FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

100円割れしたユーロ。 1-3月迄は下値を模索する展開が続くと予想。 

2011-12-31 06:00:00 | 日記
読者の皆様は大晦日をどのようにお過ごしでしょうか。

30日のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対円で100円を割り込み、10年来の安値をつけています。 昨夜、ユーロ・円の最安値99.434を記録し、年間の下落率は8%を超える結果となりました。 ユーロ・円については、年始早々には100円を切ると予想していましたが、年末押し迫って昨夜は劇的な瞬間を見ることが出来ました。 

<2012年 ユーロの動向から>
2012年のユーロ・円相場は、ユーロ圏のソブリン・リスクが周縁国から中核国へ伝播する懸念があること、ユーロ圏経済がリセッション(景気後退)に陥る懸念があることで弱含みに推移することが予想される。 最悪のシナリオは、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥り、ユーロ圏から離脱することで、ポルトガル、アイルランド、イタリア、スペインなどの重債務諸国も連鎖的に同様の経路を辿ること。

ユーロ圏経済は、世界的な景気低迷や債務危機の深刻化を受けた緊縮財政政策で悪化傾向が続いており、高水準の失業率とインフレ率が個人消費を圧迫し、リセッション(景気後退)に陥る懸念が高まっている。 欧州中央銀行(ECB)は、ソブリン・リスクやリセッション(景気後退)懸念に対応するため、利下げを継続する可能性があること、ユーロ圏の国債を無制限に買い取る ”最後の貸し手” となる可能性がある。

ECBが ”最後の貸し手” となり、英米中銀型の量的緩和に踏み切った場合、ユーロ圏のソブリン・リスクは解消に向かう可能性は高まるが、ユーロ安に拍車がかかることになろう。 ユーロ高要因は、ユーロ圏共同債が発行された場合、国際通貨基金(IMF)によるユーロ圏への支援が強化された場合などが予想される。

2012年度、特に注視したいのがイタリアであり、2-4月には1500億ユーロ規模の債券が償還期限を迎えるからです。 足元でイタリアの10年物国債利回りは7%付近で推移しており 非常にリスクが高まってきています。 これはイタリアの国家財政にとって非常にネガティブです。 このため、投資家は既発債だけなく、新発のイタリア国債の購入に慎重になり、敬遠する可能性が高いと思われます。 必然的に利回りが一段と上昇し、結果として、借り換えのための入札が失敗に終わる可能性があるでしょう。 イタリア、スペインなど重債務国経済は、既にリセッションに陥っており、今後の追加緊縮財政措置によってリセッションは一層深まる公算が大きいのは明白です。 モンティ新首相が財政再建と経済競争力の改善に向けて前向きな努力をしても、最終的にイタリアは国際支援を求める可能性が高く、2-4月を無事乗り切るまでは、ユーロ安は続くと思われます。

イタリア救済には、ドイツ・フランスなどを中心に、EU全体による支援が必要です。 イタリアの政府債務だけで1.8兆億ユーロですから、市場では、危機がイタリアにまで波及した場合、少なくとも2兆ユーロが必要と言われています。

ESM(欧州安定メカニズム)の想定資金枠は5000億ユーロ。 IMF(国際通貨基金)拠出の1500億ユーロとEFSF(欧州金融安定ファシリティ)の残りの利用可能枠2500-3000億ユーロを合わせても1兆ユーロ弱にしかなりません。 よって、EU政策当局は年初から市場に催促される格好で、積み増しに動くことになるでしょう。

2012年4月以降は全く予想がつかず。
特に、欧州問題がどのような形で決着して行くかが重要です。 危機へのECBの積極関与や、欧州共同債発行などの抜本的な解決がみられるなら、世界的に株式・ユーロ・重債務国国債は底入れし、4月以降は買われていく見通しです。

しかし、これまでのように問題先送りで解決策しか出さないようなら危機は燻り続け、むしろ、さらに事態が悪化し、株式・ユーロ・重債務国国債は下げピッチを加速させることでしょう。 同時に、S&P、フィッチ、ムーディーズなどの格付け会社は、金融機関の格下げをしてくることでしょう。 このため、残念ながら現時点では、4月以降の市場は不透明すぎて見通せません。 投資家の皆さまにとってまず重要なことは、試練の1-3月を無事乗り切り、市場から強制退場させられないことだと思います。

<2012年 ドル・円の動向から>
2012年のドル・円相場は、積極的なドル買い材料は想定できないものの、円売り材料がやや優勢な展開が予想されるため、下げ渋る展開、あるいは、緩やかなドル高・円安に推移する可能性はあります。

