慰安婦問題、日本は戦後70年経っても反省なし＝韓国メディア

　複数の韓国メディアは29日、日本と韓国の間で竹島（韓国名・独島）問題や従軍慰安婦問題をめぐる摩擦が続くなか、韓国の金星煥（キム・ソンファン）外交通商相が国連総会の一般討論演説で、慰安婦強制動員に対する謝罪と反省を拒む日本を強く糾弾したと伝えた。

　金外相は29日の演説で、「戦時の性暴力は、深刻な人権侵害であり、人間の尊厳と気高さに対する侮辱。歴史は私たちに残酷な行為へ警告する重要な教訓を残した」と述べ、慰安婦問題について間接的に言及した。

　ただ、「日本」という言葉は用いず名指しは避けた。「慰安婦」の表現は、外交で通常使用される「comfort　woman」ではなく、戦時の性暴力を意味する「sexual　violence　against　woman　in　conflits」との表現を使った。

　金外相は、慰安婦問題について「戦時の女性を保護するための措置を講じるだけではなく、被害者に対する効果ある救済措置と賠償、加害者を処罰し、残酷な行為を根絶させることを求める」と主張。さらに「国家の平和と安全を構築するためには、正しい歴史認識と過去の過ちに対する心からの反省が必要」と述べ、日本を暗に批判した。

　韓国メディアは、金外相の慰安婦問題に関連する発言について「戦後70年経っても、日本の政府レベルによる謝罪と賠償、責任者の処罰が行われないことを痛烈に批判したもの」と分析。韓国が国連総会で慰安婦問題に言及するのは初めてであることから、「日本の挑発に対する反発と警告のメッセージ」との見方を伝えた。