FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

中国政府要人、ユーロ支援発言連発。

2011-09-15 06:00:00 | 日記
昨日は上海市内の事務所で商談。 天気も快晴続きで気分も爽やか。 やはり市内に出ると何となくうきうきしてきます。 地下鉄の中の風景も昔と違い、携帯を見る子よりアイパッドを見ている子が多くなったのに驚いています。

昨日に続き中国の経済新聞より抜粋 : 中国政府要人の発言録がユーロ・ドル市場で話題になる場面が増えています。

【温家宝・首相】
・ユーロ圏の債務危機は拡大しつつあるが、債務問題で欧州諸国を支援し続ける意向がある。
・中国は欧州への支援を拡大する用意がある。 中国は欧州への投資を今後も拡大していく。

【李稲葵・人民銀金融政策委員】
・中国は短期的にはイタリア国債の購入を継続する必要がある。 中国は欧州企業の株式購入を拡大する必要がある。
・中国は大量の欧州債を購入すべきではない。

【李克強・副首相】
・中国は常にユーロを信頼している。 中国は欧州のマクロ経済政策での協調を支援する。

中国政府要人によるユーロ圏支援発言には多分に政治的な意図も含まれているとみられる一方、人民銀行関係者からは欧州債の購入拡大に慎重な意見も聞かれるなど、解釈は人によって様々だと思われます。 ただ、中国政府要人等による欧州債購入がこれだけ注目されるという事実自体、自然体の民間需給だけでは債券市場の安定を確保しにくくなっているユーロ圏の現状を物語っているように思います。

ギリシャの2年債利回りはついに80%台に乗せたとの報道も伝わってきており、欧州債券市場の混乱がどのような形でエンディングを迎えるのか、目が離せない状況になってきました。 1か月前に60%を超えきていましたが、とうとう80%を超えたとなると崖っぷち状態です。 

中国の底力 欧州ソブリン債危機を打開出来るか?

2011-09-14 06:00:00 | 日記
このところ快晴続きの上海とは違い、世界の金融市場は今にもトルネードが襲って来そうな雰囲気で外から見ているだけでも怖い気がします。

さて、昨日、注目されていたイタリア国債入札が終了しました。 5年債の入札結果が発表になり、落札利回りは5.60%%、応札倍率は1.279倍。 利回りはユーロ導入後で最高、応札倍率は低調ということで、発表直後はユーロ売りが優勢となりました。 一部で ”中国が国債購入を求めたイタリアの要請に応じない可能性がある” との見方が出たほか、ドル建てでの資金調達が困難になりつつあるとの見方から仏大手銀行株が急落すると、小高く始まった欧州株が下げに転じています。 一部報道によると欧州中央銀行(ECB)がイタリア国債を買い入れた模様であるとの報道も出ました。

中国の経済新聞から <中国はソブリン債危機対応で欧州との協力を拡大を強調>
>中国人民銀行元副総裁発言 欧州債務危機でパニックになる必要はない。
>中国は安定的なユーロの維持に向けた欧州の措置を引き続き支援していく意向に変化は無い。
>中国外務省の姜瑜報道官は13日、欧州が中国の主要な投資先であるとあらためて表明した。  同報道官は北京での定例記者会見で、中国はソブリン債危機の解決を目指す欧州の取り組みを支援し、危機対応で欧州との協力を拡大すると述べた。 中国は欧州が投資の安全性を確実にすることを望んでいるとも語った。

昨日も投稿させていただいた通り、このままではユーロの支援材料が見当たらなく100円を目指して売り浴びせられていくのは明白であり、上記の内容通り、中国には表舞台で積極的にユーロの買い支えを行っていただきたいところです。 

中国の支援策とは裏腹に、ギリシャの債務不履行を見越してか、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は12日、銀行への資金供給を無制限に実施する方針を表明しました。 Xデーを今月末迎える事になるのか予断が許せません。

ギリシャ部分的債務不履行宣言で100円を切るか。

2011-09-13 06:00:00 | 日記
昨夜は中秋の名月。 上海でも澄み切った夜空に大きな満月が出ていました。 私が住む地区では夜遅くまで爆竹が鳴り響いていました。

