プロフィールにも書いていますが、
一応教育大学で声楽を学びました。
”一応”というのが実はミソです。
大学へ入学した時、先輩方から、
「専攻はなに?」
と聞かれると、
ほぼ必ず、
「”一応”声楽です」
と答えていました。
多くの反応は
「えー、見えないね」
「ピアノ科かと思った」
といったところでした。
当時は今よりかなり痩せていて、
とても声楽専攻に見えなかったのでしょう。
それに加えて、僕は声にコンプレックスがありました。
音楽をするためには、
何で入ったら良いか?
スパルタ教育が普通の音楽環境ではなく、
”何となく”ピアノを続けていた自分。
当初から音大とか目指していたら
もっと勉強してたんでしょうが、
まあ、練習しませんでした。
1回も練習しないでレッスンとかザラにありました。
で、ピアノは無理だと思っていました。
でも、実技で入りたい、
音楽専攻なら、やっぱり実技がしたい、
そう思って、残ったのが声楽でした。
親譲りの弱いノド、鳴らない声帯、
話していると「えっ?」って聴き返される声(苦笑)、
とにかくコンプレックスで一杯でした。
大学に入るためとはいえ、
何で声楽を選んでいるんだろう、
ずっとそう思っていました。だから、”一応”と。
そんなことだから、
あまり熱心には練習しませんでした。
むしろ、ピアノのレッスンから解放され、
ピアノばっかり弾いていました。
だから、「ピアノ科」って言われたんですよね(苦笑)。
そんな有様だったのですが、
一応歌い続けてきました。
大学院では、専攻の傍ら、副科扱いでレッスンを受け、
就職後は、オペラやったり、レッスンを受けたり。
合唱団でしか歌っていない時期もありましたが、
今、少ない時間ですが、一人でちゃんと練習しています。
場所確保が難しい声楽ですが、
今はほぼ自由に使える場所があります。
そして、今もヘボな声に変わりありませんが、
ようやく、ようやく、少しずつ分かってきました。
支えのこととか、ノドが開いた状態とか。
今、歌うのが楽しいです。
コンコーネなど練習曲をやったり、
簡単な歌曲を歌っています。
あくまで自己満足ですが、続けていて良かったなと。
自分の基本は、やっぱり歌です。
だから、ヘボな声でも、
せめて、磨いた声にしたいと思っています。
良い声じゃなくても、ちゃんと歌っていて磨かれた声に。
それが今年以降の継続した目標です。
歌を歌うことには、
今まで何回か転機がありました。
今回の様に、「楽しいかも」と思える瞬間が何回か。
また後日、ネタにしたいと思います。