FX寺子屋 by 葛勝老師

残りの人生FXに預けた!

今週の世界通貨の動きから。

2011-10-31 06:00:00 | 日記
<人民元 過去最高値を更新>
10月28日の上海外国為替市場の人民元相場は、中国人民銀行(中央銀行)が設定する基準値が最高値更新となったことを受け、対ドルで反発。 欧州債務危機対策がまとまったことで、リスク資産に対する投資が活発化するとともに、ドル指数は急落した。 ドルが非常に軟調なことが主な要因となっているようです。

人民元の対ドル相場の銀行間取引の終値 1ドル=6.3586元 と、前日終値の 6.3595元 に比べ元高/ドル安。 銀行間取引では、最高値更新に失敗し、基準値を下回っての取引となった。 月末に伴い国内企業からのドル需要が強まったことなどが理由という。 現地銀行の見方では月末ということもあり、ドル需要は非常に強かったと指摘しています。 またドル需要を盛り上げた別の要因を裁定取引と指摘しています。 

人民元の年初来上昇率は3.63%、昨年6月の弾力化以降の上昇率は7.35%となっています。

年末迄に、1ドル=6.20元 と言う想定値にかなり近づいて来ました。 産業に及ぼす影響も徐々に深刻になりつつあります。 来年の想定値 1ドル=5.80元 が現実的となるとすれば、先端技術分野の生き残りは可能でしょうが、労働集約型の産業は壊滅状態に陥るのではないでしょうか。 筆者の属している分野は労働集約型であり、厳しい現実に向かい合わないとならない日が近くなりつつあるように思われます。

<ユーロが下落、イタリア国債入札が不調>
28日のニューヨーク外国為替市場ではユーロが下落しました。 イタリアの10年債入札で落札利回りがユーロ導入以来最高となったことが重しとなった。 ユーロ圏の国債入札としては26日の欧州首脳会議後初めてです。 首脳会議では欧州金融安定ファシリティー(EFSF)を約1兆ユーロに拡大することで合意した。 ただ資金の調達方法が不透明なほか、規模に対する懸念も根強いことから、ユーロの地合いは弱いと見ています。

債務が極めて大きく成長率の低い国の高い資金調達コストが根本的な問題で、ユーロ圏の状況は依然として非常に厳しいと言わざるを得ません。 今週は11月3日の欧州中央銀行(ECB)理事会を前に、ユーロが弱含む可能性がありそうです。 また11月1~2日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)にも注目が集まっています。

<今週のユーロの動向から>
・ECBが利下げに踏み切るかどうかがユーロにとって最も重要。
・ユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)の水準は欧州がすでにリセッション(景気後退)入りしていることを示している。 
・ECBが金利を少なくとも1%まで引き下げることは時間の問題のように思われます。

今週の為替予想レンジ(10月31日~11月5日)

2011-10-30 06:00:00 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     75.00~78.00
>ユーロ・円   105.50~108.50
>ポンド・円   121.00~123.50

先週のドル・円相場は、火曜日~木曜日にかけて、3夜連続で海外市場で戦後最安値を更新する場面がみられました。 過去の経験則では、ドル・円相場は円高のときにボラが上がって値幅が広がることが多いのですが、”毎晩数銭刻みのような円高が進行” というのはかなり珍しいパターンだと思います。 今週のドル・円のローソク足は2週続けて未体験ゾーンに下ヒゲを差し込みましたが、1週間もかけて作り込んだ最大高低差は約83銭に収まっています。

週足の値幅が僅かしかないという、これまでのドル・円相場ではあまり類例がない展開となりました。 米国の追加金融緩和期待に根差した根強いドル安観測と本邦通貨当局による根強い為替介入警戒感がギリギリのレベルで拮抗してせめぎ合っているのが基本的な構図ですが、そのバランスが容易に崩れない背景には、景気回復期待と減速懸念が入り混じる中途半端な米国経済の状況が絡んでいるように思います。 

<今週のテーマ・指標>(3つ星以上の大きな指標)
31日・月曜日 米10月シカゴ購買部協会景況指数
 1日・火曜日 米10月ISM製造業景況指数
 2日・水曜日 米10月ADP全米雇用報告 FOMC金融政策発表 バーナンキ米FRB議長の記者会見
 3日・木曜日 米10月ISM非製造業景況指数
 4日・金曜日 米10月雇用統計

週足の値幅が僅か約83銭しかないという、これまでのドル・円相場ではあまり類例がない展開になりました。 米国の追加金融緩和期待に根差した根強いドル安観測と本邦通貨当局による根強い為替介入警戒感がギリギリのレベルで拮抗してせめぎ合っているのが基本的な構図ですが、そのバランスが容易に崩れない背景には、景気回復期待と減速懸念が入り混じる中途半端な米国経済の状況が絡んでいるように思います。