ドル・円は、世界最大の経常収支赤字国である米国の政策金利が、2013年半ばまで ”ゼロ金利” で推移することで、当分の間はドル高トレンドは想定できない。 また、米国の景気回復は、財政緊縮政策により財政刺激策を打ち出すことが出来ないことから期待できないと思われます。

円安の要因 : 野田政権が消費税引き上げを示唆していること/TPP(環太平洋経済連携協定)参加へ前向きなスタンスを表明していること/日本国債の格下げ懸念が高まっていること/日本の貿易黒字が減少傾向にあることで、円安材料が優勢となっている。

円高の要因 : ユーロ圏や米国のソブリン・リスクの懸念や中東の地政学的リスクが高まり、リスク回避の円高圧力が強まること/米国の景気後退懸念が高まり、米連邦準備理事会(FRB)による量的緩和第3弾(QE3)の可能性が高まった場合となる。

いずれにしましても1-3月迄は、ユーロの債務問題の方向性が見いだせない限り、ドルが買われる要因は少ないと考えています。 ユーロ問題が安定し始めると、逆に日本が抱えている問題が表面化し始め円安に振れるのではないでしょうか。

<2012年度 中国人民元の動向>
上海外国為替市場の人民元相場は、対米ドルで切り上げ後最高値を更新して引けました。 年間では4.7%高。 中国人民銀行は人民元を押し上げる兆候があると指摘しています。 人民元の対ドル相場の銀行間取引終値は1ドル=6.2940元。 26日に一時付けた6.3160元の最高値を大きく上回っています。

中国が記録的な貿易黒字を続ける一方、米国から2国間や多国間の貿易不均衡是正に向け、さらに取り組むよう圧力を受ける中、依然として2012年も元高が進むと予測されています。 ただ、来年の上昇率は約3%に鈍化する見通しで、上昇分の大半は下半期に見られのではないかと思います。

世界経済が低調で、中国の輸出が鈍化していることを考えれば、1ドル=6元の水準を大きく突破することはないのではないかと思われます。 先般、海運会社の方と話す機会があり、お聞きするとこの数カ月、欧州向けの物量が半分までに激減しているとの話でした。 

筆者も仕事の関係で人民元の動きは絶えず確認を取っています。 投稿でも何度も、2011年度は6.2台を予想していましたが、最終日に到達しました。

2012年度の予想 1ドル = 人民元6.00-6.50の間で推移。

読者の皆さまへ よいお年をお迎えください。

ユーロ・円は100円の攻防が始まる。 12月17日の予想通りに推移する可能性大。

2011-12-30 06:00:00 | 日記
今年も残すところ後2日間となってしまいました。 投資家の皆様にとって、この1年間はどのようなものでしたでしょうか。 バラ色の年末を迎えられた方、世界経済の変化について行けなかった方 いろいろでしょうが、来年も頑張っていただければと思うしだいです。

<ユーロの動向から>
昨日の東京市場では、一昨日の海外市場の流れを引き継いで、ユーロ安が加速しています。
ユーロ・ドルが1.29ドルを割り込んで、1.2887ドルまで下落。 ユーロ・円も約10年ぶりの安値となる100.048円まで下落しています。

一昨晩のユーロ安については、これといって明確な材料があった訳ではありません。 米紙の報道で、欧州銀行がECBから資金を借り入れる際の担保が不足していると伝えられた事をきっかっけに、昨日のイタリア10年債入札への不安が広がったとの見方や、年末最終応答日に向けてドルのリパトリが強まったとの見方などがユーロ売りにつながった模様です。 年末特有の薄商いの中で、ストップロスを巻き込んだ事で下げが加速したとの見方も有力なようです。

アジア市場の参加者も減少していると見られる事から、このままユーロ安が続く事は考えにくいのですが、警戒感が拡がる中では買い戻しの動きも限られそうです。 年末にユーロ安に向かい100円をめぐる攻防に入る可能性について12月17日に投稿させていただきましたが、現実となりつつあります。 年始早々にも100円を割る可能性が非常に高くなってきたように思われます。

ユーロ・ポンドが続落する状態から見ると、AUD/NZDが比較的高いのではないかと思います。 年始早々、ユーロが100円を割ることを想定しながら、AUD/NZDを売り込まれるのも投資方法の一つではないでしょうか。

