FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

ユーロ崩壊が近づいたかのような迷走ぶり。

2012-05-31 06:00:00 | 日記
<30日の行われたイタリア国債入札結果>
10年債  利回り6.03%(前回5.84%)  調達総額 57.3億ユーロ(目標 : 45-62.5億ユーロ)
 5年債  利回り5.66%(前回4.86%)

10年債の調達総額は目標の上限に近いものとなりましたが、10年債利回りが今年1月、5年債利回りが昨年12月以来の水準に上昇しています。

入札結果が伝えられた後、イタリアの10年債利回りは一時6.15%に上昇しています。 また、これに反応するかのように、スペインの10年債利回りが一時6.86%に上昇しています。

これを受け、ユーロ・円は98.22円まで値を下げる場面がありました。

<スペイン大手銀行・バンキア救済は可能か>
毎日、バンキア救済を巡って政策が発表されていますが、どれも甘さが露呈されており迷走するようになっています。 東京市場でユーロドルが1年11カ月ぶりの安値を付けるなど、ユーロが軟調に推移しています。  ギリシャについては6/17の再選挙まで材料にしにくい部分もありますが、足元ではギリシャ以上にスペインの金融システムや財政への不安が高まっており、ユーロ売り材料となっています。

ギリシャ問題より、スペイン問題が急にクローズアップされユーロの頭を完全に抑え込んでしまったようです。 
現在のユーロはただ単に崩壊を待つのみの状態なのでしょうか。 ボロ隠しも出来ない状態に落ちっており、ドミノ倒しも間近なのか。

日銀の口介入も近いか。 対象がドルでは無く、ユーロに照準を合わせて行った方が良さそうです。

中国総合指数に左右される豪ドル。 ロシアも外貨準備高の1%を豪ドルで保有。

2012-05-30 06:00:00 | 日記
<上海総合指数に左右されるAUD>
29日の中国株式市場で上海総合指数は大幅反発となりました。 中国での景気刺激策への期待感などにより、根強い欧州不安の中でも打たれ強さを増している。aika

上海総合指数の日足テクニカルでは、200日移動平均線の上抜け定着を巡る重要攻防となってきています。 昨年5月に200日線を下抜けて以降、長期下落トレンドが続いてきたが、今年3月、4月に続く3度目の200日線トライとなっています。

これから 3度目の正直」の形で上抜け定着できると、上海株の長期下落トレンドが一服。 底固めを経たあとの緩やかな上昇トレンドへの転換が期待される。 為替相場では中国経済との相関性が高いAUDやNZD、カナダ・ドルといった資源国通貨の下げ止まりと自律反発をサポートするものです。

一方で上海株が200日線の上抜けに失敗すると、改めてリスク回避相場への逆戻りが警戒される。 AUDなどの資源国通貨が、対ドルや対円で戻り売りに押されるリスクも消えていません。

しかしながら夕刻6時半に中国国営新華社通信が、”中国は大規模な刺激策を導入するつもりはない” と市場で強まっていた観測を否定したことで、特に中国との結びつきが強いAUDが圧迫された。 AUD・ドルは0.984ドル前後、AUD・円は78.12円付近で上値の重い展開に。

AUD/NZDは、中国の政策の一言一句により大きく左右するものだとつくづく思い知らされました。

ロシア政府が、今後外貨保有においてAUDを全体の1%迄引き上げると発表したようです。 買い入れ時期についての詳細は発表されていませんが、ギリシャ総選挙をにらんで大きく下げる時期を狙っているようにも思われます。 次の反転の兆しが出る時期が上手くつかめれればと思うしだいです。 

今日は月末を控え、実需勢の売り買いが交錯する展開か。

2012-05-29 10:15:11 | 日記
<玉の動向について>
スペインの銀行システムやギリシャの政局の混迷に対する懸念を背景に、ユーロの売り越しは前週の17万3869枚から19万5361枚に増加し、過去最高を更新しています。 

・円の売り越しは1万8015枚と、15日の3万4315枚から大幅に減少。
・英ポンドの買い越しは1万1340枚と、15日の2万5021枚から半減。
・AUDは1万6898枚の売り越しと、15日の4734枚の買い越しから売り越しに転じる。

<今日の予想レンジ>
きょうの予想レンジ ドル・円が79.30―80.00円 ユーロ・円が99.20―100.20円。

月末を控えたこの日はドルの下値では輸入企業の買い、上値では輸出企業の売りが見られ、売り買い交錯しているようです。 テクニカル的には、79円前半にオプション関連の買い需要もあるとされ、ドル・円は底堅い展開となっている。

一方、経営難に陥った大手銀行バンキアの株価は過去最安値を付けた。 バンキアの救済に向け、政府が同行の株式と引き換えに国債を通じた資本増強を行う可能性があるとの報道を受け、投資家の間でスペインが支援要請に追い込まれるとの観測が高まっている。

バンキアの親会社BFAは28日、2011年の業績が33億ユーロの赤字になったことを明らかにした。 当初は4100万ユーロの黒字としていたが、公的支援を受けるに当たり実施した融資ポートフォリオの見直しなどを受け、決算内容を修正した。