今週最大の注目材料は水曜深夜の米連邦公開市場委員会(FOMC)とその後のバーナンキFRB議長の記者会見、そして週末金曜日に発表される米10月雇用統計になります。

<FOMCについて>
オバマ政権が注力している住宅市場対策を側面支援するための ”住宅ローン担保債券(MBS)の追加購入策” の是非が議論されるとみられています。 今回のFOMCで何らかの追加緩和の可能性が検討されるとの見方が強まっています。 問題は買い取り方法ではないでしょうか。 10月26日の投稿で明記させていただいた内容通り3つのシナリオを準備させていただきました。 筆者の考え方は、結論先送りではないかと見ています。

<10月の雇用統計について>
米10月雇用統計に関しては、ここ数か月は結果が悪くても良くてもドル・円相場のリアクションが30銭前後に抑えられるなど、やや影響力が低下しているように見受けられます。 今秋に入り、米国の金融政策が ”政策金利の水準”、 ”量的緩和の規模” の両面でひとまず現状維持で様子見となっているため、米雇用統計を始めとする各種経済指標へのドル・円の反応がやや鈍くなっているように思います。 しかし来週は米雇用統計の結果発表の前にFOMCが開催されるという並びになっているため、FOMCの結果次第では、その後の米雇用統計がドル・円に与える影響が増幅される可能性もあります。 基本的には米雇用統計の結果が良ければドル・円は上昇、逆なら下落の反応が想定されますが、来週は ”FOMCと雇用統計が同じ週に同居する” という特殊な巡り合わせになっているため、非常にきめ細やかに市場の期待の変遷を追尾した上で、米雇用統計発表当日の売買戦略を考察する必要がありそうです。
 
今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

中国バブル破綻か 温州危機<パート4>

2011-10-29 18:28:22 | 日記
今日の上海は小雨まじりのハッキリしないお天気でした。 中国中央テレビの経済番組から抜粋してみました。

<中国都市部で不動産価格の下落が続いていますが需要は旺盛>
中国都市部の不動産価格が下落している。 中国国家統計局によれば、北京、上海、深圳、広州の不動産価格は7月から9月まで横ばいとなっているものの、これら都市の郊外では不動産価格が30%から50%程度下落していると報じています。。

実際、中国当局による金融引き締めや住宅取引規制の影響で不動産需要は減退傾向にあるが、今後の価格下落を想定し一部不動産デベロッパーが在庫を市場に放出、資金回収に動く例も指摘されており、需給の悪化に拍車をかけている。

不動産価格の下落を背景に、先週、上海では300人近い住宅購入者がある不動産販売会社に集結、住宅価格が買い値の3分の1になったことから直ちに返金に応じるよう要求した。 こうした不動産会社に対する住宅購入者による抗議は複数件発生しているようでした。

上海の不動産価格は横ばいに推移している為、確かに体力のない不動産ディベロッパーは在庫物件を放出して資金回収を行っているところもあるが、全体でみれば価格はほぼ横ばいで推移している。
 当局の施策により需給は悪化傾向にあるが、実際の不動産購入意欲は強く、価格の急激な下落は想定しずらい。 今後半年から1年で最大20-30%程度の価格下落はありうるが、この数値は金融機関が耐えうる想定内の数値。 その後は横ばい、もしくは緩やかに回復していくとの見通しを持っているようです。

温州危機を掲載して4回目となりますが、建築資材価格の下落は右下がりになってきたことは投稿させていただきました。 不動産価格の値崩れによりこのまま地滑り状態に陥るのか、若しくは上記のように緩やかな回復が見込めるのか? 不動産価格/物価上昇を抑える為に金利/預金準備金の引上げで押さえてきましたが、今期のGDPは9.7%から9.1%へと景気成長は小幅ながら鈍化されてきています。 不動産価格の値崩れにより、温州の地下経済が壊滅状態に陥っているようで、かなり厳しい経済の舵取りが余儀なくされ、今後は ”微調整策” の発表が相次ぐ可能性があります。 金融政策の面では、複雑な内外経済環境の下では利下げや預金準備率の引き下げが行われる可能性は小さく、銀行融資の窓口指導の緩和が選択肢の一つに挙がる可能性があります。 人民銀行手形の利回りが低下していることも、人民銀が公開市場操作の微調整に乗り出したことを示していると思われます。

日銀 資産買い入れ基金増額による追加緩和を決定。 しかし止まらぬ円高。

2011-10-28 06:00:00 | 日記
日銀白川総裁の記者会見で ”資産買い入れ基金増額による追加緩和策” を決定しましたが、円高は収まる気配が全くなさそうです。

・追加緩和、円高だけが要因ではない
・追加緩和、欧州ソブリン問題が日本経済に与える影響も加味
・追加緩和、経済の下振れリスクをより意識したほうがいいと判断
・欧州首脳会議合意、財政と金融・実態経済の負の相乗作用防止に意義が大きい
・基金の買い取り機関据え置き、資産買い入れを加速させることが狙い
・新興国ファンダメンタルズ良好だが欧州資金の巻き戻しの影響に注意必要
・円高はメリットもあるが現時点では日本経済にマイナスの影響が大きい
・世界経済の不確実性に対する取り組みが円相場に大きく影響する
・為替政策は内外2年物金利差と相関高いが、現在の円高は安全資産選好が主な理由
・ギリシャ債務削減はボランタリー(自発的)なためCDSのトリガーを引かない

