FX寺子屋 by 葛勝老師

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9月8日 バ―ナンキ議長講演 金融緩和策について触れられるか?

2011-09-03 17:00:36 | 日記
今週のドル・円相場は76円台半ばの下値が堅い一方、77円台にのせると上値が重く、目立った方向感の出ない展開となりました。今週は米国の経済指標発表ラッシュのお蔭で非常に材料豊富な1週間でしたが、その割には週足の値幅も約83銭と非常に小さくまとまってしまいました。いわゆる消化不良でいらいらした週ではなかったのではないでしょうか。

振り返ってみると、米8月度の雇用統計は冴えない数値でしたが、その割には底値が硬かったのが印象的でした。米国で景気減速懸念が強まって追加金融緩和期待が根強い中で上値が重いのは納得できますが、これだけ良くない雇用統計に接して、なおドル・円の下値が妙に底堅かったのは何故でしょうか。 来週の展開を予想するにあたり考えられる可能性について列記してみました。

1)本邦通貨当局による介入警戒感が効いている。
2)米国の景気減速と追加金融緩和の可能性が既にかなり織り込まれている。
3)ユーロ・ドルやポンド・ドルなどの他通貨市場では今週むしろドル高が進んでおり、ドル全面安の雰囲気ではなかった。
4)75~76円レベルのドル・円相場には中長期的に見た値頃感を覚える人が結構多い。

机上で仮説を唱えることは可能ですが、正確に検証するのは難しいと思います。 今週、ドル・円相場に現れた違和感を覚えるような膠着状態が長期下落局面の中に偶然生まれた単なる一時休止なのか、相場底入れに向けた啓示なのかは分かりませんが、為替相場が膠着するのはやがてどちらかの方向に大きく動き出す予兆であることが多いため、来週以降の値動きには特に注目したいと思っています。

雇用統計では、多くのエコノミストは非農業部門雇用者数の7万5000人増を予想していたが、増加数がゼロとなったことについて ”今回の結果に基づくと、米国のリセッション入りの可能性は、過去数週間の市場の感触と比べて格段に高まった” とし、市場関係者は次回のFOMCでは何らかの金融緩和政策は打ち出される可能性大と判断してきているようです。。 

前回の投稿で金融緩和政策について考えられる4つの政策案を提起させていただきましたが、今回の雇用統計の結果を見て、量的緩和策第3弾(QE3)実施に踏み切る可能性が高まったとし、これにより調整が入ると考える根拠となり得るとしている。ただ、米連邦準備理事会(FRB)による資産買い入れが実体経済にどの程度の効果を及ぼすかとの疑念が払しょくされた訳ではありません。
 
来週は大きな指標として、9月8日にバ―ナンキ議長の講演が予定されていますが、金融緩和政策について触れられるのかどうかが大きなテーマとなりそうです?今週の膠着状態から抜け出し大きく舵取りをする週となるのか、目が離せない状況が続きそうです。