スペインが必要とすれば、国際支援を受けることは可能との見解を示した。 ただ、同国の問題はギリシャの問題ほど深刻ではないと指摘した。 総裁は ”欧州金融安定ファシリティー(EFSF)と国際通貨基金(IMF)には、スペインが国際的な金融支援やつなぎ融資に頼れることを保証する、いわゆるファイアウオールが存在する” と語っています。 ただ、スペインがそのような支援を必要とするかについては言及しなかった。

今日は、実需による売り買いが交錯して小動きとなりそうです。

米国がメモリアルデーで祝日。 大きな指標も無く小動きの展開か。

2012-05-28 18:35:41 | 日記
今日の上海は適度の風も有り、非常に過ごしやすい1日となりました。 日差しも日に日に強さを増し、夏が近づいてきたのを感じずにはいられません。

<ユーロ・円の動向から>
前週末に伝わったギリシャの政党支持率に関する世論調査の結果(国際支援の条件である緊縮策に前向きな新民主主義党が首位)を好感して買いが先行。 一時100.20円台まで上値を伸ばしたが、25日に1190億ユーロの公的資金注入を要請したスペインのバンキア銀行株が大幅安で始まり、同国の10年債利回りが上昇すると一転して売り優勢となっています。 スペイン情勢の悪化が欧州株全体の伸び悩みにつながった事も重しとなり、夕刻には本日安値となる、99.70円台まで弱含んでいます。

<AUD・円の動向から>
AUD・円は上昇。 前週末のギリシャの世論調査を受け、同国のユーロ離脱懸念がわずかに和らぎ、リスク回避の動きが後退すると、78.46円まで上昇しました。 安く始まった中国株の反発した事も、AUDの買い材料となった模様です。

本日は、米国がメモリアルデーで祝日です。 欧州でも予定されている経済イベントもほとんどなく、材料だけ見たら動きそうにありません。 基本的に、先週末に改めて意識されたスペインの金融機関についての続報や、ギリシャの再選挙に向けた思惑に絡む報道などを待ちつつの小動きに終始するでしょう。 市場参加者が少なめですので、報道で動き出す時は比較的大きく値が動くこともあり得ます。

今週の為替予想レンジ(5月28日~6月1日)

2012-05-27 09:32:15 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     78.50~80.50
>ユーロ・円    98.50~100.50
>ポンド・円   123.00~126.00

<今週のテーマ・指標>(3つ星以上の大きな指標)
28日 特に無し
29日 独・5月CPI<速報値>(前年比) 米・5月消費者信頼感指
30日 NZ・4月住宅建設許可件数(前月比) 豪・4月小売売上高<季調済>(前月比)
31日 米・ Q1GDP<改定値>(前期比年率) 新規失業保険申請件数 Q1個人消費<改定値>
 1日 米・ 5月非農業部門雇用者数(前月比) 5月失業率 5月ISM製造業景況指数

<今週の見通し>
25日終盤のニューヨーク外国為替市場では、ユーロが対ドルでおよそ2年ぶり安値に下落しています。 ギリシャに加え、他の重債務国もユーロを離脱しかねないとの懸念が出ていることに起因されているようです。 スペインで最も裕福とされるカタルーニャ州はこの日、資金繰りに窮したとし、中央政府の支援が必要であることを明らかにしました。 これがユーロの下げ圧力を高めました。 影響は金融市場全体にも広がり、スペイン・イタリアの国債が売り込まれたほか、株価は下落し、米原油先物は下げに転じました。

今週は、カタルーニャ州の問題が大きくのしかかって来そうな雰囲気です。 スペイン政府が一段の債務負担を余儀なくされることを示しているが、政府にその余力があるのか疑問であり、 当面は危機波及が焦点となるのは間違いなさそうです。 ユーロは今月に入り、対ドルで5.5%下落しており、週間では4週連続の下落となる見通し。

総選挙後のギリシャ政局混乱を受けて、マクロファンドや機関投資家はユーロに売りを浴びせています。 また投資家は、スペイン銀行セクターへの懸念を強めているほか、ユーロ圏が深刻な景気低迷に陥る可能性や危機脱却に向けた抜本策が欠如していることを嫌気しています。

ドル・円は0.1%高の79.63円。 週初めは米市場が連休を控え、日本の輸入業者の買いや投資家の持ち高調整が支援しています。 市場関係者によると、およそ80円の水準で売り注文が入り、ドルの上値を抑えている。

今週末には月に一度の大イベント・米5月度の雇用統計発表が控えており、内容が気になるところです。 大きく下げるようだと、一気に量的緩和第3弾が急浮上するであろうし、先月とほぼ同じような内容だと多くの議論のみが右往左往し始めて心理不安のみが先行するような結果となりそうです。  

今週は6月度の新月に突入します。 ギリシャ総選挙迄3週間余りとなってきており、要人発言が相次ぐことになるでしょう。 シティーグループからは、ギリシャ離脱時期まで発表するなどいよいよもって不透明感一杯となりました。 