昨日の投稿のように、来週のFOMCの動向を見定めてからの日銀の介入が濃厚になってきたように思われます。 円高阻止に向けた、資産買い入れ基金増額による追加緩和策程度のカンフル剤では全く効果が出ない瀕死の状態に陥っています。 日銀の介入ポイントは、1ドル=75円割れを想定しているのではないでしょうか。 介入の規模にもよりますが、従来の規模であれば3円程度の効果があります。 よって75円で介入し78円まで引き上げれば、昨日の日銀の理論数値78円以上が望ましいと言う判断にも結び付きます。 

果報は寝て待てと良く言われますが、買いは75円を想定してみてはいかがでしょうか?

日銀のドル・円相場の適正値は78円以上を想定。 来週のFOMC後に介入か。

2011-10-27 06:00:00 | 日記
<ドル・円相場の動向から>
昨日、安住財務相が、 ”1ドル=76円台/77円台というのは適正なレートでない” と語ったことを受けて、市場では適正レートは78円以上ではないかとの声が囁かれていますが、残念ながら昨夜のヨーロッパ市場では21日につけた最安値を5銭更新、75.71円の戦後最安値をつけました。

財務相は、24日にはドルが75円台というのは、まさに投機的な動きとの発言もあり具体的な為替レートへの言及が続いている。 言及したレートが短期筋の取引の目安になってしまう場合があるため、市場では困惑する声も上がっている。 昨日も ”必要があれば断固たる措置を取る” と繰り返したが市場は無反応。 ドルが過去最安値を更新し続けているにもかかわらず、これまで介入が入っていないことから、発言によって介入警戒感が大きく高まることはなかった。 むしろ財務相が ”為替相場に対する共通認識で欧米と利害が一致するわけではない、協調介入は大変” と語ったことが注目を集めた。

<米QE3導入は11月のFOMCでなければ来年以降との見方>
市場では、EU首脳会議を受けたリスク回避による円高リスクが意識されているが、そのあとには米量的緩和第3弾(QE3)観測からのドル安の結果としての円高リスクが続くとの声が多い。 昨日も投稿させていただきましたが、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は住宅市場の低迷に言及しており、FRBとしての住宅市場への問題意識は夏からあり、政府が住宅ローン対策に動きだしたこともあり、金融面でも足並みを揃える意味でMBS買い入れによるQE3がありそうです。

決定は来週の11月FOMCでまとまるか、来年以降に持ち越しの可能性もあります。 来週は見送られても、ハト派メンバーからQE3の示唆は今後も出続けるとみられ、ドル売り圧力はかかり続けそうです。 現段階で言える事は、日銀の介入は来週のFOMCの結果により、大きく相場が崩れた時にチャンスがあるように思えます。 もう1週間我慢比べの日が続きそうです。

次回のFOMC 追加緩和策の動向について?

2011-10-26 06:00:00 | 日記
上海も急に冷え込み始め、いよいよ本格的な冬支度が必要となり始めました。 毎日、中国人社会の中で会議・会議の連続で疲れますが、これも試練かと思い頑張っています。

<来週のFOMCで追加緩和策が出るか>
前回9月のFOMC以降の指標は比較的良好なものが多いことから、来週のFOMCで直ぐに追加緩和が打ち出されるのかどうか微妙な感じもします。

追加金融緩和策の一環として、オバマ政権が力を入れる住宅市場テコ入れを支援するために住宅ローン担保債券(MBS)の購入を決定するのではないかとの見方が強まっているようです。 タイミングはともかく、FRBがMBSの購入を決める場合、その買い取り方法が問題になりそうです。 FRB内の要人から住宅市場支援に前向きと受け取れる発言が相次いでいることから、FRBによるMBS買い取りの早期実現観測が強まっているようです。

1)新規に買い取り枠を設ける場合、量的緩和第3弾(QE3)ということになりますので、ドル相場全体に下落圧力が掛りそうです。 この場合、ドル・円相場の戦後最安値圏への再突入の可能性が高まり、日銀による為替介入意思の有無が試される展開になる可能性があります。

2)FRBが現在保有している米国債を売却してMBSの購入に充てる場合、これだといわゆるオペレーション・ツイスト第2弾のような受け止められ方になりそうです。 米国における金融の質的緩和を為替相場がどう評価するかは微妙で、もしかするとあまり影響は出ないかもしれません。

3)FRBが現在保有している米国債の償還金などをMBSの購入に充てる場合、上記のオペレーション・ツイストをより消極的な形でゆっくりと行うことになります。

最近の金融・為替市場のリアクションをみると、11月3日のFOMCでQE3型のMBS購入が決定される可能性の織り込みが、やや前のめり気味に進んでいるような気がします。 しかし実際にはMBSの買い取りは、今回は検討されるものの今回のFOMCでは正式決定までには至らず、当面は超低金利政策の時間軸文言の延長、あるいは時間軸政策継続の条件を失業率水準などで明示するような曖昧な形で終わらすかもしれません。