さて、昨日の相場の推移を見ていますと、ユーロが10年ぶりに100円を割る可能性が現実味を帯びてきたように思われます。 ギリシャの債務不履行(デフォルト)が市場で意識されはじめた上、スイス中銀の通貨高抑制策でユーロからの逃避資金が円に向かいやすく、トレンドは完全に下向。 政府・日銀による円売り/ユーロ買い介入が期待できず、輸出企業の投げ売りが想定され、ユーロ・円の外堀は徐々に埋められつつある状態ではなかろうか。 債権国の銀行支援策を表明し始めたことは、ギリシャのデフォルトが現実味を帯びてきたことを意味し、具体的に何時デフォルトするのかが話題になりつつあるのは確かです。

9月中旬から下旬にかけて、ユーロ・円にはさらに売り圧力が強まると思うばかりです。 米国FOMC(20~21日)がどのような金融緩和策を打ち出してくるのかにより地殻変動を起こる可能性も秘めています。 既にユーロの買い材料は乏しく、ユーロ・円には一段の下値不安がくすぶる事は否定できません。 ただ、テクニカル的には、RSI(14日)が一般的に売られ過ぎとされる25%を大きく割り込んで、17%台まで低下している上に、95%の確率で値動きがバンド内に収まるとされるボリンジャーバンドの下限(105.84円)を大きく割り込んでいます。 テクニカル上はユーロ・円がいつ反発してもおかしくない状況にあると言えそうで、突っ込み売りは慎むべきかもしれません。

上海暮らし いろいろ発見<パート 1>

2011-09-12 06:35:28 | 日記
今日は中秋節で会社はお休みです。 上海は朝から快晴、今夜は会社でいただいた月餅を食べながら満月でも眺める事と致します。

さて、筆者は27年間の仕事を通して中国の社会を見て来ましたが、いろんな文化の違いに接する事が出来ました。 書ききれないほどの不思議な事がありましたが、金融経済的な論点を投稿させていただく以外に中国の文化の違いについて少しづつ紹介させていただきたいと思います。

<掃除は掃き掃除が先か、拭き掃除が先か>
工場でローカルスタッフと寮生活を経験した中で、何時も不思議に感じていたことがありました。 部屋の掃除をさせると、必ずモップで拭き掃除をしてから、仕上げに掃き掃除をしていました。 日本では、一般的には先に掃き掃除をしてから、最後に雑巾がけをして綺麗に仕上げるので何か違和感を覚えました。 彼らの理論では、先に雑巾がけするのは埃が舞い散るのを防ぐ為だと言っていました。 どちらが理論的なのか、今でも考えさせられます。

<道路工法について>
急激に経済発展を遂げている中国で、何時も出張の時に目にする道路工事を見て感じたことがあります。 中国の道路工法では日本に比べ工期が妙に短い。 日本では数年かけて基礎を完ぺきにし、地を固めた上で最後にアスファルト仕上げを行います。 その後は壊れた部分のみ修正を施します。 しかし中国の考え方は日本と違い、先ずラフに工程を完成させます。 その後どんどん車を通行さすことで地を固め、数年に一度大修正を加え最後にきちんとした道路に仕上げると聞きました。 どちらの工法が正しいかどうかはお国の事情があり何とも言えませんが、慎重には慎重を期す日本文化とオ―ルアバウトな中国文化の考えの違いでしょうか。 

北京ー上海の高速鉄道にしても道路工法に近い考えのものが見え隠れしています。 中国共産党成立90周年(7月1日)の記念イベントととして、6月30日に無理やり開業させました。 試験運転で完全なノウハウも身についていない段階でも、先ずは走らせてから修正を加えると言う中国らしい考えが現れています。 結果はトラブルの連続でした。

経済ニュースから一つ :
独財務省、ギリシャの債務不履行(デフォルト)への対応措置を検討。
独財務省は11日、ギリシャがデフォルトに陥った場合、 ユーロ圏の高債務国と銀行に与えうる影響を封じ込める措置を検討してる旨を報じていました。  なお独財務省はギリシャがデフォルトに陥いるシナリオを2つ想定しており、 1つはギリシャのユーロ離脱を伴うものであると指摘しています。 
筆者は以前から公言しているように、ギリシャはユーロから離脱すべきであり、元のドラクマを復活させ、債務返還についてはギリシャ政府が緊縮財政策を公約通り遂行させ債権国へ時間をかけて返済に当たるしか方法は無いと思っています。 問題は、ギリシャのデフォルトによる債権国の銀行がどの程度持ちこたえられるかが焦点になるのは明白です。 債権国政府の銀行支援策がどのような形で出るのか注意を払って見ていきたいと思います。