ある記事の予想によると、ユーロ・ドルは必ず1.2を切るのは明白であり、1.12位迄下落するのではないかと言われています。 理由は、ギリシャの破綻に端を発し、その他の債務危機国家がドミノ倒し状態に陥ると予想しているようです。

当面は、少しでも噴けば売りを先行さすのが正しい判断ではないかと思います。

今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

シティグループのレポートから、ギリシャの2013年1月1日にユーロ離脱説。

2012-05-26 06:00:00 | 日記
<いよいよシティグループからギリシャ離脱時期のレポートが出ました>
シティグループは23日遅く、ギリシャがユーロ圏を離脱するのは2013年1月1日の可能性が高いとの見方を示した。 同行によると、新通貨はユーロに対し直ちに60%下落し、大規模だが管理可能な影響を欧州全域に与える見込みだという。

外国通貨取引で世界第2位のシティグループは顧客向けリポートで、ギリシャが ”今後1~2年間” にユーロ圏を離脱する確率が約50%から ”50~75%” に上昇したとの見方を再度示し、ギリシャ離脱の時期を来年1月と想定していることを明らかにした。

シティグループの基本シナリオでは、6月17日の再選挙でも財政緊縮策を順守できる有望な政権を成立させて政局の混迷を解消することはできない、と想定されている。 この結果、ギリシャ政府と国際債権団の間の手詰まり状態が致命的な状態にまで悪化するだろうと見ているようです。 ギリシャは13年1月1日にユーロ圏を離脱するが、欧州連合(EU)にはとどまり、(社会不安と市民社会崩壊のリスクを低下させるため)金融支援を受けると想定しているようです。

ギリシャがユーロを離脱した場合、欧州銀行システムの緊張が高まり、欧州中央銀行(ECB)は長期資金調達オペ(LTRO)の再実施と0.5%までの利下げを強いられる見込みであり、また、ポルトガル、アイルランド、スペインに対する追加金融支援や、スペインおよびイタリア国債買い入れの再開にもつながるだろうとの見解。

ギリシャのユーロ離脱後には、銀行システム崩壊や経済的混乱の悪化といったドミノ現象の回避を狙った一連の政策対応が打ち出されるだろうとしています。 シティグループはギリシャ離脱の波及効果について、同国以外の加盟国がユーロ圏離脱を強いられることなく、欧州銀行システムが機能を維持できるという意味では、制御可能なものとなるだろうと指摘した。

ただそれでも、財政難を抱える同国以外のユーロ圏加盟国が高い借り入れコストや信用不足にあえぎ、経済成長率が期待外れに終わり、政府歳入が伸び悩むという状況は終わらないだろうという。 結果的には、ユーロ圏加盟国の多くで財政目標が未達となったり、債務水準が上昇したりすることになる。

シティグループはリポートで、 ”ギリシャが離脱した場合でも、それで欧州経済通貨統合(EMU)の危機が終わるわけではない” と警告を発しています。

筆者は昨日のブログで、最後はユーロに留まる可能性が高いのではないかと投稿させていただきましたが、シティグループは離脱の日時まで明言するとはかなりの確信めいた情報分析が出来ているのかもしれません。 いよいよもって不透明感がつのり判断基準がぶれてしまいそうです。

非公式のEU首脳会議に対するコメントから抜粋。

2012-05-25 06:00:00 | 日記
<非公式のEU首脳会議に対するコメントから抜粋>

ドラギECB総裁 : 
・ECBの新たな責務は首脳会議で議論されなかった
・EU首脳はESMへの銀行免許付与で議論しなかった

ユンケル・ユーログループ議長 :
・ギリシャの離脱に備える計画の準備をユーロ圏諸国に要請していない
・ユーロ圏共同債は短期的に決定できる問題ではない
・欧州首脳はあらゆる種類のイベントを考慮する必要がある

欧州首脳は24日、ギリシャが財政再建および構造改革に向けた調整プログラムの下で自国の約束を守る限り、同国のユーロ圏残留を支持するとの考えをあらためて表明した。

欧州連合(EU)のファンロンパイ大統領と欧州委員会のバローゾ委員長は、当地で開かれたEU首脳の非公式夕食会後に、6月17日のギリシャの再選挙を控えて同国に猶予を与えず、先に合意された条件付きの救済計画を新政権が堅持するよう期待すると述べた。 また改革の継続は、ギリシャのユーロ圏でのより豊かな将来を最も保証するものだとも述べていました。

夕食会では、欧州投資銀行(EIB)の資本増強の他、ユーロ圏共同債の発行など、さまざまな議論が行われたと両者は述べてもいました。

しかし、ファンロンパイ大統領は、EIBの資金源についての決定はなかったとし、ユーロ圏共同債の早期発行の見通しを否定した。 共同債はユーロ圏のさらなる経済統合 ”プロセスの最終目標だ” と指摘しています。 一方、バローゾ委員長は、経済成長と財政再建に関する議論は引き続き行われたとし、”安定か成長かという選択は、選択肢として見なされるべきではない。 我々は両方を必要とする。議論では明確な総意が得られた。 我々は成長を達成するため財政再建を必要とし、競争力のため構造改革を必要とし、目標に向けた投資を必要とする” と語っています。