日銀による市場介入はハードルが高まる。

2011-12-29 06:00:00 | 日記
日本は昨日が仕事収めの会社が多いのではないかと思われます。 中国の会社・工場は旧正月前の納期調整に追われて超繁忙期に突入しています。 もう3週間で待望の旧正月の休暇(2週間)に入ります。 気持ちの中では、指を折りながらカウントダウンが始まりました。

<アメリカの話題から>
米為替政策報告書は、ドル・円のボラティリティが低い状況で、日本が単独で介入を実施したことに批判的な内容で書きしるしています。 今後は急激な円高が進まない限りは、介入しづらい環境になる公算が大きく、政府日銀による円売り介入のハードルは高まったと言えるでしょう。

為替市場では、ドル・円の下値を支えてきた ”介入警戒感” が後退することで、下振れリスクが高まる。 ただ、ドル安が短期間で大幅に進めば、ドル・円のボラティリティが上昇するという介入の条件が整うことになり、介入実施が可能になるだろう。 今回の報告書を受けて、円高地合いになりやすいとは言えない。

10月31日の介入は、75.50円を想定して投稿させていただいていましたが、次回は短期的に大幅に円高に振れない限り介入の期待は出来ないだろうと思っています。 この1カ月間、アメリカの指標が比較的良好に推移したこともあり、自力でドル高になってきています。 またユーロの債務危機によりドルの信用がいくぶん復活されたこともあり、1円程度自力で上値を追っています。 介入の危険水域からは徐々に離脱し始めており、当面は介入警戒はしなくても良いと判断してします。

ギリシャのクリスマス商戦 最悪の結果となる。

2011-12-28 06:00:00 | 日記
今年1年を通して、世界に話題を提供したのは言うまでも無くギリシャの債務不履行問題でした。 デフォルト寸前でIMF/ユーロ諸国の支援により難を乗り切ったように見えますが、まだまだ国債の償還が続いており危険水域を脱した訳ではありません。 

<ギリシャの話題から>
ギリシャの小売連盟ESEEの27日の発表によると、クリスマス休暇の小売売上高は前年同期比30%減少し、過去数十年で最悪の結果となっています。 経済危機で消費者信頼感が損なわれていることが背景。 ESEEは ”ギリシャ国民の10人に9人がこれまでよりも支出を減らしている。 好んでそうしているわけではなく、必要に迫られてだ” としています。

クリスマスまでに小売各社が幅広い値下げを実施したにもかかわらず、売上高は大幅に落ち込んでいます。 衣料・靴の売上高は前年比40%、電気製品は30%、食品・飲料は15%それぞれ減少しました。

ギリシャ国民は、賃金と年金の引き下げや、インフレ高進、リセッション(景気後退)に見舞われており、生活水準が低下し、支出の削減を余儀なくされています。 

2012年度は、ギリシャがユーロから脱退するのかが大きなテーマとなりそうです。 既に、ドイツの一部銀行ではギリシャの脱退に向け準備を始めていると言う内容が伝わってきています。

<中国の話題から>
数日前に中国の政策金利・銀行預金準備率の引き下げを行わないと、経済成長8.5%がキープ出来ない内容を投稿させていただきましたが、本日の中国証券報からこんな記事が出ていました。

中国人民銀行元副総裁の呉暁霊氏は25日、 ”来年に外貨購入の伸びが極端に鈍化するか、あるいは減少すれば、人民銀が流動性の緩和に預金準備率の引き下げを用いることは間違いない” との考えを示しています

穏健な金融政策を実施する過程で、人民銀が来年に預金準備率を政策ツールとして多用する可能性があると指摘。 ただ ”来年に預金準備率が数回にわたって引き下げられたとしても、金融政策の転換を意味するものではない” とも付け加えた。

最近の人民元為替レートの変動や貸出の減少については、 ”大量の資金が欧米に回帰していることによるものであり、慌てる必要はない” と発言。 ”為替改革の目標は、レートに一定の弾力性をもたせるものであり、為替レートの下落を懸念することはない” とした。 また、 ”現行の基準値から上下0.5%の値幅制限は十分であり、調整する必要はない” とも述べていました。

8.5%の経済成長を達成するには、預金準備率を最低3回は調整しなければならないと思います。 可能であれば政策金利を1回は調整する必要があるのではないか。 仕事をしている中でも経済が疲弊しかかってきているのが肌に感じるようになりました。 危険信号を出し始めた感じです。
 

S&P 1月にユーロ15カ国・同時格付け見直しの公算が高まる。

2011-12-27 06:00:00 | 日記
上海はこのところ寒い日が続いています。 氷点下にはなっていないものの、東北地方に比べ湿度が高くその分空気が重く感じます。 東北地方は各部屋にスチームを走らせていますので、さほど寒さを感じませんが、上海地区は夏におもむきを置いた建築方法なので部屋には何も暖房設備がありません。 エアコンだけであり余計に寒さを感じます。 早く温かくなってくれないか待ち望む日々が続いています。 