今週の為替予想レンジ(9月12日~9月17日)

2011-09-11 08:31:19 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     76.40~78.00
>ユーロ・円   105.20~108.00
>ポンド・円   122.50~124.50

先週の反省
20~21日のFOMCに焦点を合わせてドル安を想定しましたが、ユーロとポンドが一気に底が大きく抜けることは想定外の展開となってしまいました。 

今週のテーマ・指標(大きなイベントのみ)
12日・月曜日 特にありません
13日・火曜日  〃   〃
14日・水曜日 米8月小売売上高
15日・木曜日 米9月フィラデルフィア連銀指数
16日・金曜日 米9月ミシガン大学消費者景気信頼感指数

各曜日とも各種経済指標や米国債入札結果の発表などの予定が控えており、極端な材料難という感じの1週間にはなりにくそうです。ただ、8月下旬のバーナンキ議長の ”結論先送り” 講演以降、ドル円市場関係者の最大の関心事は9月20~21日のFOMCで発表される米金融政策運営の結果に飛んでいってしまっている感もあります。 このため、今週のドル・円相場は、各時間帯に発表される各種経済指標の内容を逐次消化しつつも、翌週に控えるFOMCを意識しながら派手な値動きを慎むような展開になる可能性もありそうです。 来週はFRB要人がFOMC開催前の発言自粛期間に入るとみられており、木曜日のFRBコンファレンスではバーナンキFRB議長の開演の挨拶やタルーロFRB理事の講演などが予定されていますが、当面の米金融政策運営に関する生々しい話は恐らく出てこない可能性が高そうです。 市場参加者の意識が今月下旬のFOMCにかなり集中しているとみられることから、その前週となる今週のドル円相場は、普通に考えると 『FOMCの結果受け入れ前の準備体操』 みたいな状態に陥り易いような気がします。

マルセイユG7では景気減速への協調対応で合意したものの、会議の内容を見る限り残念ながら何も具体策は打ちだされていません。 声明文から:
1)経済成長や財政赤字、ソブリン債務問題といった新たな課題の中で今回の会合は開かれた。 世界経済には減速の兆候がはっきりと表れている。 われわれはこうした課題に対して、力強くかつ協調した対応をとる。
2)健全で安定した国際金融システムへの関心と、市場が決定する為替相場への支持をあらためて確認した。 為替市場での行動については緊密に連絡を取り合い、適切であれば協力する。
3)為替相場の過度の変動や無秩序な動きは、経済、金融の安定に悪影響を与える。
昔、流行語になった ”中身が無いピーマン会議” とはこの事か。 ここまで世界経済同時失速が顕著になっているこの時期に世界の首脳が集まってピーマン会議とは何事かと言わざるを得ません。 

筆者の今週の投資戦略 :
上述の如く、今週はFOMCの結果受け入れ前の準備体操期間となろうが、先週は比較的ドルが強含みで推移した背景もあり、今週はドルを中心に高値が有れば積極的に売ってみたらどうかと考えています。 アメリカの金融緩和政策がどのような形で出るかは判断が付きかねますが、いずれにしても来週は大きな変化が訪れるでしょう。 現在の為替水準では日銀による介入の可能性は低いと判断し、来週FOMCの金融緩和政策発表が終わり大きく値を崩すまでは売り玉キープ。 大きく値を消すようになれば日銀の介入を想定して買い玉を入れる戦法でいかがでしょうか。 具体的には、77.8~78.2で売り、来週20-21日に75円台を想定しています。 75円台で売り決済を行い、為替の推移を見届けながら、日銀の介入時期を設定したいと思っています。 
 
今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

いよいよ現実化し始めたユーロの底なしの泥沼化現象。 

2011-09-10 15:57:26 | 日記
中秋節まで後2日。 今日は小雨日で少し肌寒いが過ごしやすい気候です。 明後日の天気予報では曇り時々雨ですが、中秋の名月は拝めれるのでしょうか?

