-09-28 06:00:00 | 日記
世界同時金融危機を向かえている現状で中国はどのような役割を果たすべきなのであろうか?

欧州諸国の債務危機の深刻化により、ドル建て外貨準備高3兆1900億ドルを抱える中国政府が、この度の危機をどう乗り切るかが世界から注目を浴びている。

中国国務院の温家宝首相は大連での演説において、 ”中国は難局に直面している欧州諸国に支援の手を差しのべることに異存はない” と表明している。 先だって、イタリア政府が中国に支援を求めたことが海外メディアにより伝えられている。 その内容によると、国債購入および投資による中国のイタリア債務危機克服への支援を求めたもので、温首相の今回の演説の内容にはそれに対する回答の意味が含まれているのは明らかである。 世界的な経済協力体制を強化していくことは、経済危機の泥沼から抜け出すための第一歩となっている。

2008年の世界金融危機の当初、中国が世界経済を救うと言われていた。 当時、米国・欧州などの西側諸国では、中国に経済支援を求めるべきだとの意見が多く出された。 あれから3年、結局、中国は米国債一辺倒の運用から脱却しておらず、今、大損害をこうむる危険に直面している。 世界経済の回復スピードは一向に上がらず、経済構造も本質的には何ら変わっていない。 世界経済の政策面において、中国の発言権は低い。 欧米諸国との貿易摩擦問題は深刻化し、緊迫した情勢が続いている。 経済的支援を政治的取引の対象とする外交策の効果はまだ現れていない。

為替市場ではこのところ中国によるユーロの買い支えの話題がトーンダウンしているように見受けられます。 公約通りもっと具体的に踏み込んでユーロの立て直しをはかっていただきたいところですが、1ユーロ=100円に向かっている現状では怖くて、やはり成り行きを静観しているのでしょうか。

近づいてきた日銀の市場介入。 目標は75.80で設定。

2011-09-27 06:00:00 | 日記
昨日の午後3時40分にユーロは102円を切り、101.94を付けてしまいました。 新たな材料は見当たらなかったが、欧州金融安定ファシリティ(EFSF)をめぐり、朝方から格下げのうわさが浮上。 午後も引き続き手掛かり材料とされた。 これにより10年ぶりの安値となってしまいました。

ギリシャへの第6次融資について、10月3日に開催されるユーロ圏財務相会合で実行が決まるとは思わないと発言したことも、ユーロには逆風となった。 短期筋の動きに加え、市場からは ”ユーロ・円を含むユーロクロスで投げ売りが出ている。中長期の投資家によるポジションの整理だろう” との声が出ていました。

債務危機解決に向けた欧州の努力は、ユーロ圏諸国の格下げを誘発する可能性があると指摘しています。 銀行のディーラーによると、これがEFSFの格下げ観測につながったという。 もうすぐユーロは100円割りそうだと話題になっているようです。

ユーロの独歩安が続いていますが、ドル・円相場は膠着状態で推移。 この水準のドル・円相場では日銀の介入は行われにくいのではないか。 やはり昨日投稿させていただきましたように半期決算に向けリバトリによりドルが売り込まれるまで辛抱の時間が続くのではないでしょうか。 目標は75.8に達したら、日銀の介入を念頭において買いを仕掛けてみるのはいかがでしょうか。

今週のテーマ : リバトリがらみの円買い vs  日銀介入

2011-09-26 06:00:00 | 日記
昨日、久しぶりに娘とスカイプで会話した際、世界金融の話になり面白い事を言っていました。 日本人は適度にタンス貯蓄があるのに何時も不安を抱いている。 これに対して欧米人は貯蓄率が極めて低いのに何時も生活をエンジョイしているように見えると言っていました。

以前の投稿で、ユーロ諸国で自国に対する満足度のアンケートを実施したところ、ギリシャが1位で80%の国民が自国に満足していると言う記事を書かせていただきました。 娘と冗談を言いながらも、ギリシャ国民が長年に渡って積み重さねてきた諸外国からの債務が不履行になりかけても、地中海の爽やかな風を煽りシエスタしながら暢気にふるまっている光景をよく目にしました。 債務不履行になってもこの習慣は続くのだろうか疑問を抱きます。