<いよいよ来た、S&Pはユーロ15カ国格付け見直し結果を1月に発表>
米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、 ”クレジットウォッチ・ネガティブ” に指定したユーロ圏の15カ国の格付けについて、1月に結果を発表する見通しであることが情報として流れ始めてきました。

1人の政府筋は、S&Pと接触しているのは秘密という理由で匿名を条件に ”S&Pからは、1月に発表するという感触を得ている” と述べた。  同筋は、自国の格付けの話としながらも、発表となれば、15カ国の見直し結果が同時に出るとの見込みを示した。  別のユーロ導入国の政府高官筋も、S&Pの決定が1月との公算を示した。

この情報が正しいかどうかは別としても、これでユーロの頭は完全に抑えられた形になりました。 クリスマス休暇が終われば、徐々に危険水域に突入しそうな様相を呈してきました。

昨日は、ウェリントン、シドニー、シンガポール、ロンドン、ニューヨーク市場が休場となり、方向感が出づらい展開となりました。 ドル・円については底堅さを維持しているものの、上値も重い状態でした。 ユーロは欧州債務問題については一服感が出ているが、大きく買い戻される地合いは全くありませんでした。

市場関係者の2012年度の為替予測(ロイターより)。

2011-12-26 06:00:00 | 日記
<2012年度の市場関係者の予想一覧>

ロイターが調査を実施した市場関係者12人の2012年の為替予想平均レンジについて :
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・73.00―82.83円       1.22―1.46ドル  

●三菱東京UFJ銀行シニアアナリスト 内田稔氏
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・75.00―84.00円       1.20―1.35ドル  

●JPモルガン・チェース銀行チーフFXストラテジスト 棚瀬順哉氏
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・69.00―80.00円       1.20―1.40ドル  

●シティバンク銀行チーフFXストラテジスト 高島修氏
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・72.00―82.00円       1.20―1.35ドル  

●みずほコーポレート銀行マーケットエコノミスト 唐鎌大輔氏
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・74.00―83.00円       1.23―1.36ドル  

●三井住友銀行市場営業推進部チーフストラテジスト 宇野大介氏
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・60.00―80.00円       1.285―2.50ドル   

●バークレイズ銀行チーフFXストラテジスト 山本雅文氏
・ドル・円               ユーロ・ドル    
・75.00―80.00円       1.20―1.35ドル 

●筆者の予測(12月22日の投稿から)
ドル・円   73~83円
ユーロ・円  95~112円
ポンド・円 115~127円

欧州債務問題について、2012年はベストシナリオでも現状維持、本筋では悪化すると考えた方が良いのではないでしょうか。 重債務国が欧州連合(EU)/国際通貨基金(IMF)に対し金融支援を要請するという動きは2012年も見られると予想します。 2012年上半期、市場の注目はESMの実効性に集まる。 円滑に進めばユーロ相場は、対円で112円を目指すようなことがあり得ます。 逆にもたつくようであれば、100円割れが定着となり得る可能性が高いと思われます。 どちらかと言えば、ユーロ・円は100円割れが定着する動きとなる可能性が高いのではないでしょうか。 

いずれにしても上記の著名の先生方の予想ともほぼ同じゾーンで推移するのが妥当かと思われます。 全体的にはユーロの債務問題を中心に組み立てをされているようですが、極端な思い込みは危険な部分もあります。 地震以来かなり日本経済にも急ブレーキがかかっており、貿易赤字が続いている現状では何時円安に振れてもおかしくない状況です。 基本的にはユーロの債務問題を最重要課題としながらも、日本経済の足元を見ながら投資されてはいかがでしょうか。     

今週の為替予想レンジ(12月26日~12月31日)

2011-12-25 06:00:00 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     77.20~78.50
>ユーロ・円   101.20~103.20
>ポンド・円   120.50~123.50

<今週のテーマ・指標>(3つ星以上の大きな指標)
26日・月曜日 特になし 
27日・火曜日 12月消費者信頼感指数
28日・水曜日 特になし
29日・木曜日 新規失業保険申請件数 12月シカゴ購買部協会景気指数  11月中古住宅販売保留
30日・金曜日 特になし

<今週の予想>
今年一年間を振り返られてみて投資成績はいかがでしたでしょうか。 今週で2011年度も終わり、新しい1年を迎えることになりますが、波乱含みの1年になるのではないかと予想しています。