昨夜は突然の反落で、青くなった投資家の方も数多かったのではないかと思います。

昨夜、NY市場で ”ギリシャの早期デフォルト観測 ” という出所不明の怪しい噂や、シュタルクECB専務理事の突然の辞任発批表に撃墜される形でユーロ・円が約10年ぶり安値圏まで急落しました。 ドル・円も一時70銭近くつれ安した後50銭近く買い戻されるなど、非常に目まぐるしい展開が最終盤まで続きました。

今週のドル・円相場は週を通じて他通貨市場睨みの色彩が非常に強く、通常ならば値動き作りの主役となる米国経済指標や米金融政策がらみのイベントの影がかなり薄い1週間でした。

8月下旬のバーナンキFRB議長に当面の米金融政策運営について ”結論先送り” という結論を提示されて以来、米国の金融政策運営に対する期待の変化を最大のテーマとしてきた、ドル・円相場は主体的な値動きを見失っており、他通貨市場睨みの難しい展開となってきており、ファンダメンタルズに立脚した骨太の方向感を掴み切れない状態が続くのかもしれません。

ギリシャ問題は9月6日にも投稿させていただきましたが、9月末に迫ってきた1200億ユーロの資金手当てがついていない事が気がかりでしたが、突然の噂で10年来の最安値を記録してしまいました。 筆者の見解は、 ”ギリシャの部分的債務不履行宣言” は当然の成り行きと言わざるを得ませんが、噂の段階でここまで底値を切ってくるとなると、実際に部分的にデフォルト局面を迎えれば何処まで暴落するのか測り知れません。 筆者の予想として、ユーロの抱えている問題にアメリカの金融緩和策を加われば105円を切るであろうと書かせていただきましたが、ギリシャ問題だけで105円になってしまいました。 

ユーロが抱えている債務不履行によるドミノ倒し + アメリカが抱えている金融緩和政策の発動 暗くなる要因ばかりで、どうのように考えても円が安くなることは考えにくい現状ではないかと思われます。

中国人民元が為替市場に躍り出る日が近づいてきました。

2011-09-08 23:59:47 | 日記
10月1日は中国の国慶節。 大型連休となり国内旅行するか上海市内の探索か予定を決めないとならない時期が近づいてきました。

中国観光研究院の発表 :

10月1日から始まる国慶節期間中の観光収入が、前年同期比25%増の1450億元(1兆7400億円)に達する見込みであると発表していました。 民族大移動とも言われている国慶節の大型連休に国内を旅行する人は延べ3億人に上り、1人あたりの観光消費は前年の459元を上回る480元(5760円)程度になると試算していました。 今年は中国共産党90周年の記念も重なり、ゆかりの地を巡る ”紅色旅行” や陝西省西安市で開催中の世界園芸博覧会が人気を集めそうです。 また海外に出かける人は延べ220万人に達する見込みで、都市住民を中心とした個人消費の増加や人民元の切り上げなどが、海外旅行者の増加を下支えしているようです。

世界金融の観点から2つトピックス :

トリシェECB総裁、定例記者会見の内容から
>インフレは引き続き高い水準にあり、インフレは今後数ヶ月で2%を上回る水準となる見通しである。
>ユーロ圏の下振れリスクが高まっている。 また経済成長見通しのリスクも下向きに移行している。
>金融政策のスタンスは依然として緩和的であり、政策金利決定は全会一致で据え置きを決めています。
トルシエECB総裁の記者会見後、失望感による売りからユーロは107.96迄値を消しましたが、その後はゆっくり反転しています。 最近、ギリシャの金融危機の話題から遠のいていますが、今月末に迫りつつあるギリシャへの資金手当ての目処はついているのでしょうか。

中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は8日、人民元の完全な交換性達成に向けた明確なタイムテーブルはないが、最終的には資本勘定でも交換性を持たせる計画、と述べた。 人民元の "完全な交換性" を2015年までに実現する計画がある、と報じている。
米連邦準備理事会(FRB)が量的緩和を拡大すれば、中国はどう対応するか、との質問には、総裁は、米国が景気を回復させなければならないことは理解している、と述べた。ただ "金融政策を策定する際には、各国は世界の流動性に及ぼす影響を考慮すべき" とも付け加えています。 いよいよ中国の人民元が公式通貨として為替市場に登場する日が近づいてきたと言う感じですか。 1980年に改革解放の旗上げを行い、飛ぶ鳥を落とす勢いで経済発展を遂げ世界第二の経済大国になりました。 しかし不思議なことながら世界第二の経済大国の通貨は未だに眠ったままです。 通貨政策に対する中国政府の考え方はさておき、2015年に通貨開放が行われれば35年の歳月がかかったことになります。 もう3~4年もすればFX為替市場で話題を独占する日も近いのか。

日銀はスイス中央銀行のような強いリーダーシップが取れないのか?