今後、どのような政策がマーケットの期待値として織り込まれていくのか見定め、出てきた結果に慌てず対処していただきたいと思います。

EU首脳会議の過剰な期待は失望につながる可能性大。

2011-10-25 06:00:00 | 日記
上海外為市場で、人民元は対ドルで続伸しました(終値6.3754元)。 11月3/4日にフランスのカンヌで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議まで、人民元が上昇する可能性が高そうです。 7月に投稿させていただきましたが、年末までに1ドルが6.2元と言う数値にかなり近づいてきました。

<ユーロの動きから>
今月23日に続き、26日にも予定されている欧州連合(EU)首脳会議で、ユーロ圏の債務危機解決への道筋がつくとの見方も出ているが、過剰な期待感は大きな失望につながると警告したい。  欧州系銀行の自己資本増強の原資をどこに求めるのか、という点で独仏両国の溝は相当に深そうだ。 また、ギリシャ向け第2次支援策で民間負担を増加した場合、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の請求権が発動されるかどうかという金融システムにかかわる問題も不透明で、それに対する方策も依然としてはっきりしません。 このためEU首脳会議では大枠だけを決めて、合意できない点は協議を継続する "先送り戦術" が展開される余地もあると予想されます。

23日のEU首脳会議で、欧州系銀行の資本増強については大筋合意し、必要な資金額は1000億─1100億ユーロになるとの見通しがEU関係者から出ている。 国際通貨基金(IMF)の査定ではすでに2000億ユーロ規模の増資が必要との見解を示しており、その半分程度で果たして十分な規模であるのか、厳格な資産査定の結果が公表されていないだけに、時間の経過とともに市場が懸念を示す可能性が高い。

また、ドイツや北欧諸国など一部を除いてユーロ圏各国の財政悪化が顕著になっており、財政資金による銀行への資本注入は、欧州各国の一段の財政悪化を招くことになる。 欧州各国は、2008年9月のリーマンショック以降、民間の需要不足を国債発行による公的需要に置き換え、経済的痛みを緩和してきた。 その結果、ギリシャを筆頭にPIIGSの重債務国で財政悪化が深刻化。 流通市場で国債価格の下落が進んだ。

それらの国債を保有する銀行の資産劣化が進み、自己資本不足に陥り、市場での資本調達が困難であるため、公的資金による資本増強の選択肢が浮上。 EU首脳会議で、その路線が承認されるところまできた。 しかし、よく考えてみると、問題の起点は国家財政の悪化であり、その悪化の連鎖で銀行経営が行き詰まった。 自己資本を公的資金で補てんしても、問題の解決にはならないのではないか。

<ドルの動きから>
安住財務大臣の発言として :
・為替相場があまりに一方的に偏るのは問題
・投機的な色彩が強まっていれば、断固たる措置をとらなければいけない
・海外当局との調整などを含め、政府が再度の円売り介入へ向けた準備に入ったことを明言

昨日の市場の動きを見てみますと、口先介入では市場はほとんど反応しない状態となっています。 スイス中央銀行のような上限ラインの設定か、日銀の介入がなければこのまま75円位迄落ちても不思議ではなさそうです。

今週の週間見通し <ソブリン・リスク回避の円買い> vs <日銀による円売り介入の攻防>

2011-10-24 06:00:00 | 日記
一昨日、中国のネット販売でダウンベスト(始めてなのでユニクロの商品)を購入してみました。 翌日には配達してくれ、顧客対応/物流のスピードもしっかりしてきたと思いました。 ダウンの量が多いわりに商品も安く(元84=約1000円)品質においても満足出来るものでした。 徐々に冬支度もしないとならず、市内まで行くには不便であり、ネット販売である程度信頼がおける会社の商品を買うのも一つの選択肢かと思い始めました。

<中国の対外金融資産の状況について>
国家外貨管理局はこのほど、2011年6月まで国際投資ポジション(IIP)の統計データを発表しています。
対外金融資産 : 4.61兆ドル  対外金融負債 : 2.63兆ドル  対外金融純資産 : 1.98兆ドル 
対外金融資産の内訳 : 対外直接投資 0.33兆ドル 証券投資 0.26兆ドル その他の投資 0.75兆ドル 準備資産 3.27兆ドル
数年前の対外金融資産と対比してみても内容が充実されてきたことは明白です。

<今週の為替の動向から>
ドル・円相場は一進一退を繰り返しながら膠着状態を続けてきましたが、先週の金曜日の夜に突如起こった英系銀行筋やファンド筋によるまとまった規模でのドル売りにより円は戦後最高値をつけましたが、今週の為替相場にどのような影響を与えるか検証してみたいと思います。