ギリシャの債務不履行(デフォルト)の可能性 :
ギリシャのデフォルトの可能性が高まった場合、リスク回避の円買い圧力が強まる。 ギリシャの債務問題で懸案材料は、ギリシャに対する80億ユーロの第6弾融資が実行されるのか否か大きな分かれ目になりそうです。 1100億ユーロの資金手当てが必要であり、その中の80億ユーロが近々期日を向かえるわけですが、緊縮財政案が通過出来るのか。 何時までも諸外国にお世話になるのでは無く、そろそろシエスタも止めて勤勉になっていただきたいところです。

日銀の円売り介入の可能性 :
ドル・円は9月中間期末決算に向けた本邦機関投資家によるリパトリ絡みの円買いで75円台に下落する可能性が高い。
 ドル・円の75円台では、変動相場制移行後の最安値ということで、75円50銭、75円00銭に大口のオプション・トリガーが断続的に控えており、円高トレンドが加速する可能性が高い。

野田首相は、財務相時代に3回(2010年9月、2011年3月/8月)の円売り介入を実施しており、円高がデフレ及び空洞化の最大の要因であると述べている。 今回の日米首脳会談では、野田首相がオバマ米大統領とのトップ会談で円売り介入の了解を得たのではないか、との憶測が流れており、今後の円高局面で確認することになる。 日銀による円売り介入は、9月中間期末決算の為替相場を円安に押し上げる、という意味合いもある。

今週のテーマ <リバトリがらみの円買い> vs <日銀介入> と言ったところでしょうか。

今週の為替予想レンジ(9月26日~10月1日)

2011-09-25 09:16:39 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     75.50~79.20
>ユーロ・円   102.00~105.80
>ポンド・円   117.00~121.50

<今週のテーマ・指標>(大きなイベントのみ)
26日・月曜日 米8月新築住宅販売件数
27日・火曜日 米9月コンファレンスボード消費者景気信頼感指数
28日・水曜日 米8月耐久財受注
29日・木曜日 米失業保険新規請求件数(9/23までの週) 米4-6月期GDP 米8月中古住宅販売勢成約件数
30日・金曜日 米9月シカゴ購買部協会景況指数 米9月ミシガン大学消費者景気信頼感指数

全体的に小粒の指標が多い週となります。

<今週の投資戦力>
今週の金曜日が9月の最終営業日になることや多くの企業が上半期の中間決算に向けて特殊な1週間となります。 このため、来週は本邦実需筋のドル売り観測や日本企業の海外利益の本国送金観測などの需給トークが意識されやすくなって、その真贋はともかく、需給トークに由来する円高観測が強まる可能性があります。 ただし、多くの日本企業にとって9月末は大切な節目であるが故に、本邦通貨当局による介入警戒感も高まり易いとみられます。

同じ介入をやって一時的にせよドル・円のレベルを数円程度押し上げるつもりがあるのなら、それを10月に入ってからやるのと9月末目前にやるのとでは日本企業の決算数値に与えるインパクトが違ってくる面があるからです。

先週開催されたG20の声明文には、 ”為替レートの過度の変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認した゛ と言う一文が盛り込まれましたが、この解釈を巡るマーケット・トークも来週は活性化しやすいとみられます。 それぞれの立場によって自己解釈が可能だと思いますが、国際協調介入は無理だとしても、ドル・円が戦後最安値を更新するような円高が急速に進んだ場合に、日本が単独為替介入を発動する口実にはなるのではないかと思っています。 国際協調介入は無理としても、日銀はスイス中央銀行と協調する可能性は歪めません。 よって介入の可能性が最も高くなるのは、76円を切り75.94円の戦後最安値を意識したポイントではないでしょうか。

<筆者個人的な判断>
今週は日銀の単独になるか、スイス銀行との協調介入の形になるかは別として9月半期決算月の事を考えてみると必ず介入すると判断しています。 単独介入なら79円台、スイス銀行との協調介入が可能であれば80円台に押し上げるものと思われます。 残念ながら介入は一時的なカンフル剤に過ぎず、単独介入なら1~2日程度 スイス銀行との協調介入が可能なら3~4日間程度の効き目しかないのではないでしょうか。 

