FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

来週は米国の話題から再びギリシャ救済に焦点が移るか。

2011-09-24 19:54:48 | 日記
日本は3連休の方も多く、のんびりされているのではないかと思われます。 読者の皆様はどのようにお過ごしでしょうか。 筆者の会社は国慶節前のこの時期が超繁忙期で毎晩11時頃迄仕事に追われ、じっくり世界の金融市場を研究する時間が取りにくい日々が続いています。 もう1週間の辛抱と思い、歯を食いしばって頑張っています。

今週は米FOMCの金融政策に世界の注目が集まり、クロス円を中心に円高色が非常に強い1週間でした。 一向に出口が見えない欧州債務不安を背景に、ポンド・円が一時116円80銭台まで下落して変動相場制史上の最安値を更新したほか、ユーロ・円も一時102円20銭台と2001年6月以来の水準まで下落する場面がありました。 印象的には、クロス・円でこれだけ強烈な円高が進んだ割にはドル・円の差し込みは76円10銭付近までに抑えられており、非常に底堅い印象でした。

今回、米FOMCの決定を受けて米国の金融政策に由来するドル安・円高圧力は、一旦は後退したと考えています。 一部で根強い期待のあった量的緩和第3弾が見送られ、ツイスト・オペの導入のみが提示され、目先の結論が今週提示されたことで、当面は米金融政策を巡る疑心暗鬼相場はいったん終了するとみられます。 来週以降のドル・円相場は、基本的には米国景気の回復力睨みのファンダメンタルズ回帰の色彩を取り戻しつつ、今回のFOMCで提示されたツイスト・オペが米FRBの最後の金融緩和になるのかどうかを探る展開になるのではないでしょうか。

米国の話題は出尽くし、若干安堵した面も見られますが問題はここからです。 来月パリで行われる20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議(G20)までにギリシャ問題で一定の前進をみないと、世界経済の失速感は免れないとの認識を示しています。 2008年のリーマンショックは一つの企業から発信された危機であり、国家がどう救済するかという話でした。 今回は企業では無く一国が破綻されるかどうかとという状態であり深刻度が全く違うし、その解決方法いかんによってはドミノ倒しが始まり世界同時恐慌に陥る可能性を秘めています。

やはりクロス円はユーロ諸国が最終的な結論が見いだせない限り上下に振りながらも、トレンドを徐々に切り下げて行かざるを得ないのではないでしょうか。 今週の初めにユーロ/ポンド共に10年来の最安値を更新するかどうかが重要テーマであると投稿させていただきましたが、意図も簡単に切ってしまったのには驚きのあまりでした。 一部ではユーロ・円は99円台も視野に入って来ているとの報道もありますが、ギリシャの処理いかんでは可能性は高まったと言わざるを得ません。