両者は、ユーロ圏諸国がギリシャのユーロ離脱の可能性に備えた緊急対応策を策定しているとの報道については直接言及しなかった。 バローゾ委員長は、 ”我々は、思惑的なシナリオ通りの展開を期待する向きによって計画が頓挫することを容認しない” と述べ、EUは ”ギリシャ国民が6月17日に各自の意見を表明するのを待つべきだ” と付け加えた。

<国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事からのコメント>
国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事は23日、ハーバード大学ケネディ行政大学院の卒業式で講演し、卒業生は1930年代以降で最悪ともいえる過酷な経済期に直面していると述べた。 ”皆さんの世代はおそらく、この数十年で最悪の、場合によっては大恐慌以来最悪の経済不安に直面している” と述べていました。

ユーロ危機が新たな世界的金融危機につながる恐れがあるなかで、 ”7500万人の若年層がまともな就職先を探すことができず、不平等の拡大がしっかりとまとまったわれわれの社会をひっ迫させるとともに、世界経済の動力源がもはや以前のように機能しないと懸念されている” と指摘しています。

我々の世代が皆さんのために、瞬時によりよい遺産を築き上げることができればと、強く願うと述べた。 しかし現在は、こうした課題の克服と新たな世界が作り出す機会をつかみ取る助けとして、皆さんが自身の才能、決意、理想を活用する番になるだろうと話されています。

ギリシャを巡り各国の要人発言が目まぐるしく続いていますが、このやり取りは1月中旬から2月下旬まで続いたやり方に非常に類似しているように思われてなりません。 前回は債務不履行(デフォルト)回避に向けたやり取りでしたが、今回はギリシャ国民がEU離脱し自滅の道を選ぶのかが最大のテーマとなっています。 国民の不満はピークにさしかかって来ているのは事実であり、緊縮策により窮地に追いやられるとは思われますが、将来を展望した選択をして欲しいものです。

6月17日迄は下値模索の展開が続くと思われますが、最後はユーロ離脱回避に向け協調するのではないでしょうか。 1930年以来の大恐慌にだけはなってほしくないところです。

日銀・白川総裁の金融政策決定会合後の声明について。

2012-05-24 06:00:00 | 日記
5月23日 15:30分から行われた日銀の白川総裁の発言について<概要は以下の通りです>。

・欧州発のテールリスクは昨年末比で低下したが、最も強く意識すべきリスク
・欧州問題等で投資スタンスは全般的に慎重化している
・財政、金融、実体経済の負の相乗作用を通じ、欧州経済が下振れるリスクがある
・フィッチの日本国債格下げにコメントするのは適当ではない
・日本国債は円滑に消化されており、市場は財政再建の意思と能力があると評価
・三菱UFJ銀行のイラン決済口座問題についてはコメントしない
・基金オペの札割れの背景の1つには強力な緩和の浸透があり、意図した効果が実現
・札割れの背景には質への逃避も影響。 今後は状況を注意深く点検
・超過準備に対する付利引き下げ、デメリットが大きい
・日銀の金融政策スタンスは全く変わっていない(適切な政策運営」との文言について)
・欧州の金融機関に資本不足懸念あるなら資本注入も必要
・様々な事態を考えて政策を判断している(ギリシャ情勢について)
・安定目的の為替売買は財務省の所管であり、政府の判断の問題

日銀は金融政策決定会合後の声明で、これまで ”強力に金融緩和を推進する” としていた部分を、今回 ”引き続き適切な政策運営に努めていく” と変更しており、これによって ”日銀の追加緩和姿勢がゆるんだのでは” との憶測が広がり、ドル・円は値を下げています。 いずれにしてもギリシャ問題が世界の注目の的になっている現状では、小粒の政策発表では効果がありませんでした。

野田総理や安住財務相から日銀にプレッシャーをかけるかのような発言が相次いだ事も ”もしかしたらもしかするかも” 的な思惑がありましたが、何時もながらの無難な会見で終わりました。 スイス中央銀行のように、78円を割ったら日銀は強烈に介入を行うとハッキリした文言で言って欲しいところです。 

6月17日に向けギリシャ総選挙があり、このまま放置しているとじわじわと円高に向かうのは目に見えています。 何らかの強いメッセージを世界に向け発信して欲しかったところです。

ギリシャ前首相 : ユーロ離脱は破局、緊縮策以外選択肢ない。 

2012-05-23 11:10:30 | 日記
<パパモデス前ギリシャ首相の談話から>
ギリシャのパパデモス前首相は22日、ギリシャは痛みを伴う緊縮策を実行する以外に選択肢はないと述べ、さもなければユーロ圏からの脱退に直面し、経済荒廃やインフレ高進といった新たな社会的緊張に見舞われるだろうと警告した。