2011-09-08 06:00:00 | 日記
昨日、会社で中秋節のお祝いの月餅を配りました。 皆、喜んで持ち帰っていきました。

さて日銀白川総裁の定例会見の内容 : 気になったポイントのみ記述

・過去1ヶ月間、世界経済の不確実性は幾分高まった。 8月の緩和策、さまざまな不確定要因を前広に取り込んだ思い切った措置。
・欧州金融システムが不安定化すれば世界経済・日本金融機関に影響を及ぼす。 欧州ソブリン問題は実体経済に影響及ぼしつつある。
・今回会合で追加緩和を決定しなかったとの意識はなく、強力な金融緩和を推進している。
・日銀の緩和政策が量的に不足しているというのは事実に反する。 マネタリーベース対GDP比でみると日銀は先進国で最高。
・量という側面で金融政策の刺激度を測ることは適切ではない。
・海外不確実性と為替・金融市場、日本経済にマイナスの影響与えかねない。 円高を背景に海外でのM&Aいかに増やすかが大事な課題。
・欧州問題、世界経済の大きなリスク要因はG7関係者で認識を共有しなければならない。
・スイスの為替政策はフラン上昇による経済・物価動向への影響を踏まえた措置である。

日銀白川総裁は十分な金融緩和措置を取っているとの認識を改めて表明しています。 残念ながら追加緩和に前向きとはいえない会見内容だったように思われます。 円高対策にもう少し前向きに政策を押し出してくれるかと期待したのですが、肩すかしをくらった感じであり残念でなりません。

ドイツからの話題 :
注目されていた独連邦憲法裁判所の重債務国支援に関する訴訟の判決は、一部独国会議員の訴えを退けて「合憲」との判断を下しました。
"違憲" 判決となれば、ギリシャ救済に赤信号が灯りかねない状況でしたが、これが回避された安心感からユーロが買い戻されてましたが、続報として、同裁判所が ”支援実施前に議会委員会の承認が必要 ”との見解を示したことが伝わると急落してしまいました。

一進一退を繰り返す、いわゆる膠着状態ですかね。 今夜はいよいよバ―ナンキ米議長の講演です。 今夜は何が出る見ものです。

スイス中銀のサプライズ宣言 恵みの雨となるか?

2011-09-07 06:00:00 | 日記
9月12日は中秋節。 もう少しで連休に入ることでもあり、上海市内を探索する計画でも立てるとしますか。

既報の通り、スイス中銀が通貨高抑制のために無制限の外貨購入(=スイスフラン売り介入)をするとの声明を発表したことでスイスフランが急落、ドルスイスの急騰につれてドル円も一時77.6円台を回復するなど、全く予想外のタイミングで外国為替市場にミラクル・サプライズがもたらされました。

スイス中銀が公表した声明文 :
・ユーロ・スイスフラン相場の最低水準を1.20スイスフランに設定する。
・無制限に外貨を購入する用意がある。
・現在のフラン高は、スイス経済に深刻な脅威となり、デフレリスクをもたらす。
・景気見通しやデフレリスク回避に必要であれば一段の措置を講じる用意がある。

ユーロ破綻に向かった暗いニュースが蔓延していた時期でもあり、これは恵みの雨となるか? ドル・ポンド共に上値を追って欲しいところです。 明日、日銀の金融政策会議で何か金融緩和に向けた新たな政策が出ればと思うしだいです。 スイス中銀が力強い楔を打ってくれたことで下値の不安は少し取り除かれたのかと思いたくなります。

しかしながら問題はそんなに簡単に解決出来るものではないことは読者の皆様はおわかりのことと思います。 これで木曜日のバ―ナンキ米議長の講演、20~21日のFOMCの金融緩和政策発動に向けた心の準備が整い始めました。 

筆者は、9月中旬迄に高値があれば積極的に売ってみられることを推奨させていただきたいと思います。


ユーロ危機再燃、不透明感増大!

2011-09-06 06:00:00 | 日記
夏風邪による体調不良も何とか回復に向かいほっとしているところです。 読者の皆様は夏バテによる疲労は出ていませんでしょうか。

ここに来てユーロは夏バテ症候群か、またまた悪材料続出になってしまうのか?