円買い要因
>ユーロ圏首脳会談でギリシャの債務問題に対する解決策が打ち出せなかった場合
>米連邦制度準備理事会による追加金融緩和観測が台頭した場合
>日本政府の円高是正対策への失望感
>米国下院で対中制裁法案が可決された場合
 ・米中貿易戦争が勃発する可能性が高まり、中国による米国債売りを招く

円売り要因
>日銀による断続的な円売り介入
>日銀による国債購入の増額
>日銀金融政策決定会合での追加金融緩和策
>ギリシャ支援に絡む円売り要因
 ・国際通貨基金(IMF)は、ユーロ圏への金融支援を強化するために、融資枠を1.3兆ドル程度増額
 ・欧州金融安定化基金(EFSF)の増額をめぐり、日本政府も追加購入示唆
>本国投資法が前向きに審議が始まった場合
 ・米企業が海外で得た利益を本国に還流する際に課せられる税金の優遇措置

円高リスクがあるとすれば、欧州債務問題で金融市場が動揺して株安となり、米国で追加緩和の議論が高まって米金融緩和の時間軸がさらに伸びるケースが想定しうる。 例えば米金融当局が、失業率が7%以下になるまでは超低金利を続けるというコミットメントをした場合は、米金利が、特にドル・円相場と相関の高い2年、5年ゾーンで一段と低下し、日米金利差縮小から一段と円高が進むことが考えられる。 ただ、金曜日のケースではユーロが持ち直し、株安になっていないので、そうした事態には及んでいない。 
上記の通り、今週の円買い・円売りの考えられる内容を列記させていただきましたが、最終的にドル・円は <ソブリン・リスク回避の円買い> vs <日銀による円売り介入の攻防> につきると思われます。 

今週の為替予想レンジ(10月24日~10月29日)

2011-10-23 06:00:00 | 日記
今週の為替予想レンジ

>ドル・円     75.50~78.50
>ユーロ・円   104.50~108.00
>ポンド・円   120.00~123.50

金曜日のNY市場では、目立ったイベントが無い環境下でドル・円が過去最安値まで下落してしまいました。 材料難の金曜日だったこともあり、膠着状態のまま終わるかと思いきや不意打ちを食らわすかのように油断している時に限って急に動意づく。 ただ、前回の安値を下回った直後にドル安が勢いづかず、すぐに反発したのは当局の介入警戒感などが背景ではなかろうか。

<今週のテーマ・指標>(3つ星以上の大きな指標)
24日・月曜日 フィッシャー米ダラス連銀総裁講演 ダドリー米ニューヨーク連銀総裁講演
25日・火曜日 米10月コンファレンスボード消費者景気信頼感指数
26日・水曜日 米9月耐久財受注 米9月新築住宅販売件数
27日・木曜日 米7ー9月期国内総生産(GDP)統計
28日・金曜日 米9月ミシガン大学消費者景気信頼感指数

11月3日、FOMCの金融政策発表を来週に控え、来週半ば以降FRBの要人は金融政策絡みの発言自粛期間に入るとみられます。 米国の経済指標関係では7-9月期のGDP速報が最も注目されそうです。 ただ、最近は米国で  ”QE3の追加が必要なほど景気は悪くない一方、QE2の巻き戻しが必要なほど景気が良くもない” という中途半端な景況感が形成されているため、これら一連の米経済指標がよほどどちらかに偏った結果にならない限り、米国の金融政策絡みの思惑に由来したドル・円相場の動意を期待するのは難しいかもしれません。

来週になれば米連邦公開市場委員会(FOMC)と米10月雇用統計という超ビック・イベントが控えています。 よって、今週のドル・円相場は11月月初の米国市場の2大イベントを目前にした準備体操期間のような雰囲気になることも考えられます。 先ず月曜日は日本政府や日銀の顔色をうかがうところから始まりそうですが、意外と動意薄の雰囲気が強まる場合には、米国発の材料に膠着打破の役割は期待しにくいように思われます。

<今週の注目点>
ドル・円が過去最安値を更新したが、基本的には投機筋の動きである。 ドルの下値を支えていたオプションが期限を迎えたところに、欧州連合(EU)首脳会議を前にユーロ・ドルが買われてドル売りの流れが出来ました。 さらにストップロスを巻き込んで最安値をつけたが、ファンダメンタルズに基づいた動きではない。 今後は介入警戒感も働くほか、来週は当局からも口先介入が入るとみられ、このまま一本調子でドル安・円高が進むとはみていない。

円高リスクがあるとすれば、欧州債務問題で金融市場が動揺して株安となり、米国で追加緩和の議論が高まって米金融緩和の時間軸がさらに伸びるケースが想定しうる。 例えば米金融当局が、失業率が7%以下になるまでは超低金利を続けるというコミットメントをした場合は、米金利が、特にドル・円相場と相関が高い2年、5年ゾーンで、一段と低下し、日米金利差縮小から一段と円高が進むことが考えられる。 ただ、前日のケースではユーロが持ち直し、株安になっていないので、そうした事態には及んでいない。

もう一つ注意したい点として、26日にも追加のEU首脳会議が開催される事が伝わっており、ここで欧州債務問題が解決に向け評価に値する具体策が打ち出されるようであれば、トレド相場を形成する可能性も秘めていますので要注意です。
 
今週も読者の皆様には爆益がありますようにお祈りいたします。

ドル・円相場は戦後最安値を更新 来週は政府・日銀の口先介入か実弾介入か?