パパデモス氏は、先週の首相辞任以来初めてとなるインタビューに対し、ユーロを放棄すれば、ギリシャは経済の ”破局的な” 結末を迎え、ユーロ圏の他の参加国に深刻で広範な悪影響が及ぶだろうとの考えを示しています。 一部の欧州諸国や機関が、最終局面に備えて緊急対応計画を検討しているのはこのためだとしたが、詳細は明らかにしなかった。

パパデモス氏は ”こうしたシナリオの実現可能性は低く、ギリシャにとっても他国にとっても望ましくはないが、ギリシャがユーロを離脱した場合に起こりうる影響を封じ込めるため準備が進められていることを考慮しないわけにはいかない” と語った。

欧州中央銀行(ECB)の副総裁を務めたこともあるパパデモス氏は、首相辞任後も選挙管理内閣に助言を続けている。 今月6日の総選挙では緊縮策への反対が多く、どの党も過半数を取れない状況に陥った。 これを受けて同氏は首相を辞任、選挙管理内閣が先週発足した。

再選挙は6月17日の予定だが、これが事実上ユーロ圏残留についての国民投票になる。 再選挙の直後、新政権は政府支出の追加削減計画を打ち出す最終期限に直面する。 これは、国際通貨基金(IMF)などによる第2次救済計画に基づく救済支援の条件とされているものだ。

パパデモス氏は、多くのギリシャ国民が状況の深刻さを完全には理解していないことを懸念していると述べ、 ”欧州の政治指導者たちは2つの部分からなる明確なメッセージを出している。 ギリシャはユーロ圏に残留すべきだということ、そして、約束を守るべきだということだ。 ギリシャのユーロ離脱リスクは現実的なものであり、実質的にはギリシャ国民が経済プログラムの履行継続を支持するかどうかに左右される” と語った。

同氏によると、ギリシャがユーロ離脱した場合の総コスト推定学は5000億ユーロ(約50兆5000億円)~1兆ユーロ(101兆円)だという。 これは市場評価に対する影響、国境を越えた危機のコンテージョン(伝染)、実体経済への打撃に関する想定を反映しているという。

同氏は、時間的猶予はなくなりつつあると述べ、一層の支援がなければギリシャは程なく年金や公共部門の賃金を支払えなくなると警告した。 財務省の10日前の算定では、支出と収入の見通しからみて、政府が経費をカバーするのに十分な財源があるのは6月20日までとなっている。

しかし算定後、徴税が思うように進まず歳入が目標を下回ったため、資金繰りは6月20日でなく6月最初の2週間で苦しくなりそうだとのこと。 必要なら、政府は銀行再編のために使われる ”ヘレニック金融安定基金(HFSF)」から資金を拠出することもできる。 HFSFは週内にギリシャの銀行に対し、流動性資金として180億ユーロの新規救済資金を配分する見通しだ。

パパデモス前ギリシャ首相は、ギリシャのユーロ離脱にメリットは全くないと述べた。 新通貨の急激な減価の波及効果により、海外貿易における競争力の向上が相殺されてしまうだろうという。 ユーロ圏離脱の場合、ギリシャはインフレ高進、実質所得の減少、銀行システムへの極度の緊張に直面し、資本市場への参入はさらに遠ざかるだろうと述べた。 また、ギリシャの公的債務は増加が見込まれるという。 債務は新通貨建てとなるが、為替レート安定とインフレ制御の必要上、実質金利の引き上げが避けられないためだ。

同氏は、”一部の推定では、こうした動きのインフレ期待(予想)への影響や物価上昇が賃金に及ぼす二次的効果の程度によっては、インフレ率が30%あるいは50%にも加速しかねないとされている” と語っています。  同氏は、こうしたインフレスパイラルは、ユーロに代わる新国民通貨の切り下げによる価格競争力への短期的プラス効果を実質的に相殺してしまうだろうと付け加えた。 また全体として、経済的な結末は破局的だ。 さらに、ユーロ離脱に伴う政治的、社会的な悪影響は深刻で、長い間続くだろうと述べ、若年層の失業率が50%を超えていることに対する不満がこのところ急激に高まっていることを指摘した。

パパデモス氏は、各政党の指導者らがギリシャに求められている厳しい救済条件について、回避もしくは再交渉の余地があると公約しているのは誤りだと強調した。

さらに、先の総選挙で第2党に躍進した急進左派連合(SYRIZA)が、たとえギリシャが緊縮措置を先送りしてデフォルト(債務不履行)に陥ったとしても、ユーロ圏の他の加盟国はこれに目をつぶり、ギリシャにユーロ離脱を強いることはないと予想しているが、これも同様に誤った見方だと指摘しています。

同氏は、”これらユーロ圏諸国は既に、第2次救済計画の承認を自国の議会に説得するのに大きな困難に直面しているうえ、スペインやイタリアなど深刻な財政上の難題を抱える他の加盟国もギリシャの資金支援に一層貢献するよう要請されることになる” と述べた。

同氏は、”救済計画に基づいて支援される国(ギリシャなど)は調整疲労に直面しているが、同時に債権国は救済疲労に直面している” とし、”われわれはこれを決して忘れるべきではない” と強調しています。