年末に向けたポートフォリオ調整で来週はドルが弱含むのではないかと思われます。 23日は新築住宅販売が7カ月ぶりの高水準となったことでユーロが売られています。 このところの発表された経済指数は米経済の回復を示す兆候が見られ、ユーロに比べてドルの魅力が高まっている。
 
今年は米国株式や債券の価格が上昇し、アセットマネジャーのドル建て資産はベンチマークを上回って拡大している。 このため年末に向けたポートフォリオ調整で、来週はドルが売られやすいのではないでしょうか。 ただ、ユーロ圏の金融危機は終息する気配が見えないため、ポートフォリオの調整が一段落すれば、ユーロ・ドルは再び下落する可能性が高いと見ています。

先週の値動きを見ている限りでは、ユーロ売りが始まるのは年明けになりそうです。

今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

ニュージーランドのソブリン債の格付け ”Aaa 安定的” 据え置きに決定。

2011-12-24 06:00:00 | 日記
<ニュージーランドの話題から>
23日、米格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、ニュージーランドのソブリン格付けを ”Aaa 安定的” に据え置いています。 ニュージーランドのAaa格付けは、力強い経済や、制度と国家財政の健全性、イベントリスクの影響を受けにくい、といった状況に基づいているようです。

安定的とした見通しについては ”Aaa格付けを有する他国のほとんどと比較して、政府債務が低水準であることや、ニュージーランドが引き続き、財政・金融規律と市場志向型の政策を維持するとのムーディーズの見解が主な理由です。 政府債務の拡大に対処できなければ、格下げにつながる可能性があると指摘もされています。

フィッチ・レーティングスとスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、対外債務の高さへの懸念から、9月にニュージーランドの格付けを ”AA” に1段階引き下げている。

ユーロの債務危機問題から見ると、小ぶりながら非常に安定した優等生のようの思われます。 残念ながら、ユーロと同じ動きをする通貨であり、来年ユーロの債務問題の解決の糸口が見いだせなければ、引きずられる可能性が非常に高く、54円台迄は落ちる可能性は十分あると見ています。

2012年の予想範囲 : NZD/円 54~65円と見ています。

<ニュージーランドの地震について>
クライストチャーチ近郊で23日、マグニチュード(M)5.8の地震がありました。 警察は人的被害の報告はないされていますが、負傷者1人が病院に搬送されたとの報道がありました。 同国当局によると、震源地は同市北東20キロ、震源の深さは8キロ。 最初の地震発生後、M5.3を含む強い余震が続いたようですが、津波警報は発令されていません。

地元ラジオ局によると、ショッピングセンターやオフィスにいた人たちは建物の外に避難した。 スーパーなどでは、陳列棚から商品が落ちるなどの被害があり、液状化現象や落石の報告も出ています。 また、電力会社によると、1万5000世帯で停電が起きています。 

発生当時、ショッピングセンターでは、クリスマス直前ということもあり、買い物客らでにぎわっていました。 強い地震の発生を受け、一部の道路はクライストチャーチを脱出しようとする住民の車で渋滞しているという。 クライストチャーチでは今年2月、M6.3の地震があり、日本人留学生を含む182人が死亡しています。

クリスマス前の出来事であり、大きな惨事にならなくて良かったと思います。

2012年度 中国政府は不動産政策・金融政策の調整に打って出るか。

2011-12-23 06:00:00 | 日記
<中国の話題から>
温州の経済破綻状に端を発し、不動産総崩れの状態にある中国ですが、中国証券情報から不動産政策に関する内容が提起されていました。

中国証券情報によると、 ”中国政府の不動産政策は、来年第3四半期ごろ、自己住居用住宅ローンの金利引き下げや投資目的の賃貸用住宅の購入制限緩和といった 『控えめな緩和措置』 に転じる可能性がある” との見通しを示しています。

中国経済は来年上半期、巨大な壁に突き当たり、第1四半期(1月―3月)の経済成長率は7.6%前後まで下がるという。 ただ、中国政府は来年上半期に預金準備率引き下げを3回実施する予定で、新規増加貸付総額が8兆2千億元程度となる見通しから、来年通年の経済成長率は8%を上回ると見込まれる。

不動産の在庫消化に16カ月前後を要し、政府がこれまでに資金を投入してきた保障性住宅が続々と市場で発売され、中・低所得者の住宅難問題が一部緩和されると、政府は分譲住宅市場に対する締め付けを緩める可能性は高いと見ているようです。