介入の時期としては明朝10時か76円台を切った段階ではないかと考えていますが、読者の皆様はどのような判断をされますでしょうか。

単独介入なら79円超 & スイス銀行との協調介入なら80円を超えた段階で、短期的には売りから入ることを推奨させていただきます。
 
今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

来週は米国の話題から再びギリシャ救済に焦点が移るか。

2011-09-24 19:54:48 | 日記
日本は3連休の方も多く、のんびりされているのではないかと思われます。 読者の皆様はどのようにお過ごしでしょうか。 筆者の会社は国慶節前のこの時期が超繁忙期で毎晩11時頃迄仕事に追われ、じっくり世界の金融市場を研究する時間が取りにくい日々が続いています。 もう1週間の辛抱と思い、歯を食いしばって頑張っています。

今週は米FOMCの金融政策に世界の注目が集まり、クロス円を中心に円高色が非常に強い1週間でした。 一向に出口が見えない欧州債務不安を背景に、ポンド・円が一時116円80銭台まで下落して変動相場制史上の最安値を更新したほか、ユーロ・円も一時102円20銭台と2001年6月以来の水準まで下落する場面がありました。 印象的には、クロス・円でこれだけ強烈な円高が進んだ割にはドル・円の差し込みは76円10銭付近までに抑えられており、非常に底堅い印象でした。

今回、米FOMCの決定を受けて米国の金融政策に由来するドル安・円高圧力は、一旦は後退したと考えています。 一部で根強い期待のあった量的緩和第3弾が見送られ、ツイスト・オペの導入のみが提示され、目先の結論が今週提示されたことで、当面は米金融政策を巡る疑心暗鬼相場はいったん終了するとみられます。 来週以降のドル・円相場は、基本的には米国景気の回復力睨みのファンダメンタルズ回帰の色彩を取り戻しつつ、今回のFOMCで提示されたツイスト・オペが米FRBの最後の金融緩和になるのかどうかを探る展開になるのではないでしょうか。

米国の話題は出尽くし、若干安堵した面も見られますが問題はここからです。 来月パリで行われる20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)までにギリシャ問題で一定の前進をみないと、世界経済の失速感は免れないとの認識を示しています。 2008年のリーマンショックは一つの企業から発信された危機であり、国家がどう救済するかという話でした。 今回は企業では無く一国が破綻されるかどうかとという状態であり深刻度が全く違うし、その解決方法いかんによってはドミノ倒しが始まり世界同時恐慌に陥る可能性を秘めています。

やはりクロス円はユーロ諸国が最終的な結論が見いだせない限り上下に振りながらも、トレンドを徐々に切り下げて行かざるを得ないのではないでしょうか。 今週の初めにユーロ/ポンド共に10年来の最安値を更新するかどうかが重要テーマであると投稿させていただきましたが、意図も簡単に切ってしまったのには驚きのあまりでした。 一部ではユーロ・円は99円台も視野に入って来ているとの報道もありますが、ギリシャの処理いかんでは可能性は高まったと言わざるを得ません。

世界経済は一挙に泥沼化か。 待ち望まれる日銀の市場介入。

2011-09-23 06:00:00 | 日記
昨夜の為替の動向を見ていると、いよいよ世界経済は泥沼化してきたのかと思わせるばかりです。

<ポンド・円相場>
昨夜は、ポンド・円が116.83円まで下落する場面がありました。 遡って過去のデータを調べてみたところ、少なくとも1973年2月にドル円が変動相場制に移行して以降では最安値となっています。 変動相場制移行時のドル・円相場が265円前後であり、それ以前は300円台であった事を考えるとポンド・円の116.83円は戦後最安値であると推測され、史上最安値である可能性も高そうです。 リーマンショック後の118.84を意図も簡単に切ってしまったことも何故か底なし沼に引きずり込まれてきたと言わざるを得ません。

<ユーロ・円相場>
クロス円の下げに連れる形で一時76.10円前後まで下落。 ただ下値では政府・日銀による介入警戒感を背景に下げ渋った。 一方、ユーロ・円は10年ぶり安値更新。 欧州株の下落を受け、本日の取引開始直後につけた安値103.66円を割り込むと下値模索の動きが強まり、一時2001年6月以来となる102.22円まで下落した。

9月の最終週の外国為替市場では、9月期末をにらんで投機筋や機関投資家がポジションを手仕舞う動きが広がり、これを受けた新興国通貨売り/ドル買い戻しが続きそうだ。 ドル・円相場は、一連のドル買い戻しの流れに下値を支えられるとの見方がある一方で、ファンド勢の手仕舞いが一巡すれば、再びドルの下値リスクが高まり、介入を含めた当局の動きが注目される。 さらに、米連邦公開市場委員会(FOMC)後の米景気指標の動向次第では、ここ数週間続くユーロ売りからドル売りへとトレンドが転換する可能性もあるという。