この内容は非常に興味を持って何度も読み返してみました。 数カ月前には債務不履行回避に向け、直接ECB/IMFとの折衝を行った総責任者であり、ユーロ各国の思惑と直接向き合っただけに非常に正しい内容ではないかと思います。

現在のギリシャのポジションはユーロのお荷物になっていますが、仮にユーロ離脱が現実的になると今度は世界のお荷物になることは明白ではないでしょうか。 

市場の動向も、前回の債務不履行寸前で要人発言により上下に振れましたが、今回も同じように思われます。 当面、弱い相場展開が続きそうです。 

23日のEU首脳会議ではどのようなギリシャ残留策が盛り込まれるのか。

2012-05-22 10:54:48 | 日記
<市場の関心は23日の欧州連合(EU)首脳会議に注がれる>

フランスのオランド大統領は19日、EU首脳会議(非公式会合)で、ユーロ圏の債務危機解決を成長促進を目指し、共同債の発行について提案する考えだと明らかにした。 オランド大統領は ”23日に開かれる非公式な会合で、成長を目指す提案の概要を提案するつもりだ。 その提案には共同債の発行も含まれる。 提案するのは私一人ではなく、今回のG8でそれを確認した” と述べています。 また、緊縮策を重視しているドイツのメルケル首相に対し、共同債を拒否する姿勢を取り下げるよう要請する考えを示した。

一方、オバマ米大統領は21日、世界の首脳はギリシャをユーロ圏から離脱させないことが重要だとの認識で一致している、との見解を示した。 北大西洋条約機構(NATO)首脳会議後の記者会見で語った。 オバマ大統領は、一部の欧州首脳は、ユーロ圏債務危機に立ち向かう決意を強めていると指摘。 欧州の銀行にとって資本再編が重要で、危機が他国に波及するのを防ぐ安全網を構築する必要がある、との考えを示しています。

23日の会議でどのような解決策が打ち出されるのかによっては、6月17日の総選挙を待たずにして方向性が決まる可能性も出て来たようです。 ギリシャ破綻は世界経済にとって大きな痛手となることは誰しもが理解出来る内容であり、2月の資金援助とヘアーカットで乗り切ったのと同じ道をたどるのか。

もう一つ気掛かりなのは、昨日も投稿させていただきましたがアメリカのFOMCで量的緩和第3弾(QE3)に踏み込むような意見が台頭するのかどうかです。

EU首脳会議が不調に終わったり、QE3が台頭すればまたまた下げ基調が始まるのではないでしょうか。

資源国通貨と中国の景気刺激策の関係について。

2012-05-21 21:29:23 | 日記
超閑散期になると不定期な休みがたびたび起こります。 工場が休みになる度に朝早くから上海事務所に呼び出され、社長への報告会議が行われます。 どうでも良いような会議の内容ですが、だらだらやってくれるのに腹だたしさを覚えずにはいられません。 

<AUDと中国の相関関係について>
今日は、欧州時間に入りAUD・円が堅調に推移しています。 東京の朝には一時年初来安値(77.54円)を記録する場面もありましたが、欧州市場では株価の底堅い動きを眺めて買戻しが優勢となっており、さきほど78.38円まで反発していました。

20日に中国・温家宝首相が ”景気支援にさらに焦点を絞る” と表明したのに続き、本日付の中国証券報が一面に ”中国政府が近く刺激策を発表する可能性” と報じたことを好感して、アジアから欧州の株価が堅調に推移し、AUD・円にも買戻しの機運が生まれたようです。

5月18日には銀行預金準備率を0.5%引き下げる金融政策を打ち出しましたが、今度は景気刺激策を出すことは中央テレビでも度々取り上げられてきました。 このまま低迷を続けると、GDPの年度目標7.5%にも達しない恐れがあり早く手を打ったほうが正解でしょう。 政策金利の0.25%の引き下げが何時行われるかは現時点では話題には上っていません。 今回の銀行預金準備率を引き下げた効果を見ての判断となるのではないでしょうか。

中国の景気刺激策は資源国通貨にとっては朗報ではありますが、何分にも今はギリシャの動向が頭を大きく押さえているように思えてなりません。 また6月には米・FOMCの会議が行われますが、量的緩和第3弾(QE3)の話題が急浮上するのか気になるところです。 ギリシャの総選挙の行方に確信が持てるまでは買いを控え、高値をつければのんびり売りを先行させておけば大きな事故には遭遇しないように思われます。

今週の為替予想レンジ(5月21日~5月26日)

2012-05-20 12:22:57 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     78.00~80.00
>ユーロ・円    98.50~101.50
>ポンド・円   122.00~126.00

<今週のテーマ・指標>(3つ星以上の大きな指標)
21日 特に無し
22日 英・ 4月CPI(前年比) 米・ 4月中古住宅販売件数(季調済・年率)
23日 日・日銀・政策金利発表 英・英中銀MPC議事録公表(5月9・10日分) 米・4月新築住宅販売件数
24日 独・5月IFO景気動向指数 英・Q1GDP<改定値> 米・4月耐久財受注 新規失業保険申請件数
25日 米・5月ミシガン大学消費者信頼感指数<確報値>