また、株投資家のマインドや中国に対する先安観から見て、中国のA株市場は現在、 ”お先真っ暗” な状態にあるが、来年第1四半期に底を打つことを期待している点に注意したいと思います。

筆者は中国経済の先行きについて何度も投稿させていただきましたが、不動産価格の大幅下落から端を発し経済そのものが揺らぎ始めてきたことは明白である。 そして来季のGDPを8.5%程度に設定するのなら、早急に銀行準備金の引き下げ、若しくわ政策金利の引き下げを行わない限りかなりの勢いで経済が失速するのは明白だと考えています。 金融調整の他不動産政策にも優遇政策を復活さすことも視野に入れるべき事項だと思っています。 いずれにしても2012年度は非常に厳しい舵取りを余儀なくされる1年となるでしょう。

2012年度の為替予測。

2011-12-22 06:00:00 | 日記
昨日、ビザ取得の為に上海の入国管理局(上海科技館)へ出かけました。 途中、地下鉄で新手の物乞いに出くわしました。

地下鉄7号線の電車の中
乗客の前でひざまずいて物乞。 1分間位、目の前にひざまずき、お金が入った茶碗を鳴らして嫌がらせ。 困ったもんです。 見た感じ5人に1人位小銭を入れていました。

地下鉄2号線の電車の中
いきなりギターとスピーカーを持ち込んだ夫婦が演歌を歌い始めました。 何気に見ていましたが、なかなか上手であり、アドリブが始まり上手だったら寄付をお願いしますとの事。 何と皆5元(60円)を渡しているのに驚きました。 2~3区間で100元(1200円)近くゲットしたのではないかな。 1車両が終わると次の車両に移って行きました。

上海科技館駅の切符の自動販売機前
切符を買おうとしたら、いきなり駅員風の人が近づいてきました。 お札を入れても出ないことが分かっており、お札が使える自動機に連れて行ってくれ丁寧に案内してくれました。 お釣りが出ると、いきなりクリア―ファイルに入った説明書を読めと言わんばかり。 内容は、 ”私は言葉を喋ることが出来ません。 愛の手を差し伸べて下さい。 チップ 元2~3(24~36円)と書かれています。 上手く誘導され、これには騙された。 

上海のデパ地下 ベーカリー店前
可愛らしい20歳そこそこの女の子2人が近寄ってきて、 ”私たち田舎から出てきて仕事も無く食べることが出来ない。 叔父さんパン一つ買って” と寄りついてきます。 陰で見ていると、次から次へと総当たり。 

<2012年度の予想>
ドル・円   73~83円
ユーロ・円  95~112円
ポンド・円 115~127円

欧州債務問題について、2012年はベストシナリオでも現状維持、本筋では悪化すると考えた方が良いのではないでしょうか。 重債務国が欧州連合(EU)/国際通貨基金(IMF)に対し金融支援を要請するという動きは2012年も見られると予想します。 2012年上半期、市場の注目はESMの実効性に集まる。 円滑に進めばユーロ相場は、対円で112円を目指すようなことがあり得ます。 逆にもたつくようであれば、100円割れが定着となり得る可能性が高いと思われます。 どちらかと言えば、ユーロ・円は100円割れが定着する動きとなる可能性が高いのではないでしょうか。

S&P、フランスの格付けは1段階か2段階引き下げか。

2011-12-21 06:00:00 | 日記
<ユーロ・フランスの動向から>
フランスのルルーシュ貿易担当閣外相は20日、今年の貿易赤字が約700─750億ユーロに増加、記録水準となる見通しと述べています。

同相は、外国貿易情勢は悪化している。 赤字は700億─750億ユーロとなり、多額に上るだろうと指摘。 問題はフランス製品への需要ではない。 需要は旺盛だが、供給や国内の生産、輸出に問題があるとした。

2月に同相が明らかにした2010年のフランス貿易赤字は514億4000万ユーロ。 過去最悪となったのは2008年で560億ユーロの赤字だった

ベルギーが2段階格下げされたこともあって、市場ではフランスも2段階引き下げられることへの警戒感が強まっている。 ムーディーズは16日、ベルギーの自国・外貨建て国債格付けを従来の ”Aa1” から ”Aa3” に2段階引き下げるとともに、見通しを ”ネガティブ”としていまっす。 またフィッチは16日、フランスの ”トリプルA” 格付けは確認したものの、格付け見通しを従来の ”安定的” から ”ネガティブ” に変更しました。

