FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

今週の為替予想レンジ(9月19日~9月24日)

2011-09-18 06:00:00 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     75.20~78.80
>ユーロ・円   103.80~108.00
>ポンド・円   120.20~124.00

先週の反省
20~21日のFOMCに焦点を合わせてドル安を想定しましたが、2週連続でユーロとポンドが一気に底が抜けることは想定外の展開となってしまいました。 ドル・円相場は上下大きな誤差なく想定内に綺麗に収まりました。

今週のテーマ・指標(大きなイベントのみ)
19日・月曜日 特に大きな指標はありません
20日・火曜日    〃   〃
21日・水曜日 27:15 米連邦公開市場委員会(FOMC)金融政策発表
22日・木曜日 特に大きな指標はありません
23日・金曜日    〃   〃

さて来週最大の注目材料は、何んと言っても水曜日の深夜27:15に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)の金融政策になります。 ラフにスケッチしてみますと、来週のドル円は月曜日から火曜日にかけてがFOMCの結果受け入れ前の準備体操の期間、水曜日が米FOMCの政策発表本番、木曜日から金曜日はFOMCの結果をフォロースルーする期間という感じになるのではないでしょうか。

<想定される主な米追加金融緩和策>
1)FRBがこれまでに購入した資産の規模は維持したまま、短中期の国債を減らして長期国債に入れ替える ”ツイスト・オペレーション” と呼ばれる政策。
2)民間の銀行がFRBに余分に預け過ぎている準備預金につける利子を減らす ”超過準備預金金利の引き下げ” 政策。
3)FRBが購入する資産の規模自体を膨張させる ”量的緩和第3弾” の導入。
4)インフレ率を明文化する。
5)今回は金融緩和策を見送り現状維持とする。

<ツイスト・オペレーション政策が決まれば>
FRBによる長期国債の購入が増えれば米長期金利に低下圧力がかかる一方、その代わりに短中期国債が売られるとそちらの金利には上昇圧力が発生しますので、ドル円相場への影響は微妙なものになる可能性があります。 米国で10年債の利回りが下がって2年債の利回りが上がった場合、ドル・円相場はいったいどちらに反応すればよいのか迷うかもしれません。 お互いの影響が相殺されてしまったら、あまり動けない可能性もあると思います。 ツイスト・オペではFRBのバランスシート自体は膨張しないため、積極的な金融緩和という感じもあまりしません。 消極的なツイスト・オペの場合はすでにかなり織り込まれている感じもあり、ドル円相場への影響はますます微妙な感じがします。

<超過準備預金金利引き下げの政策が決まれば>
超過準備預金金利の引き下げを決めた場合ですが、このケースでは恐らく満期の短い米国債を中心に金利低下圧力が発生しそうですので、ドル・円相場に一定の押し下げ圧力がかかりそうな気がします。 ただ、8月のFOMCで2013年半ば迄の超低金利政策の継続見通しが提示された後、米国の2年債利回りは一時0.16%台とかなり限界的な水準にまで下がっており、短期ゾーンの金利の低下余地はもうほとんど無くなっている感じもします。 最近の米国債市場の動きをみると、ツイスト・オペの導入観測から長期金利が先行して相当下がっており、この政策だけを提示してツイスト・オペを見送った場合には逆に失望感で長期金利が上るかもしれません。 この場合でも追加的なドル・円相場押し下げ余地は、そう極端には広がらないのではないか?

<量的緩和第3弾の政策が決まれば>
最近は今回のFOMCではQE3まで踏み込んでこないという見方が増えているため、もしもこれが発表されたらサプライズになります。 QE3をやった場合は当然、今後FRBがバラ撒くドルの過剰流動性の規模が一段と膨張することになりますので、量的緩和第1弾や第2弾のとき同様に、かなり強いドル安圧力が発生するのは明白。 よって、ドル・円相場が戦後最安値の更新を試しに行くことは必至の情勢になると思いますが、その時の日本の政策対応次第でドル・円の下ヒゲの先端は変わる可能性があります。 何も対抗策を打たなければ、1ドル=75円をあっさり割り込んで70円台前半に差し込んでも不思議ではないと思います。 現在、日本の為替介入予算は30兆円以上余っているので、これを使って頻繁に介入する姿勢をみせるなら円高の進行速度は和らぐかもしれません。 

<インフレ率を明文化する>
インフレ率目標の水準によって米国の金融緩和の時間軸のイメージが変わるのでドル・円への影響はなんとも言えません。 今のコアインフレの水準である前年比約2%よりも高ければ高いほど想定時間軸が伸びてドル安となり、今の水準に近ければ近いほど総手時間軸が縮まってドル高となる気もしますが、いずれにしても直接的な金融緩和政策ではないため、ドル円もリアクションをとりにくいかもしれません。

<今回は金融緩和策を見送り現状維持>
意外とサプライズなのでドル・円の初期反応は驚いて上昇しそうですが、米国で金融緩和の巻き戻し観測が盛り上がってこない限りは、ドル・円の上値がそう簡単に軽くなるとも思えません。 かりに反発しても1ドル=80円手前では戻り売りが出そうな気がします。

<筆者の大予想 一発大勝負>
最近のアメリカ政府の要人発言や世界金融市場の動向を見る限り、QE3は遠のいた感じは歪めません。 よってQE3は選択肢から削除。 ”ツイスト・オペレーション” か ”超過準備預金金利の引き下げ” のどちらかが決まるか、若しくは両方決まる可能性もあり。 サプライズで金融緩和策を見送る可能性も高い。 よって月曜日~水曜日の発表前迄は膠着状態で下値を徐々に切り下げていく可能性が高いと思われる。 発表までの心理状態により75円台突入は避けられないのではないかと思われますが、75円半ばでは気合を入れて買いに入る。 QE3さえ出なければ自律反発により、79~80円近くまで戻る可能性も秘めています。 運よく噴き上がった場合、すかさずトップを売り込んでみたい。  
 
今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。