いくつかのトピックスに関して : 9月3日~4日付の報道より 
1)フィランドのカタイネン首相は、ギリシャ向け追加支援に関連して融資保証の見返りに担保を要求するとの姿勢に変化はないとの見解を明らかにしています。

2)格付け会社S&Pの欧州ソブリン格付け責任者は、ユーロ圏共同債について、合同で保証されるものであれば、その格付けは ”最も弱い国” の格付けを反映するだろうとの見解を示す。

3)ドイツではメルケル首相の地元であるメクレンブルク・フォアボンメルン州の州議会選挙で、首相率いる与党キリスト教民主・社会同盟陣営の敗北が確実となっています。

ギリシャ支援をめぐる不透明感、頼みのユーロ圏共同債も高格付けを得られない可能性、ユーロ圏のリーダーであるドイツの政局不安と、週末に伝わったニュースはユーロ売り材料一色と言っていいほどで5日の欧州市場では底値模索の段階に入ってきました。 このまま米国が金融緩和策を打ち出せば一挙に105円を切る勢いではないかと思うしだいです。 

今日から始まる日銀の会合で日本も一足先に金融緩和策を打ち出して何とか円高を阻止していただきたいと願うだけです。

上海での新しい職場と生活環境について。

2011-09-05 06:00:00 | 日記
日本は台風直撃で多大な被害が出ていると聞いていますが、被災地の皆さまには心よりお見舞い申し上げます。 

上海はこの数日間は晴天続きでとても過ごしやすい気候です。 一時帰国したのち上海へ戻って来ましたが、早いもので1か月が経過しようとしています。 8月10日からは日本向け商品の品質管理する会社へ転属となりました。 上海市内ですが、隣の省との境界線ぎりぎりのロケーションであり、周りには工場と民家以外は何も無いところです。 近くに雑貨屋が2~3軒あり、レストランは無く小さな食堂が1軒ある程度です。

会社で一軒家を借りて下さっていますが、大きな家で掃除するのが大変です。 上海の田舎ですが、環境・治安面は非常に良い所です。 会社まで徒歩3分、通勤で歩いていると皆が声をかけてくれる。 この地域では日本人に対する大きな偏見はないように感じます。 特に有難かったのは会社の食堂の料理が醤油味をベースにした味付けで、日本人好みであり上手くヒットしたことです。 中国に27年間常駐していましすが、こんな美味しい食堂は始めてであり長期でも何とかやれるかと思い始めています。

基本の仕事は、日本の小売店/商社相手の仕事であり、技術面・品質面を中心に各工場への指導や日本への情報をタイムリーに送る業務が中心となっています。 毎日のように日本からの来客があり、対応だけでも直ぐに半日1日と経ってしまいます。 グループ会社が数社あり、お客さんが来られる時はグループ会社に足を運び商談に当たっています。 時には上海市内で接待がありますが、飲んだ後地下鉄で1時間かけて帰るのはいささか辛い。 

1日の金融動向の研究は仕事が終わりしだい、3~4時間は情報収集に当たっています。 日曜日だけが1日中ゆっくり腰を据えて考えられる唯一楽しい時間です。 

いろんな地域で仕事をしましたが、やはり上海の物流量は他の地域を圧倒しています。 よくもこれだけの商品が集まるものだと感心するしだいです。 1か月150万点近くの量を処理していますが、現段階では輸入商品であることから未だ為替の影響を受けているようには思えません。 日本の輸出企業が大きなダメージを受け、失業者があふれかえるようになれば消費低迷は避けられないのは明白であり、もう半年位は行けるのではないかと思います。 来春夏商品が終わる時期にどの程度の経済失速が起こっているのかは現段階では判断しにくいところです。 人民元が連日のように高値を追っている現状に加えて、人件費高騰・物価上昇が大きくのしかかり、工場運営はますます厳しさを増しているのは事実です。 

筆者が予想している人民元レート 年末/1ドル = 人民元6.200 来年末/1ドル = 人民元5.800 になった場合は労働集約型産業は極めて厳しい局面を迎えざるを得ません。 中国政府も来年は大きな決断を迫られる事になるでしょう。

今週の為替予想レンジ(9月5日~9月10日)