市場が想定しているのは、現時点でフランスの1段階格下げであり、フランスが2段階引き下げられれば ”大きなネガティブ・サプライズ” となる。 ただ1段階引き下げでも、 ”見通しがネガティブとなれば警戒感が継続しそうだ” とされ、安心はできない。 欧州債務問題の不透明感は依然濃いままであり、仏金融機関などへの市場の視線は厳しい。

フランスが格下げされれば欧州金融安定ファシリティー(EFSF)の資金力低下懸念が強まる。 イタリアでは来年2月から4月にかけて900億ユーロの国債が償還を迎えるが、前倒しされたとはいえ欧州安定メカニズム(ESM)の発足は2012年7月であり、年前半はEFSFに頼らざるを得ないため、仏格下げの影響は1国にとどまらないでしょう。

ユーロは一難去っても多難続きの様相を呈しています。 年末・年始に向けて大きく値を消すとすれば、AUDやNZDを売ってみるのも面白いかも知れません。

S&P 最終採決はどのように出るか。

2011-12-20 06:00:00 | 日記
<ユーロの動向から>
19日のユーロ・円は101円台では底堅さを見せつつも、102円付近では上値の重い状態が続いています。 目先のユーロの鍵を握るのは、格付け会社によるユーロ圏諸国の格付けに対する見方と、ユーロ圏の協調行動の行方です。

先週末、格付け会社フィッチがユーロ圏6カ国の格付け見通しをネガティブに修正しましたが、市場は他の格付け会社がどのような見解を示すかについて固唾をのんで見守っているような状態にあります。 特にS&Pがどのような見解を示すかに対する関心は強いと思われます。 実際にいつ発表されるかは不明のため、常に報道には気をつけておきたいところですね。

また、欧州では緊急にユーロ圏の財務相が電話会合を行う運びとなっています。 ここでは、国際通貨基金(IMF)への2000億ユーロの拠出や、12月9日にEU27カ国中26カ国で合意した財政協定についての協議を行う見通しです。 この場で話しあわれた内容、もしくはそれについての観測報道などは、ここからユーロの手掛かり材料となってきそうです。 

シカゴの通貨先物のポジション動向を見ると、かなりユーロの売りポジションが積み上がっており、これらが解消に動けば大きなユーロの上昇圧力となるでしょう。 ただ、足元の ”ユーロの弱材料により反応しやすい” 地合いが続けば、上述の材料のマイナス面を示すものに着目して一段とユーロが売られる可能性は低くなさそうです。 それによって101円を割り込めば、年初来安値100.74円を下回ることは十分あり得るとみています。

一昨日、今週の予想レンジでも紹介させていただきましたが、S&Pの動向いかんによっては今年の最安値を切るのではないかと予想。 年末から年始にかけて何かが起こりそうな雰囲気となってきました。 読者の皆様はどのようにお考えでしょうか。

中国の電力使用量が大幅減少、経済成長の落ち込みに起因するものか。

2011-12-19 06:00:00 | 日記
<中国の証券日報のコラムから>
国家エネルギー局は14日、2011年11月の全国の電気使用量が前年同期比9.91%増の3836.38億キロワット時に達したと発表した。 増加幅は10月の11.35%を1.44ポイント下回った。 また第二次産業の電気使用量は同10.14%増の2939億キロワット時で、こちらも10月の12.79%から2.65ポイント下回った。

11月の電気使用状況についてアナリストは、 ”増加幅は13%程度と予想していたが、大幅に下回る結果となった。 経済成長速度の落ち込みを反映している” と指摘する。
  
先日発表されたデータによれば、11月の工業成長速度は12.4%で、市場予想の12.6%に届かないばかりか10月の13.2%を大きく下回る結果となった。 GDP成長率も8.5%以下で、工業増加値は9月に一旦上向いたものの、急速に落ち込んでいる。
  
一方、今年1-11月の全国の各種発電所の平均合計稼働時間は4353時間で、前年同期より80時間増えた。 このうち火力発電所の平均稼働時間は同246時間増えたが、水力発電所は373時間減少して2871時間にとどまった。
  
今年1-11月の全国の各種発電所の建設投資額は3093億元で、水力発電が782億元、火力発電が915億元、原子力発電が656億元、風力発電が642億元となっている。

不動産価格の下落は、9月より始まった鉄・セメントの生産推移を見ていて様子がおかしいと思っていた矢先、温州事件から一挙に底値を模索する展開となってしまいました。 今回は電気需要の発表は全産業の先行きに対する羅針盤のようなものだと思っています。 数年前までは電気需要が足りなく、夏場に工場を強制的に止められたことが多々ありましたが、今回の数値を見る限りにおいては中国の経済の先行きに大きな暗雲がさしかかってきたのは間違いないと思われます。 2012年度は経済成長率において8.5%の数値が達成出来るのか不透明感が漂い始めてきました。

