佐藤匠(tek310)の贅沢音楽貧乏生活

新潟在住の合唱指揮者・佐藤匠のブログです。

三条市民オペラ協会第1回公演 オペレッタ「大どろぼうホッツェンプロッツ」

2008年02月23日 01時44分17秒 | クラシック

 

 2月16,17日、

三条市民オペラ協会による第1回公演。

初日を見ました。

 

 オペレッタ「大どろぼうホッツェンプロッツ」

 

 原作:プロイスラー

 作曲:安藤由布樹

 台本:三条市民オペラ協会編

 

 芸術監督:磯辺省吾(演出・指揮)

 振付:小林明子(演出補佐)

 

 キャスト:吉田敦、佐藤まどか、櫻井綾、西澤哲司、

      市野瀬京子、西村邦明、桑原純子

 三条オペラ合唱団

 三条オペラ・キッズ

 アキコバレエアソシエイション

 三条オペラ・アンサンブル(石丸涼子、片野大輔、山家慶子、山田玲子)

 

 

 とにかく、これだけのことを行ったこと自体に対して、

まず敬意を払わないといけないと思いました。

別で関わったことのある経験者として、

オペラは本当に大変です。

ぜひ、良い形で継続していってほしいですね。

 

 

 その上で、見た感想を率直に。。。

 

 

 三条市中央公民館のホール、

初日の入りは7,8割くらいでしょうか。

あらすじ等は書きませんが、

やわらかい内容のオペレッタです。

 

 

 まず、これは個人的な感想。

オケに、ヴァイオリンが一本ほしいなと思いました。

サウンドがやわらか過ぎるかなと。

 

 

 で、期待を込めて言うと、

全体を通じでもったいないなという印象がありました。

一言で言うと、「哲学、ポリシーはどこに」ということです。

 

 

 まず、作品選択。

これは慎重な選択が必要だと思いました。

まず、その題材によって何をしようとするのか、

新聞記事やプログラムを読んだところ、

若い子どもたちにも楽しめるようにということがあったようです。

しかし、15分の休憩2回を挟む全2時間45分の内容。

長いです、正直。2度の休憩にも必然性を感じませんでした。

子どもが見るにはちょっと長すぎると思いました。

 

 

 また、大人が楽しむには、音楽が少ない。

根本的に数が少なすぎるということです。

台詞で繋いでいたんですが、

台詞部分が多すぎるて冗長な感じがありました。

 

 

 そして、市民参加という部分。

合唱の出番が少なすぎると思います。

最初と最後にとってつけたような場面。

市民オペラにおいて合唱の役割は”色々な意味で”大きいです。

だからこそ、もっと場面を、やりがいのある部分をと思いました。

 

 

 長さを感じたと言う部分、

演技についてですが、個々人は非常に頑張っていたと思います。

ただ、おそらく費用的な部分があると思いますが、

”やりとり”での演技が不足していた気がしました。

個人個人の台詞回しや演技で楽しませようとする反面、

台詞の掛け合いやテンポ感での面白さが少なかったです。

余計冗長に感じた部分です。

 

 

 多くの市民参加にするという意味では、

バレエを取り入れたのは良かったと思います。

ただこれをするなら、より作品選択を慎重にするべきかと思いました。

 

 

 うーん、辛口ですが、

もったいないんですよね、哲学が感じられないところが。

誰に見てほしいのか、何を目指そうとしているのか、

上演の節々から伝わってくるものが観たかった気がします。

 

 

 とはいえ、

この灯を消さないでほしいですね。

市民オペラは、どこの地域でも、

大変な苦労の下に成り立っています。

その目的を明確にすることが、

他の団体との差異に繋がると思いますし、

他の団体への刺激にもなると思います。

今後の活動に期待しています。