ここまで酷くなると、取りあえずカンフル剤として一時的にでも日銀の介入が望まれるところです。

FOMCの政策発表、ツイストオペに決定。 市場に安堵感が戻るかがポイント。

2011-09-22 07:54:23 | 日記
昨夜はアメリカの動向が気になって眠れない方も多くいらしたのではないでしょうか。

米連邦準備理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)で予想通り長期国債の保有比率を高める措置を決定したことを受け、短期金利が上昇するとの見方が広がった。 FRBは、長期金利に一段の下向き圧力を加え、住宅市場を支援するため、4000億ドルの長期債を買い入れる一方で同額の短期債を売却する ”ツイストオペ” の実施を発表しました。

このプログラムは、短期金利を押し上げる点でドルの支援材料となる。FOMCがマネーサプライを拡大しない決定をしたこともドル買いを支えている。 

FOMCの決定は ”FRBが講じることのできる最後の措置の1つのようだ”、このためある段階でドルに一定の利食い売りが出る可能性があるとの見方を示した。

中短期的にみて、この政策は経済にほとんど影響を及ぼさないではないだろうか。 ドルへの影響はさらに小さいと思っています。

筆者は仕事を持っているので昨夜はいささかお付き合いは出来ませんでしたが、先ずはQE3が発動されなかったことに安堵しています。 大イベントが終わりホット一息、今日明日はメンテナンス期間となるのではないでしょうか。 予想も的中し、睡眠投法でカップぎりぎりに近づけれたので先ずは気分よく仕事に行けそうです。 QE3を発動しなかったことで安心感を呼び、今日、日銀が介入すれば効果があるのですが日本の首脳陣はどのように考えますでしょうか。

今晩はFOMCの政策発表。 さてアメリカはどんな舵取りをするのか?

2011-09-21 06:00:00 | 日記
上海は急に冷え込み始め半袖では風邪をひくような感じになってきました。 今日から長袖に切り替えようと思っています。

さて明日はいよいよ大きな山場を迎えることになりそうですが、筆者は日曜日の投稿通り強気の相場を考えています。

<FOMCの追加策、ツイストオペなど有力>
20─21日のFOMCでは、8月の低金利政策に関する時間軸長期化に続き、新たな対応が打ち出されるとみられている。 市場で最も有力とみられているのは、ツイストオペを含めた保有債券のデュレーション長期化。 次に準備預金金利の引き下げだ。 この場合は ”景気刺激効果は乏しく、為替への影響も限定的”。 他にも低金利政策の時間軸を失業率やGDPにペッグするなどの見方が出ているが期待感は強くはない。
 量的緩和第3弾(QE3)については、導入されればドル売りが強まるとみられているが、インフレ率の上昇もあり、実施の可能性は高くないとの声が多いようです。

デュレーション長期化と準備預金金利の引き下げを組み合わせてきた場合は、ダブルでかかってくるようになり円高に振れそうです。 しかしQE3ほど強烈ではなく、75円割れは想定しなくていいだろう。 予想通り76円割れのチャンスがあれば積極的に買っていきたいと思っています。

今日はユーロ/ポンド共にリーマンショック後の最安値となるか?

2011-09-20 06:00:00 | 日記
上海は急に涼しくなり半袖シャツでは肌寒さを感じるようになってきました。

今朝はギリシャの話題から :
ギリシャはデフォルトを回避し、ユーロ圏にとどまるため状況を安定させるには戦略的な決断を下す必要があるとし、EUとIMFの調査団との会談後に、再び閣議を開催することを明らかにした。 さらに、2012年には歳入拡大よりむしろ一段の歳出削減に焦点を当てるとし、公共部門の縮小に向け措置を講じる可能性があることを示唆した。

ギリシャの資金需要が10月前には枯渇する事は何度も投稿させていただきましたが、昨年合意した1100億ユーロの金融支援の次回分(80億ユーロ)を確保する必要がある状態は変わらないままであるが、ギリシャが新たな支援を受けるには、財政目標の達成が欠かせないとの認識を示しているのも事実。 結局、欧州債務危機解決に向けた具体策はまとまらなかったようです。