2011-09-04 06:58:48 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     75.80~77.40
>ユーロ・円   108.20~111.00
>ポンド・円   123.50~126.00

先週の反省
先週は米雇用統計が発表される経済指標ラッシュの材料豊富な1週間でしたが、これだけ相場が膠着するのは、非常に珍しい現象だったのではないかと思います。 9月中迄は膠着状態ではないかと予想し値幅も小さく取っていましたが、ユーロの下値が切れたのが残念でした。

今週のテーマ・指標(大きなイベントのみ)
5日・月曜日 米国祝日(レーバーデー)
6日・火曜日 米8月ISM非製造業景況指数
7日・水曜日 米地区連銀経済報告(ベージュブック)
8日・木曜日 米失業保険新規請求件数/米7月貿易収支/バーナンキFRB議長、講演
9日・金曜日 特にありません/週末にかけてマルセイユG7サミット

特にバーナンキFRB議長発言が注目を集めそうです。 予定されているテーマは ”米国経済見通し:The US Economic Outlook ”となっており、先週発表された一連の米国経済指標の結果を受けて、同議長の米国経済に関する見解がどのようなものになっているかに市場の関心が集まりそうです。

ただし、8月下旬のジャクソンホールでバーナンキFRB議長に当面の金融政策運営について ”玉虫色・結論先送り” という結論を提示されてしまった経緯があります。 今回の議長発言も旗色を鮮明にしないような慎重な言い回しになって、米追加金融緩和の具体的内容等について、またまた先送りにされる可能性が強くなっているように思われます。 9月20日の週に開かれるFOMCは会期を延長するような大本命となって来ている感があり、ここでは為替を大きく変動させない手法で終わらすのではないか。

このほか、今週は金曜日~土曜日にかけてフランスのマルセイユでG7が予定されています。 野田内閣発足後初のG7ということで一応注目ですが、声明文は恐らく ”過度の為替変動は望ましくない” とか、 ”為替相場はファンダメンタルズを反映すべき” といった類の総論賛成的な内容になる可能性が高いと思われる。 先進国一致した協調は得られないのではないかと思われます。

先週の予想で、9月中旬まで膠着状態が継続されると投稿させていただきましたが、1週間の経緯を見ると下げ途中に階段の踊り場を作ってしまいました。 9月20日の週に焦点を合わせると、今週も膠着状態の延長ではあるが、下値を模索し始める展開になろう。 日銀の市場介入はG7サミット前でもあり、単独で介入することは無いのではないかと思われます。

又、欧州中央銀行(ECB)はトーンを変更し、短期的に利上げは行わない方針のようです。 アメリカが金融緩和策をどのような方式を採用するかは筆者にも分かりかねますが、大きく舵を切るようになれば、ユーロも1年間位金利引上げは無理と思います。 

今週は日銀も金融緩和政策を打ち出すと聞いています。 既に70円台に定着して2カ月が過ぎようとしています。 輸出企業は過酷な現状が数値として上がってきている時期だと思われます。 全ての経済指標が大きく引き下げられれば、経済の理論では円安に振れるのでしょうが、今後1~2年を占うアメリカの政策が決まり、効果が出始めない限り円高に歯止めがかからないのは一目瞭然です。

今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

9月8日 バ―ナンキ議長講演 金融緩和策について触れられるか?

2011-09-03 17:00:36 | 日記
今週のドル・円相場は76円台半ばの下値が堅い一方、77円台にのせると上値が重く、目立った方向感の出ない展開となりました。今週は米国の経済指標発表ラッシュのお蔭で非常に材料豊富な1週間でしたが、その割には週足の値幅も約83銭と非常に小さくまとまってしまいました。いわゆる消化不良でいらいらした週ではなかったのではないでしょうか。

振り返ってみると、米8月度の雇用統計は冴えない数値でしたが、その割には底値が硬かったのが印象的でした。米国で景気減速懸念が強まって追加金融緩和期待が根強い中で上値が重いのは納得できますが、これだけ良くない雇用統計に接して、なおドル・円の下値が妙に底堅かったのは何故でしょうか。 来週の展開を予想するにあたり考えられる可能性について列記してみました。

1)本邦通貨当局による介入警戒感が効いている。
2)米国の景気減速と追加金融緩和の可能性が既にかなり織り込まれている。
3)ユーロ・ドルやポンド・ドルなどの他通貨市場では今週むしろドル高が進んでおり、ドル全面安の雰囲気ではなかった。
4)75~76円レベルのドル・円相場には中長期的に見た値頃感を覚える人が結構多い。