2011-10-22 15:45:36 | 日記
10月も下旬になり、上海も最近は朝夕が冷え込み始めました。 私は11月下旬、新潟へ出張が控えていますが、かなり寒くなっていることでしょう。

さて、今週のドル・円相場は、金曜日のNY市場序盤に一時75.78円前後と、戦後最安値を更新する場面がありました。 その後は本邦通貨当局による介入警戒感もあって76.20円台に買い戻されましたが、週足は2週間ぶりの陰線を記録しました。

市場関係者によると、英系の決済銀行筋やマクロファンド筋から大口のドル売りが出てドル安・円高が進み、その後76.30~75.90円近辺のストップ注文を巻き込む形でドル安・円高の動きが加速しました。 特定の材料があったわけではなく、日銀が円安政策を導入しないことに一般投資家が業を煮やした格好となりました。 スイスでは9月に中銀がスイスフランの上限目標を掲げ、目標達成に向け必要に応じて無制限の介入を実施する方針を示しており、日本の通貨当局もスイスにならう可能性があるとの見方から、最近の円相場は上昇に一定の歯止めがかかっていました。

昨夜は突如の下落が始まったかと思いきや、8月につけた最安値の75.94円をあっさりと更新してしまいました。 その後は邦銀からとみられるドル買いが76.00円の水準で入るなか、ドルはやや値を戻し、0.9%安の76.15円近辺で推移。 一日の下げとしては8月26日以降で最大となる勢いでした。

このまま政府・日銀が円高対策・為替介入の手を打たなければ、ドル・円相場は膠着状態を抜けだし今後75.50円をつける可能性も秘めてきました。

昨日は材料難の金曜日だったこともあり、 ”今週もドル円は膠着したまま終わりそうだ” とみる向きが多かったと思いますが、 ”油断している時に限って急に動く” という相場の怖さを改めて認識させられた一幕でした。 印象的には8月19日の記録した最安値75.94円の安値を更新したわりには、下ヒゲの差し込みがもっと生じるかと思っていましたが、日銀の介入を意識してか意外と下に走らなかったように思われました。

昨晩のドル・円の急落劇は特殊な需給先導されたという色彩が濃厚で、 ”米国経済指標の明らかな悪化” などのファンダメンタルズ系の期待の変化に促されたという印象は薄いように思います。 一部の報道では欧州債務懸念により最安値をつけたと言われていますが、昨晩は欧米の株価や国際商品市況が値上がりしているほか、主要欧州通貨は対ドルで上昇しており、昨晩の円高の説明を欧州債務懸念に求めるのはあまり的を射ていないように思います。 特殊な需給中心の動きだったが故に、本邦通貨当局による為替介入への警戒感もあって、戦後最安値を更新するという目先の目的達成後は、すぐに買い戻されたのではないでしょうか。

昨日、政府は第3次補正予算による介入可能資金枠の15兆円の増枠や円高対応策の強化を閣議決定し、”一方的に偏った円高の動き” に対しては ”あらゆる可能性を排除せず、必要なときには断固たる措置をとる” と明記しましたが、皮肉なことに、よりによってその日の夜にドル・円相場が戦後最安値を更新した訳です。

来週は先ず本邦政府要人による口先介入が行われると思いますが、市場はそのリアクションいかんによっては実弾投入の可能性が一番高まったのではないかと思われます。

欧州金融安定ファシリティ(EFSF)のガイドライン

2011-10-21 06:00:00 | 日記
今週は、円高対策法案が出されると言う噂で先週末は騒がれましたが、週末になっても音無しの構えです。  パナソニックはTV事業縮小・工場売却・停止、1000人超削減する旨を発表。 輸出企業にとっては、重くのしかかる円高の影響をもろに受け、事業再編成に追い込まれつつあります。 

<ユーロの動きから>
欧州金融安定ファシリティ(EFSF)ガイドラインの草稿として :
・EFSFは、ユーロ圏加盟国が債務の持続可能性があり、債務削減にコミットし、経常収支が持続可能な場合に流通市場での国債購入が可能
・EFSFは、ユーロ圏加盟国の銀行の支払い能力に問題がなく、適切な借入コストの実績がある場合、流通市場での国債購入が可能
・EFSFは、ユーロ圏加盟国が要請し、欧州中銀(ECB)とユーロ圏財務次官が同意した場合、流通市場での国債購入が可能
・欧州委員会とECBは、流通市場での国債購入の機関や、その条件となる財政調整や改革について規定したユーロ圏諸国との合意文書を、今日明日中に準備
・EFSFの流通市場での国債購入可能金額は、EFSFの融資能力残高と同等とする
・流通市場で購入した国債は、市場での売却や償却までの保持、発行体への売却、レポでの使用などが可能

