여기저기 한국 ヨギチョギ韓国

韓国のこと いろいろ あれこれ いまむかし

1970年代から現在の韓国なんでも情報いろいろ目と足で集めました。

故人を追悼しない韓国の葬儀

2012-11-25 12:37:22 | Weblog

 数日前、近い親戚の葬儀があった。故人に別れを告げる最後の機会だと思い、早朝の出棺式に参加した。ところが何の儀式もなく、ひつぎはすぐに霊きゅう車に載せられると、葬儀場に向かった。故人を追悼できるような雰囲気ではなかった。

 葬儀の基本は、厳粛な雰囲気の中、故人を丁重にお送りするものだ。ところで韓国の葬儀文化は、費用ばかり高く、故人の追悼がおざなりにされている。韓国の平均的な葬儀費用は1200万ウォン(約90万円)と、海外に比べて3-4倍高い。葬儀場と関連業者は「葬儀で値切ったりするのは、故人に対し礼儀を欠く」として弔花、寿衣(死者に着せる衣服)、ひつぎなど、いずれも豪華な物を勧めてくる。弔問客は香典を出すことで、喪主に対して参加したというサインを送らなければならず、喪主は一晩中、弔問客を迎えなければならないため、喪主も弔問客も皆疲れる。にもかかわらず、最も中心となるべき故人の追悼儀式はない。葬儀分野のある専門家は「われわれの葬儀は、故人の追悼儀式が欠けているという点で、とても恥ずかしい儀式だ」と話す。

 それでも、故人に社会的地位があるか、信仰を持っていた場合は、告別式で故人を追悼する時間がある。しかし、そうでない場合は、葬儀の全過程で故人を追悼できる儀式がない。弔問しても、故人の名前と位牌(いはい)を見る以外には、故人がどのような人生を送ってきたのか、どのようにして亡くなったのか、知るすべがない。海外の葬儀は、故人を回顧する時間が設けられている。一方、韓国では、葬儀場に並べられた弔花の数を数えながら、故人とその子孫が社会的にどのような地位にあったかを確認するだけだ。

 報道人の集まりである大韓報道人会は、3年前から会員の葬儀の際には追悼式の時間を設けるようにしている。一生を報道人として過ごしてきたものの、そのほとんどの葬儀でこれを回顧する時間がなかったため、これを残念に思った人々がまずは自分たちだけでも始めようということになったのだ。出棺式や出棺前日に故人の略歴報告、追悼の辞、献花など、約10分にわたって行われる簡単な儀式だが、遺族たちには非常に感謝される。

 日本では、葬儀場の待合室にモニターを設置して、故人の経歴や写真を紹介することがある。故人がどんな人だったのかが分かる最低限の仕組みというわけだ。高い貸し出し費用を取る韓国の病院付属の葬儀場も、参考にすべきではないだろうか。

 韓国の葬儀文化は、時代にふさわしくない部分や不合理な手続き、慣習などが数多く残っており、見直すべき点が多い。しかし、最も重要なことは、故人を追悼する時間を持つことだ。故人について最もよく知っている遺族が、その時間を設けられればいいが、ほとんどの遺族は余裕がないまま葬儀を迎える。遺族が故人の略歴と追悼の辞などを準備することは無理だろう。こうしたわれわれの現実を考えると、葬儀関連業者がこうした仕事を引き受けるべきだろう。長くなくてもかまわない。故人がどのような人生を送り、この世に何を残したのか、残された人々の胸に刻まれた思い出は何なのか、などを振り返る機会のある葬儀文化を定着させるべきだろう。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 169万ウォンのベビーカーが売... | トップ | 107年ぶり祖国に戻った高宗と... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事