FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

中国でセメント価格が下げ止まらず、好転の兆しなし。 中国の経済失速がゆるやかに始まるのか。

2011-09-19 06:00:00 | 日記
8月24日付の投稿で北京の不動産取引が右下がりになり始めた内容を書かせていただきましたが、今回は建設資材でも数値的にブレーキがかかり始めてきたようです。

中国セメント協会が発表したデータによれば、2011年6月以降セメント価格の下落が続いていることが判明しました。 好転の見通しは立っていないという。 国内のセメント卸売り価格は、6月には1トンあたり434.79元だったが、8月は同414.03元、9月は同409.84元まで下落している。 特に下落幅が大きい湖南省、湖北省、重慶市では1トンあたり40-50元も値下がりし、1トン235元で取引したメーカーもあるという。
  
重慶の場合、生産過剰が値下がりを引き起こしているようで、重慶セメント協会の統計によれば、今年上半期(1-6月)だけで新たに7本の生産ラインが稼働し、1200万トンを増産。 下半期にはさらに4本の稼働が予定されており、このままでは価格はさらに下がるとの懸念を示しています。

この実態を受けてセメント関連企業の株価も下落しており、特に海螺水泥、冀東水泥、青松建化は大きく値を下げて来ています。 住宅の建設需要には限界があり、融資の引き締めでビルやマンションの着工件数も減っている状況を見るとセメント価格はまだ底を打っておらず、当面は値下がりが続きそうです。

2008年のリーマンショック以後、落ち込む経済の立て直しに中国政府は建設土木需要・消費関連を中心に優遇政策を出し続け、国内経済の復活に当たりました。 見事に経済復興は果たせたものの、ここにきてインフレ上昇に歯止めがかからなくなり、上半期には住宅購入に対して厳しい条件を課すようにもなりました。 この抑制政策が建築資材メーカーに大きくのしかかりはじめたのは明白ではないでしょうか。 人民元の高騰により輸出企業にも影響が出始めている現状に加え、GDPの数値を大きく左右する住宅関連が右下がりになり始めている状態では中国経済にも雲がさしかかり始めていると言わざるを得ません。