国際通貨基金(IMF)が ”ギリシャ債務の持続性について欧州中央銀行(ECB)や欧州連合(EU)とは異なる意見を持っており、次回融資の実施前により明確な見通しを求める” との見解を示したと伝えられています。 欧州の債務問題を巡る報道は日々二転三転を繰り返していますが、ギリシャ債務問題の最終決着案が完成するまでの間は、トロイカ調査団が時間稼ぎに必要なつなぎ融資の審査にあたるとみられており、その内部での不協和音や仲間割れ懸念を煽るような報道は、真実だとすれば好ましいものだとは言えません。

ドル・円相場は依然として膠着状態。 

2011-10-20 07:43:29 | 日記
今年9月のドル・円相場は月足の最大値幅が約1円75銭しかなくて2000年代最小の値幅という地味な大記録を樹立しましたが、今月これまでのところ、ドル円の値幅は1円40銭程度に収まっており、一段と膠着感が強まっています。 投資家の皆さまはあまりにも膠着状態に落ちっているのでいらいらされている方が多いのではないかと思います。

<米地区連銀経済報告(ベージュブック)から>
・多くの地区で9月に経済は引き続き成長、だがペースは緩やかか僅かと認識
・業況見通しの先行きは全般的に弱いか確実性が低下
・個人消費はほとんどの地区でやや上向いた
・多くの地区で雇用や設備投資の計画が抑制
・住宅・商業不動産は引続き全般的に弱い
・大部分の地区でコスト上昇圧力は弱まった

筆者の知合いに、このような膠着状態の相場が一番儲かると言っていたのを思い出しました。 今週のレンジ相場で有れば76.6~77.40位であり、76.6台の底値付近でかなりの枚数を投入し、30-40銭の利益で撤収。 トレンド相場になれば思い切った数量が投入出来ないが、レンジ相場は安心だと言い切っていました。 下値に不安が無い分だけ、枚数勝負が出来るのが醍醐味のようです。

ユーロの急上昇は市場のメカニズムによって踏み上げ相場を形成。

2011-10-19 06:00:00 | 日記
このところ上海は晴天続きで非常に過ごしやすい日々ですが、朝晩はセーターが必要な状態になってきました。

<ユーロの動きから>
この10日間のユーロ急上昇の主因は、下落を見越したポジションが10月初めにぎりぎりまで積み上がったことに起因していると見ています。 どのトレーダーにも、保有できるポジションには上限がある。 市場の過半数が同じ方向に傾くと、相場をそれと同じ方向に動かすニュースや経済指標に対して反応できなくなる。 もっと言えば、ショートに傾いた市場は悪いニュースや弱い経済指標への反応が限られる。 良いニュースや強い経済指標の方が反応しやすくなるのだ。 10月1日以降のユーロ/ドル相場がこのケースだった。

同日以来、リスク回避のポジションが日々踏み上げられてユーロ/ドルは一本調子で上昇してきた。 強い米雇用統計が上昇に拍車を掛けたが、ユーロ圏から伝えられる報道は相変わらず暗く、ユーロ上昇の大半が踏み上げによるものだったことがうかがえる。

ドイツのショイブレ財務相が、10月24日の欧州連合(EU)首脳会議でユーロ圏債務危機の抜本的解決策は示されないと述べ、多くの人々が恐れていたことを確認したことで、ユーロの上昇余地は限られるとみてよさそうです。 ただ10月20日には、ギリシャ追加緊縮案が可決される可能性が高く、反落しかけたユーロが息を吹き返す可能性もありますので注意したいところです。
 
<ドルの動きから>
米国では中途半端な景気回復期待と中途半端な景気減速懸念が微妙に絡み合っていて当面の金融政策運営に関するFRB内部の有識者達の意見が割れています。 米国の政策金利はしばらくゼロ近傍に据え置きで動きそうになく、量的緩和も第2弾でひとまず打ち切られて現在はバランスシートの中味の入れ換え政策のみが実施されるなど、米国の金融政策への期待の変化に先導されて基本的な方向感を作り込んできた近年のドル・円相場にとっては、非常に動きにくい環境になっています。

いずれどこかで動き始めるのでしょうが、最近の米国経済指標をみるにつけ、金融政策の次の一手がどちらなのかの判断するのに十分な状況証拠は出揃っておらず、だからこそ相場はこんなに長い膠着状態から脱却できないでいるとみられます。

ユーロ圏債務危機緩和には時間が必要。

2011-10-18 06:00:00 | 日記
昨日は誕生日でしたが、上海で一人寂しく過ごしました。 以前は歌を歌いながら馬鹿騒ぎした時期もありましたが、今はもっぱらコンピューターだけがお友達状態に陥ってしまいました。

<ユーロの動きから>
17日の欧州外為市場では、ユーロの対ドルでの上昇が一転し、この日の安値に下落している。 ドイツのショイブレ財務相が、欧州連合(EU)首脳会議ではユーロ圏債務危機の最終的な解決策は提示されないと発言したことがユーロ売りを誘った。 また、発表されたドイツ連銀の月報で独経済の悪化見通しが示されたことで、市場の楽観的見方がやや後退したことも背景。