<今週の見通し>
欧米株安と円高進行を背景に問答無用のリスクオフが進んでいる。 ギリシャとスペインの債務・金融問題に加え、マクロ指標の悪化で米経済減速懸念が強まったことで、海外勢が株売り・債券買いを加速。 国内経済は底堅く推移しているものの、海外からの暴風に抗えない状態だ。 市場の ”恐怖指数” は徐々に上昇しており、パニック相場になるかの分岐点に差し掛かってきたとの見方も出ている。

売りが売りを呼んでいるような状態で、理屈で説明できるところを超えた下げ相場になってきています。 背景は欧州問題に加え、経済が比較的底堅いとみられていた米国でも、景気減速懸念がさらに強まったことだと思われます。 スペインでは17日、一部国有化された大手銀行バンキアから預金が大量に流出したとの報道で株価が急落したほか、ムーディーズは政府による銀行支援能力が低下しているとして欧州最大の銀行であるサンタンデールを含むスペインの16行を格下げした。 米国では5月フィラデルフィア連銀業況指数が予想外に低下し、マイナス5.8と業況判断の分かれ目となるゼロを下回った。

ここにきては、円高進行による企業業績圧迫など不安感が先行しており、勇気をもって積極的に買いに動ける投資家は乏しいようで、雪崩現象とでも言った方が良いのではないでしょうか。

ギリシャの選挙迄4週間もあり、選挙の大勢が決まる迄はじりじりと相場が下げて行くことでしょう。 ここは理屈抜きで素直に売って行こうと思っています。 注意しておかないとならないのは、ドル・円で78円を切ってくれば日銀の介入を頭においておく必要があります。 日銀も6月17日迄は大きく介入することは厳しいのではないでしょうか。 

最悪のシナリオ : ギリシャ破綻した時に起こるえる金融パニックに対しても買い玉が多い方は対策を講じられた方が良いかと思われます。

今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

ギリシャの政党支持率から。 ギリシャ国民の意識が変化してきたか。

2012-05-19 11:59:37 | 日記
昨日は南京へ日帰り出張していました。 朝、6時に自宅を出て延々と車を走らせましたが、最後の目的地近くの料金所を出るや、道路工事により道が寸断されており、全く方向感が無くなってしまいました。 いろいろ聞きながら目的地近くまでたどり着きましたが、今度はビル火災に遭遇してしまいました。 いきなり通行止めになり引き返すにもどうにもならない状態。 挙句の果てにバックしてきたトラックが隣の車に追突。 身動き出来ない状態になってしまいました。 何だか今の世界の金融経済の動向に似ていると思い笑ってしまいました。

<ギリシャの政党支持率から>
昨日公表された最新の世論調査の結果、ギリシャの政党支持率は
・新民主主義党(ND)・・・・・・・26.1%  
・急進左派連合(SYRIZA)・・・23.7%
・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)・・・14.9%

反緊縮を掲げて前回調査でトップに躍り出たSYRIZAをNDが逆転。 これを議席数に換算してみると :

・新民主主義党(ND)・・・78+50(ボーナス議席)
・急進左派連合(SYRIZA)・・・71
・全ギリシャ社会主義運動(PASOK)・・・45  と理論値ではこのようになります。

財政規律重視の旧連立与党であるNDとPASOKで過半数の151議席を超える173議席を確保できる計算です。 そうなれば、 ”ギリシャのデフォルト⇒ユーロ離脱”  という可能性は大きく低下する事になります。 ただ、いまのところ再選挙までまだ1ヶ月もあるので、この結果を受けて  ”ギリシャのユーロ離脱の可能性が後退”  という見方にはつながっていないようで、ユーロ相場の反応は限定的です。

それでも、この世論調査の結果を見ると、あちこちで ”ユーロ離脱” が語られるようになったおかげで、ギリシャ国民が ”SYRIZA” の強硬姿勢は危険と感じ始めた様子が窺えます。 ギリシャ再選挙の争点が ”緊縮か反緊縮か” から ”離脱か残留か” に変わって来たようです。

6月17日迄は目が離せない状態が続くのは想定内ですが、仮にギリシャが残留出来たとしても債務が増大し続ける国家を抱えながらユーロを維持するのは至難の業です。 一旦はボロ隠しが出来たとしても次の段階では債務規模を増大させてユーロ加盟国を襲うことになるでしょう。 倒産寸前の会社と同じようなものではないでしょうか。 合わせて今週はスペインの銀行格付けが一挙に引き下げられました。 ギリシャが沈めばスペインも共倒れになる可能性も濃厚のように感じられます。

ギリシャのユーロ残留は実際に可能なのか?