机上で仮説を唱えることは可能ですが、正確に検証するのは難しいと思います。 今週、ドル・円相場に現れた違和感を覚えるような膠着状態が長期下落局面の中に偶然生まれた単なる一時休止なのか、相場底入れに向けた啓示なのかは分かりませんが、為替相場が膠着するのはやがてどちらかの方向に大きく動き出す予兆であることが多いため、来週以降の値動きには特に注目したいと思っています。

雇用統計では、多くのエコノミストは非農業部門雇用者数の7万5000人増を予想していたが、増加数がゼロとなったことについて ”今回の結果に基づくと、米国のリセッション入りの可能性は、過去数週間の市場の感触と比べて格段に高まった” とし、市場関係者は次回のFOMCでは何らかの金融緩和政策は打ち出される可能性大と判断してきているようです。。 

前回の投稿で金融緩和政策について考えられる4つの政策案を提起させていただきましたが、今回の雇用統計の結果を見て、量的緩和策第3弾(QE3)実施に踏み切る可能性が高まったとし、これにより調整が入ると考える根拠となり得るとしている。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による資産買い入れが実体経済にどの程度の効果を及ぼすかとの疑念が払しょくされた訳ではありません。
 
来週は大きな指標として、9月8日にバ―ナンキ議長の講演が予定されていますが、金融緩和政策について触れられるのかどうかが大きなテーマとなりそうです?今週の膠着状態から抜け出し大きく舵取りをする週となるのか、目が離せない状況が続きそうです。

今夜発表の米国8月度の雇用統計の行方は?

2011-09-02 07:23:42 | 日記
何年ぶりかの夏風邪で若干の微熱状態が続き体がだるい。 昨日は高いお金を払って薬局で薬を処方してもらったが効果があるのかな?

今夜発表される雇用統計について :
ゴールドマン・サックスのエコノミストは1日、2日に発表される8月米雇用統計の非農業部門雇用者数の予想を従来の5万人増から2万5000人増に下方修正した。

ゴールドマンは顧客向けノートで、8月米ADP雇用者数が予想を下回ったことや、最近のオンライン求人広告の動向が軟調となっていることを理由に挙げた。

8月の失業率については、7月と同じ9.1%とし、従来予想を据え置いているようです。

この数値の内容であると、極端なドル安にはならないのではないかと思っています。 やはり予想通り、今週はレンジ相場で終わりそうです。


8月度の日銀の介入規模が発表される。

2011-09-01 07:56:35 | 日記
上海は過ごしやすい日々が続いていますが、夏風邪を引いてしまい何となく体がだるい感じです。


財務省は31日、2011年7月28日から8月29日までの外国為替平衡操作額(介入額)が4兆5129億円だったと発表した。 その内、政府・日銀が8月4日に実施したドル売り/円買い介入の規模は約4.5兆円に達したとみられている。 

ドル買い/円売り介入の効果について質問され、 ”総括するのはまだ早い” としながらも、 ”投機的な動きについての政府・日銀の姿勢を明確に示せた” と言われていました。 

筆者はこの単独介入について数回投稿させていただきましたが、本当に意味不明のような介入になったことが残念でなりません。 半日も円安に誘導できなかった末に、行って来い相場になってしまいました。 今回の思い知らされたと思いますが、世界同時協調介入でないと威力が持続出来ないことも確信されました。 日本ではいろいろ世界協調について強気の意見が述べられていますが、アメリカがドル安を容認している以上はだらだらとドル安に進むのは避けられないと判断しています。

ドル安対策では、金融緩和に向けた民間資金の外貨転換を促す1000億ドル規模の ”円高対応緊急ファシリティ” や為替トレーダーが保有する外国為替持ち高の報告を主要金融機関に求めることを柱とする ”円高対応緊急パッケージ” が発表されました。 世界協調介入が厳しいのであれば、小出しにでも金融緩和策を打ち出すしか方法が無いように思われます。 

昨夜も一時大きく値を崩し、介入のターゲットゾーンには入りつつあります。 気になるのは明日のアメリカの雇用統計がどのように出てくるのか、そして最悪の場合また戦後最安値を更新するのか? 今夜はいろいろ情報収集してみようかと思っています。