昨夜はユーロ/ポンドの予想以上の下落に驚くばかりでした。 20~21日のFOMCでは量的金融緩和策(QE3)は遠のいたように感じていますが、市場の動向を見る限りでは未だ下値模索が続いているように思われます。 今日はユーロ/ポンド共にリーマンショック後の最安値を切るかどうかがテーマになりそうです。 気が抜けない1日のなりそうです。

中国でセメント価格が下げ止まらず、好転の兆しなし。 中国の経済失速がゆるやかに始まるのか。

2011-09-19 06:00:00 | 日記
8月24日付の投稿で北京の不動産取引が右下がりになり始めた内容を書かせていただきましたが、今回は建設資材でも数値的にブレーキがかかり始めてきたようです。

中国セメント協会が発表したデータによれば、2011年6月以降セメント価格の下落が続いていることが判明しました。 好転の見通しは立っていないという。 国内のセメント卸売り価格は、6月には1トンあたり434.79元だったが、8月は同414.03元、9月は同409.84元まで下落している。 特に下落幅が大きい湖南省、湖北省、重慶市では1トンあたり40-50元も値下がりし、1トン235元で取引したメーカーもあるという。
  
重慶の場合、生産過剰が値下がりを引き起こしているようで、重慶セメント協会の統計によれば、今年上半期(1-6月)だけで新たに7本の生産ラインが稼働し、1200万トンを増産。 下半期にはさらに4本の稼働が予定されており、このままでは価格はさらに下がるとの懸念を示しています。

この実態を受けてセメント関連企業の株価も下落しており、特に海螺水泥、冀東水泥、青松建化は大きく値を下げて来ています。 住宅の建設需要には限界があり、融資の引き締めでビルやマンションの着工件数も減っている状況を見るとセメント価格はまだ底を打っておらず、当面は値下がりが続きそうです。

2008年のリーマンショック以後、落ち込む経済の立て直しに中国政府は建設土木需要・消費関連を中心に優遇政策を出し続け、国内経済の復活に当たりました。 見事に経済復興は果たせたものの、ここにきてインフレ上昇に歯止めがかからなくなり、上半期には住宅購入に対して厳しい条件を課すようにもなりました。 この抑制政策が建築資材メーカーに大きくのしかかりはじめたのは明白ではないでしょうか。 人民元の高騰により輸出企業にも影響が出始めている現状に加え、GDPの数値を大きく左右する住宅関連が右下がりになり始めている状態では中国経済にも雲がさしかかり始めていると言わざるを得ません。

今週の為替予想レンジ(9月19日~9月24日)

2011-09-18 06:00:00 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     75.20~78.80
>ユーロ・円   103.80~108.00
>ポンド・円   120.20~124.00

先週の反省
20~21日のFOMCに焦点を合わせてドル安を想定しましたが、2週連続でユーロとポンドが一気に底が抜けることは想定外の展開となってしまいました。 ドル・円相場は上下大きな誤差なく想定内に綺麗に収まりました。

今週のテーマ・指標(大きなイベントのみ)
19日・月曜日 特に大きな指標はありません
20日・火曜日    〃   〃
21日・水曜日 27:15 米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策発表
22日・木曜日 特に大きな指標はありません
23日・金曜日    〃   〃

さて来週最大の注目材料は、何んと言っても水曜日の深夜27:15に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策になります。 ラフにスケッチしてみますと、来週のドル円は月曜日から火曜日にかけてがFOMCの結果受け入れ前の準備体操の期間、水曜日が米FOMCの政策発表本番、木曜日から金曜日はFOMCの結果をフォロースルーする期間という感じになるのではないでしょうか。

<想定される主な米追加金融緩和策>
1)FRBがこれまでに購入した資産の規模は維持したまま、短中期の国債を減らして長期国債に入れ替える ”ツイスト・オペレーション” と呼ばれる政策。
2)民間の銀行がFRBに余分に預け過ぎている準備預金につける利子を減らす ”超過準備預金金利の引き下げ” 政策。
3)FRBが購入する資産の規模自体を膨張させる ”量的緩和第3弾” の導入。
4)インフレ率を明文化する。
5)今回は金融緩和策を見送り現状維持とする。