2012-05-17 20:17:21 | 日記
<中国の食文化について>
筆者が勤務している工場の従業員の多くは地方からの出稼ぎ労働者で構成されています。 特に安徽省が全体の80%を占めており、続いて江蘇省となっています。 毎日、従業員食堂で食事していますが、安徽省でも北と南では全く食の習慣が違うのに驚きです。 揚子江から北200km位まではお米の文化であり、それより北になると小麦の文化になり万頭を喜びます。 山東省から一時勉強に来ていた子が、3カ月目になりもうこれ以上ご飯を見ると吐き気がすると大騒ぎしていました。 安徽省の子は四川省の子に比べると未だ良いですが、極端に辛い物を好みます。 一方、地元の人は辛い物が嫌いであり、食堂の味もどちらかと言うと醤油味系です。 筆者も北地方での生活が長く、仕方がなく毎日万頭を食べていましたが、実は万頭を見るのはうんざりです。 この面では上海はお米の文化であり助かっています。 中国は国が大きく、食堂を見ているだけでも地域性を感じさされます。

<ギリシャのユーロ残留は実際に可能なのか>
ギリシャがユーロ圏にとどまるよう、ドイツとフランスが協調して行動するとの期待が広がったとの思惑が流れてきました。 ただ、ギリシャの政局をめぐる不透明性が続くなか、ユーロは今後も圧迫されるとみられています。 ギリシャの政局混迷が長引き、ユーロ圏を離脱する可能性もあるとの見方から、一時4カ月ぶり安値に下落していたが、ニューヨーク取引時間に入り、欧州情勢をめぐり前向きな見方が広がりました。 メルケル独首相とオランド新仏大統領が、前日行われた初の首脳会談でギリシャのユーロ圏残留を望む意向を確認したことが背景にあるようです。

今、思い起こせば3月20日は資金繰りがつかず、ギリシャのデフォルトが大きくクローズアップされていましたが、1月下旬頃からギリシャ支援策がまとまり始めたことと、アメリカの指標が若干なりと改善し始めると、一挙に円安に振れたことは皆さまも記憶に残っているところだと思います。 いろいろニュースを読んでいると、今回は金が大きく売られてきていることもあり、フレーズ2に入ったとの悲観情報も入り混じっています。

実際に昨日の投稿通り、ギリシャは逝ってしまうのか。 EU/IMFを巻き込んでもう一度奮起させるのか。 6月17日の総選挙迄1カ月あまりありますが、不安を抱えたままの相場展開になるのでしょうか。




解散総選挙、ギリシャのユーロ離脱のシナリオ。

2012-05-16 17:30:00 | 日記
今夜も経済イベントが多く見られます。 ドル・円相場に直接影響するのは、米国の経済指標になりますが、今夜は住宅関連指標や鉱工業生産など重要指標の発表が予定されており、それぞれの結果が注目されます。 また、本日は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の発表も予定されています。 6月のツイストオペ終了に向け、どのような議論になったのかが注目されます。 FOMCメンバーの意見があまりにまとまりを欠くようだと、ドル・円が急激に乱高下することもあり得るでしょう。

<ギリシャのユーロ離脱のシナリオ>
金融市場全体の関心がギリシャの再選挙に向けた世論の様子やEU/IMFによる同国支援に対する思惑に集まっている以上、基本的にはユーロ中心の相場を継続するとみます。 

昨日まで行われたギリシャの連立協議は、大統領の仲介にもかかわらず決裂し、6月の再選挙が確定的となったようです。 再選挙⇒反緊縮政党勝利⇒EU/IMFの支援打ち切り⇒ギリシャ債デフォルト⇒ユーロ離脱。 というシナリオが市場で描かれていますが、これを順に検証してみると :

EU/IMFによる支援条件である緊縮策を見直して、ユーロ圏にとどまる事を公約に掲げた急進左派連合(SYRIZA)が支持率トップに立っており、SYRIZAが第1党の座に着けば、反緊縮策を掲げる政党で連立内閣が組まれ、EU/IMFとの支援合意を破棄する可能性が高いと見られています。

ギリシャが支援合意を破棄した場合には、支援が打ち切られることがほぼ確実で、そうなれば市場での資金調達(国債発行)が不可能なギリシャは6月にも資金が底を付くと考えられます。 資金が底を付けば、国債の償還(借金の返済)はままならず、債務不履行(デフォルト)を引き起こす事は容易に想像できます。

1.EU/IMFからの借金を踏み倒す事がリスボン条約違反となりEUから追放されます。

2.国債がデフォルトすればECBへの担保として認められず、ユーロ建ての資金供給が受けられなくなるため独自の金融・為替政策を取る必要があり、必然的に新ドラクマを発行せざるを得なくなる。

3.自国通貨を発行して為替レートを安く設定する事により、ギリシャは競争力を回復させる事が出来るという利点がある。

市場は、これらを背景にギリシャはユーロを離脱せざるを得なくなると考え始めているようです。

その割にはユーロも主要国株価もそれほど大きく下落してはいません。 再選挙まで1ヶ月近くあるため、この間に何らかの対策が打ち出されるとの期待感が残っているのでしょうか? しかし、時間の経過とともにこうした期待が剥落する事も考えられるため、当面は欧州情勢から目が離せそうにありません。