今週の為替予想レンジ(12月19日~12月24日)

2011-12-18 13:58:47 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     77.20~78.50
>ユーロ・円   100.50~102.50
>ポンド・円   119.50~122.50

<今週のテーマ・指標>(3つ星以上の大きな指標)
19日・月曜日 特になし 
20日・火曜日 11月住宅着工件数(季調済・年率) 11月建設許可件数(季調済・年率)
21日・水曜日 11月中古住宅販売件数(季調済・年率) 11月中古住宅販売件数(前月比)
22日・木曜日 新規失業保険申請件数 12月ミシガン大学消費者信頼感指数
23日・金曜日 11月耐久財受注 11月PCEコア・デフレータ 11月新築住宅販売件数

<今週の予想>
今週の展望について、やはり大きな懸念要因の一つはS&Pの動向であろう。 S&Pは現地5日、ユーロ加盟国のうち、ドイツ、フランスをはじめとする15カ国の長期ソブリン格付けを ”クレジットウォッチ・ネガティブ” に指定すると発表し、3カ月以内の格下げの可能性が浮上しています。 しかし、現地8日のECB(欧州中央銀行)理事会、およびEU(欧州連合)首脳会議(9日まで)では市場が期待した新たなサプライズの公表がなく、格下げは時間の問題となった。 ただ、この件は市場にかなり織り込まれたとみられ、想定以上の幅の格下げでなければ一端、消化する可能性がある。 現地14日のイタリア5年国債の入札や15日のスペイン中期国債の入札で、目標額は調達できたが利回りがユーロ導入以来の高水準にある点は気掛かりだが、今週については大きな波乱要因とはなりにくそうです。

こうしたなか、注目したいのが、NYダウの13週移動平均線と26週線がゴールデンクロス目前にあること。 また、この1週間、金の価格が、対ドルでのユーロの下落に歩調を合わせるように下げていること。 この二つを合わせると、より安全な運用先を求め、資金が米国に流れているということになる。

米国も欧州のリセッション(景気後退)入りが確定的となれば影響は不可避だが、目先的な株価の動きは欧州離れを起こす可能性があり得る。 そうした意味で、今週は米国で現地20日の11月住宅着工件数、21日の11月中古住宅販売、23日の11月耐久財受注、11月新築住宅販売などの公表があり要注目。 

今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

年末に向けユーロ・円は100円の攻防が始まる気配が濃厚。

2011-12-17 06:00:00 | 日記
<ユーロの動向から>
16日の東京時間午後8時時点のドル・円は77.89/91円、ユーロ・円は101.45/50円。 19日からの1週間について、バイアスはリスク・オフで、リスクオフの流れが強まれば、ユーロ・円が100円割れする可能性が濃厚となってきました

一方、ユーロの地合いが悪い中で、短期筋は年明け早々にユーロ売りを仕掛けるとの見方があるが、年明け前にユーロが崩れる可能性も十分にあるとの見解も出ています。 さらにユーロが年内に下げ幅を拡大するとすれば、反発局面が定着せず、投資家の売り場が無かったユーロ・円は2けたまで下落する可能性は高いと見ています。

ロシアが欧州支援のためIMFを通じて少なくとも100億ドルを拠出することが明らかになったが、安心感にはつながっていない。 市場では ”イタリア支援まで含めて考えれば、市場が想定する救済規模は兆ユーロ単位” など、規模に関する目線が上がってしまっているという。 一方で欧州金融機関の格下げが続き、来年にはイタリア国債などの大量償還も控えるなどユーロにはまだまだ悪材料が出てくることがユーロの下値不安を根強 くしている。

金利面からもユーロ・ドルには下げ止まり感はでないとの声も聞かれる。 ここにきてのユーロの下げは、欧州債務危機というよりECBの利下げ効果の方が大きいと指摘。 ECBにはまだ追加緩和の余地がある。 金利面からユーロの下げはまだ続くとみらている。

今年前半からユーロ債務危機を題材に投稿させていただきましたが、いよいよユーロ破綻が世界経済にどのような影響を与えるのかがポイントとなってきました。 既にギリシャの債務危機とかユーロ債務危機のレベルでは無くなってきたのは明白です。 投資家の皆さまには現状の世界の金融動向を適格に把握していただきたいと思うしだいです。