<ツイスト・オペレーション政策が決まれば>
FRBによる長期国債の購入が増えれば米長期金利に低下圧力がかかる一方、その代わりに短中期国債が売られるとそちらの金利には上昇圧力が発生しますので、ドル円相場への影響は微妙なものになる可能性があります。 米国で10年債の利回りが下がって2年債の利回りが上がった場合、ドル・円相場はいったいどちらに反応すればよいのか迷うかもしれません。 お互いの影響が相殺されてしまったら、あまり動けない可能性もあると思います。 ツイスト・オペではFRBのバランスシート自体は膨張しないため、積極的な金融緩和という感じもあまりしません。 消極的なツイスト・オペの場合はすでにかなり織り込まれている感じもあり、ドル円相場への影響はますます微妙な感じがします。

<超過準備預金金利引き下げの政策が決まれば>
超過準備預金金利の引き下げを決めた場合ですが、このケースでは恐らく満期の短い米国債を中心に金利低下圧力が発生しそうですので、ドル・円相場に一定の押し下げ圧力がかかりそうな気がします。 ただ、8月のFOMCで2013年半ば迄の超低金利政策の継続見通しが提示された後、米国の2年債利回りは一時0.16%台とかなり限界的な水準にまで下がっており、短期ゾーンの金利の低下余地はもうほとんど無くなっている感じもします。 最近の米国債市場の動きをみると、ツイスト・オペの導入観測から長期金利が先行して相当下がっており、この政策だけを提示してツイスト・オペを見送った場合には逆に失望感で長期金利が上るかもしれません。 この場合でも追加的なドル・円相場押し下げ余地は、そう極端には広がらないのではないか?

<量的緩和第3弾の政策が決まれば>
最近は今回のFOMCではQE3まで踏み込んでこないという見方が増えているため、もしもこれが発表されたらサプライズになります。 QE3をやった場合は当然、今後FRBがバラ撒くドルの過剰流動性の規模が一段と膨張することになりますので、量的緩和第1弾や第2弾のとき同様に、かなり強いドル安圧力が発生するのは明白。 よって、ドル・円相場が戦後最安値の更新を試しに行くことは必至の情勢になると思いますが、その時の日本の政策対応次第でドル・円の下ヒゲの先端は変わる可能性があります。 何も対抗策を打たなければ、1ドル=75円をあっさり割り込んで70円台前半に差し込んでも不思議ではないと思います。 現在、日本の為替介入予算は30兆円以上余っているので、これを使って頻繁に介入する姿勢をみせるなら円高の進行速度は和らぐかもしれません。 

<インフレ率を明文化する>
インフレ率目標の水準によって米国の金融緩和の時間軸のイメージが変わるのでドル・円への影響はなんとも言えません。 今のコアインフレの水準である前年比約2%よりも高ければ高いほど想定時間軸が伸びてドル安となり、今の水準に近ければ近いほど総手時間軸が縮まってドル高となる気もしますが、いずれにしても直接的な金融緩和政策ではないため、ドル円もリアクションをとりにくいかもしれません。

<今回は金融緩和策を見送り現状維持>
意外とサプライズなのでドル・円の初期反応は驚いて上昇しそうですが、米国で金融緩和の巻き戻し観測が盛り上がってこない限りは、ドル・円の上値がそう簡単に軽くなるとも思えません。 かりに反発しても1ドル=80円手前では戻り売りが出そうな気がします。

<筆者の大予想 一発大勝負>
最近のアメリカ政府の要人発言や世界金融市場の動向を見る限り、QE3は遠のいた感じは歪めません。 よってQE3は選択肢から削除。 ”ツイスト・オペレーション” か ”超過準備預金金利の引き下げ” のどちらかが決まるか、若しくは両方決まる可能性もあり。 サプライズで金融緩和策を見送る可能性も高い。 よって月曜日~水曜日の発表前迄は膠着状態で下値を徐々に切り下げていく可能性が高いと思われる。 発表までの心理状態により75円台突入は避けられないのではないかと思われますが、75円半ばでは気合を入れて買いに入る。 QE3さえ出なければ自律反発により、79~80円近くまで戻る可能性も秘めています。 運よく噴き上がった場合、すかさずトップを売り込んでみたい。  
 
