韓国銀行(中央銀行)は5日、9月末現在の外貨準備高が前月末を88億1000万ドル下回る3033億8000万ドルだったと発表した。ユーロ安の進行が減少の要因。
市場では為替当局が相次ぐ市場介入を行ったため、外貨準備高が大きく減少するとの見方が優勢だったが、韓銀の説明は異なった。世界的な財政危機が金融危機に拡大する兆しを見せる中、安全資産への資金移動でユーロが下落したことを原因に挙げたからだ。為替当局は外貨準備高の36%をドル以外の資産で保有しており、ユーロの比率は30%と推定される。つまり、ユーロなどが下落すれば、ドル換算の外貨準備高も減少することになる。
9月は対ドルで、ユーロが6.8%安、英ポンドが4.1%安、日本円が0.6%安といずれも通貨価値が下落した。8月末の外貨準備高(3122億ドル)を基準にすると、ユーロ下落の要因だけで、外貨準備高が64億ドル減少したことになる。
ユーロ安による効果を除くと、外貨準備高の減少幅は24億ドルにとどまる。市場は為替当局が9月に外貨準備から150億‐200億ドルを市場介入で売ったと推定していたが、介入資金の出所にははっきりしない部分がある。
専門家は二つの手法を挙げる。まず、為替当局は市場介入を行った際、外貨準備を直接投じるのではなく、短期での返済を条件に銀行などにドル資金を貸す通貨スワップを多用したとみられる。資金は輸出業者の為替先物売りを受けた銀行が、損失を避けるために直物相場でドルを売るために使われるため、ウォン高誘導効果がある。銀行は輸出業者から受け取ったドル現金を9月末までに韓銀に返済し、韓銀は外貨準備の減少を抑えることができたとする説明だ。
次に、米国債が安全資産として浮上し、価格が上昇したため、韓銀の債券運用益が急増し、為替防衛に使ったドル資産を穴埋めできたとの見方だ。
韓銀が外貨準備高3000億ドルの線を今後も守ることができるかは不透明だ。サムスン経済研究所のチョン・ヨンシク首席研究員は「ギリシャの財政危機が沈静化しない限り、ユーロが反発に転じるのは困難で、外貨準備高のマイナス要因となる」と指摘した。
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