また欧州銀行の自己資本基準は9%で合意と予想。 23日のEU首脳会議で包括的な解決策が示されるとの期待がハシゴを外された上に、次回のストレステストの条件が最も厳しいものになる事を示唆したことで、多くの大手欧州銀行が資本不足を指摘される可能性が高まります。

<G20財務相・中央銀行総裁会合>
G20財務相・中央銀行総裁会合は特に成果を上げることなく終了した。 今回は為替について十分な議論がなさせる情勢ではなかったとみている。 一方、ユーロは欧州情勢に具体的な進捗や事態の改善がないまま、期待が先行する形で上昇してきた。 上昇の原動力は、ユーロ・ショートの損切りや利食いの買い戻しなどショートの巻き戻しだった。 今後ユーロが1.4ドルを上抜けするには、期待のみならず内容を伴う事態の改善が必要となるだろう。

今週のユーロ圏のイベントとしては、20日に予定されるギリシャ追加緊縮案の採決が重要。 可決が見込まれるが、与党内でも反対論が出ているだけに否決されるリスクも無視できない。 このイベントを前に、ユーロの上値が重くなり、まとまった売りが出る可能性もあるとみている。 23日にEU首脳会議で「包括的戦略」を発表する予定だが、包括的戦略の難航を示唆するヘッドラインでユーロ売りのタイミングを探る展開が想像しやすい。

先週、ユーロ圏債務危機が緩和されたかのような動きでしたが、まだまだトンネル抜けだすことは厳しいようです。 しかしながら今週はギリシャ追加緊縮案が可決されることを想定した買いが入る可能性もあるので注意しておきたいところです。

中国バブル破綻か 温州危機<パート3>

2011-10-16 14:26:37 | 日記
昨日は雲ひとつない快晴の秋空。 久しぶりの休みでゆっくり本をよんだり、考え事をして過ごしました。 今日は筆者の誕生日でもあり、今迄の人生を振り返ってみて自分の履歴の中で、誇れるものは何かと考えてみました。 やはり筆者にとっては中国との係わりが深く、日本人として中国滞在日数(27年間)だけは記録を更新しているのではないかと思っています。 広島カープの衣笠選手のように、誰しもが出来ないような前人未踏の出場記録(滞在記録)を残して引退したいと考えています。 

<温州危機について>
民間資金を発端とした金融危機に揺れる浙江省温州市で、地元政府が中小企業の救済に乗り出した。 企業再建を目的とした特別融資や減免税措置などを行う。13日付で発表しています。

同市財政局は、地方税制度に新たに17項目を追加して対応する方針で、企業の再編促進や各種税金の減免などが含まれる。 同省国税局も中小企業の減税政策を実施するとしており、短期と長期それぞれの政策内容について意見を募集する見通しとの事です。
  
今月3日には事態を重く見た温家宝首相が、中国人民銀行の周小川行長・財政部長の謝旭人などと共に同市を視察。 地元政府に対し、経済や金融情勢の安定に向けてあらゆる手段を講じるよう指示されています。
  
温州銀行業監督管理委員会によれば、現在の不良債権額は巻き添えになった分を含めると38.58億元に達するが、金融機関の不良債権率は0.37%で、2011年初めより0.07%減少している。 問題は、今回の温州危機は表面的には38.58億元の不良債権額で、経済規模からすると全中国の経済規模から見ると恐れるに足りないと思いがちです。 しかし中央テレビ経済番でも見ましたが、浙江省全体が地下金融組織で成り立っているような黒い部分が有り、この地下金融組織が北京・上海の不動産バブルに火をつけたとされています。 この地下金融組織が大きく傷み、資金ショートを引き起こしています。 

北京・上海の不動産価格は高値で止まっていますが、鉄・セメント価格が既に右下がりのカーブを描き始めていることを考えると不動産バブルの破綻も時間の問題ではないかと感じています。 最近の上海A株市場も低迷、先週発表された物価指数(CPI)は6.2%の上昇、人民元は最高値を更新中。 仮に不動産バブルがはじけ、金融政策の舵取りを一歩間違えると奈落の底に落ちる可能性さえ秘めています。 

筆者が勤務する会社へ毎日のように日系企業に勤めるローカルスタッフの方が来社されますが、地方から出て来た人は上海では家が持てないと嘆いているのが現状ではないかと思います。 日系企業に勤めているローカルスタッフは高給取りですが、それでも市内から2時間の場所でしか家が買えないと言っています。 ちなみに市内から地下鉄・バスに乗り継ぎ、2時間の場所で100平米/160万元(2000万円)の相場で推移。 ローカルスタッフの給与は元7000~元10000(87500~125000円)。 当然、親からの援助もありますが、日本と違って金利も高く気の遠くなるような支払いが延々と続くそうです。 上海の不動産価格は日本より高いと言わざるを得ない状況ではないかと思います。