今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

週末は来週のFOMCに向け戦術の練り直し。

2011-09-17 17:13:54 | 日記
上海はこの1週間晴天続きで過ごしやすい日々が続いています。 読者の皆様はどのようにお過ごしでしょうか。

さて今週を振り返ると円高色がやや強く、ドル円相場は週初の77.40円前後の水準から76円台後半へと値を下げる展開となりました。 週足は3週間ぶりの陰線となっています。 ただし、相変わらず76円台半ばでの下値も堅く、1週間かけて作りこんだ値幅、ザラ場の最大高低差は約1円02銭にとどまっています。 初秋のドル円相場で最大の注目イベントになっている米FOMCを翌週に控えた様子見ムードが積極的売買を手控えさせたとみられます。 木曜夜のニューヨーク市場では真贋不明の日銀レートチェック騒動でドル円が急騰する場面もみられ、本邦通貨当局の為替介入への警戒感もあって、77円台前半まで差し込むのには躊躇している感もありました。 ”勝負は来週” というムードが強い中、史上最安値までの空間が無い割にはなんとなく緊張感に乏しい、様子見色が強い1週間だったと言えます。

NY金相場も高値圏で保合い相場になってしまい、ドルと同じく来週のFOMCの行方を見ながら推移しているように思われます。

中国から話題を一つ :
中国客車統計信息網によると、同社が統計対象としているバスメーカー50社の8月の販売台数は前年同月比114.83%増の21600台だった。 中国の商用車販売は今年、国内経済の減速とともに低迷を続けているが、バス市場は一人勝ちの状態。

中国道路学会バス分会の余振清副秘書長は、道路渋滞や高速鉄道の最高時速引き下げなどの影響を受けて、大中型バス市場は新たな成長期を迎えたとの見方を示し、 ”今後はさらに大型企業による市場集約度が上がり、特に高級バスが新たな成長エンジンになる” と予測した。

筆者の勤務する会社の前は一級国道であり、走っているバスを見ると確かに最近の長距離バスは大きな変貌を遂げ、驚くような豪華さになりつつあります。 高速鉄道のスピードダウンが生んだ皮肉な現象と言えるのでしょうか?

1週間後に発表されるFOMCの金融緩和策 どのような可決が見られるか。

2011-09-16 06:00:00 | 日記
いよいよFOMC(9月20~21日)の結果発表まで1週間に迫ってきました。 8月29日に投稿させていただいていますが、復習の意味で再度認識を新たにしたいと思い再投稿させていただきます。

9月のFOMCで決定される可能性のある追加金融緩和の可能性について :
1)FRB保有債券の規模を拡大せずにその中味を短期債から長期債に入れ替えるという長期化政策。
2)超過準備預金に対する金利の引き下げ。
3)現在、前年比2%前後といわれている基調インフレ率目標の明文化。
4)買い取り資産残高の拡充による一段のバランスシート拡大策(量的緩和第3弾 QE3)。

昨日のドル・円相場を見てみますと、来週を予見してか徐々に下値模索の動きに変わってきたように思われます。 今週、77.80円位の高値があれば積極的に売っていただきたいと書かせていただきましたが、残念ながら77.40円付近で失速しました。 来週の金融緩和政策で量的緩和第3弾は、共和党の意見が割れていることから代替え案で落ち着くのではないか。 QE3政策が行われないなら、75円台で下げ止まるように思われますが、もしQE3を慣行すれば75円は切って下値の模索を始めるのではないでしょうか。

今日の要人発言から : 独メルケル首相の発言が伝わっています。
1)ユーロ圏共同債は完全に間違い。
2)ドイツはユーロの長期的な将来を確実にする事に責務を負っている。
3)ユーロ圏の危機に早急な解決策はない。
4)すべてのユーロ圏諸国は自国のやるべきことをやる必要がある。
ユーロ圏共同債導入などへの期待が高まり、欧州債務危機への懸念がやや後退したが、市場の反応はショートカバー中心。 経済指標発表が相次ぐ米国の景気減速に早くも関心は移り、新規の株式買いなどリスクテークの動きは乏しい状況となっています。

ジョージ・ソロス氏 欧州債務危機が大恐慌引き起こす恐れがあると指摘
ユーロ圏首脳が欧州の債務危機解決に向けて ”欧州財務省” の創設を含む抜本的な措置を講じない限り、債務危機が大恐慌を引き起こす恐れがあると警告しています。
ギリシャ、ポルトガル、そしておそらくアイルランドがデフォルト(債務不履行)に陥り、ユーロ圏離脱に追い込まれる可能性に備えなければならないと指摘。 ”たとえ破滅を回避できたとしても、赤字削減の必要性がユーロ圏を長期的なリセッション(景気後退)に導くことは間違いない。 それは計り知れない政治的結末をもたらすだろう” と述べています。