田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

【ほぼ週刊映画コラム】『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』

2018-03-24 16:16:51 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

ドラマと映像の魅力を見事に共存させた職人技
『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』



詳細はこちら↓

https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1144983
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『レディ・プレイヤー1』

2018-03-24 00:00:36 | 新作映画を見てみた
 仮想現実(ゲーム)内で繰り広げられるトレジャー・ハンティングの冒険を描いたスティーブン・スピルバーグ監督作。



 ゲームのクリエーターが思い入れる、1980年代に関するポップカルチャー(オタク)ネタが満載。未来の話なのに懐かしいという不思議な感覚に陥る。スピルバーグの映画を見て育った原作者(アーネスト・クライン)が書いた小説を、スピルバーグ自身が監督として映画化するという奇跡。楽しくて、ワクワクして、温かくてユーモアもある。ある意味、素晴らしき“お子様ランチ映画”を作り続けてきたスピルバーグの集大成と言ってもいい。

 それにしても、『シンドラーのリスト』『ジュラシック・パーク』(93)同様、『ペンタゴン・ペーパー』とこの映画を同時期に撮るなんて…。これぞまさに映画の申し子スピルバーグの真骨頂である。

 詳細はのちほど。
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『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』妻夫木聡、蒼井優

2018-03-23 23:37:14 | 仕事いろいろ
 『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』で、平田家の次男・庄太とその妻・憲子を演じた妻夫木聡と蒼井優にインタビュー取材。



 『東京家族』(13)も含めると今回が4作目の共演となるので、気心が知れている間柄という感じを受けたし、話の端々から、山田洋次監督を敬愛していることも伺えた。

 「なんか家族っていいなあ」という一言に尽きる映画だと思います(妻夫木)
 「ヨーロッパの映画を見ているような気分になる、大人の色気のある映画だなあと思いました」(蒼井)
だそうである。

詳細はのちほど。
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『修道士は沈黙する』

2018-03-21 22:15:48 | 新作映画を見てみた
ちょっと高尚な2時間ドラマ



 ドイツの高級ホテルでG8財務相会議が行われる朝、国際通貨基金理事のロシェ(ダニエル・オートゥイユ)が自室で遺体となって発見される。果たして自殺なのか、他殺なのか。前夜、ロシェの告解を受けた修道士のサルス(トニ・セルヴィッロ)は証言を求められるが、戒律に従って沈黙を守る。

 この映画は、ミステリー仕立てで経済と宗教の問題を描いている。特に原題でもある「告解」は、劇中でも語られるヒッチコックの『私は告白する』(53)にも通じるテーマだが、キリスト教については無知なので、物語の深い部分には入り込めなかったという恨みが残る。

 監督・脚本はイタリアのロベルト・アンドー。前作『ローマに消えた男』(13)で、政治家と彼の替え玉となった双子の兄の姿を通して政治を寓話的に描いたのと同様に、今回は政治や経済とは無縁の修道士をキーマンとしているが、全体的には大山鳴動して鼠一匹というところもあり、残念ながら、ちょっと高尚なテレビの2時間ドラマ、という印象だった。

『ローマに消えた男』について書いたコラムは↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/17e742840fcda0ca01f4a79297a53593
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『ナイト ミュージアム』3連発!

2018-03-20 08:44:09 | 映画いろいろ
 久しぶりに1から2をテレビで再見。何度見てもこのシリーズは面白い。というわけで、『ナイト ミュージアム』3連発!

『ナイト ミュージアム』 まるで祭りのよう 2007.4.4.



 おいを連れて品川プリンスシネマで『ナイト ミュージアム』を見る。

 夜になると展示物が動き出す博物館というのは、子どもの頃、誰しもが抱いた夢ではないだろうか。ティラノザウルスの化石、モアイ像、動物の剥製、原始人、フン族、ローマ帝国軍、西部開拓団、南北戦争の兵士、セオドア・ルーズベルト(またしてもロビン・ウィリアムズが怪演!)らの蝋人形etc…あれもこれもみんなが動き出す様は、まるで祭りのようで見ていて楽しいのなんの。

 しかも老優ディック・バン・ダイク(ラストの掃除のシーンは『メリー・ポピンズ』のパロディーか?)とミッキー・ルーニーの久々の大活躍が見られたのもうれしかった。一時、童心に帰らせてくれ、改めて「映画って楽しいなあ」と思わせてくれる良作だ。

『ナイト ミュージアム2』 祭りの締めはやっぱりアース・ウィンド&ファイアー 2009.8.20.



 ベン・ステイラー扮するラリーが、今度はスミソニアン博物館で大活躍を見せる。

 ただ、もはや博物館の展示物たちが動き出すというだけでは観客は満足しないから、全体的には前作よりもスケールアップしているのだが、前作で活躍した連中(特にルーズベルト(ロビン・ウィリアムス)とサカジャウィア、そしてフン族長)があまり目立たないのがちょっと残念だった。

 とはいえ、ナポレオン、イワン雷帝、アル・カポネ、リンカーン、アインシュタイン、カスター将軍といった新キャラもなかなか面白く描かれており、中でもエイミー・アダムス扮するアメリア・イヤハートと宇宙ザルのエイブル、そして架空の人物カームンラーに扮したハンク・アザリアの大げさな演技が傑作だった。このシリーズはアメリカの歴史を知っていればいるほど楽しめる。

 また、ベン・ステイラーとのコメディつながりの俳優たち(オーウェン・ウィルソン、スティーブ・クーガン、ジョナ・ヒル)との掛け合いも笑える。

 このシリーズ、結局は主人公ラリーの再生劇なのだが、全体が祭りのような構成になっているため、変に説教くさくならないところがいい。そして祭りの締めはやっぱりアース・ウィンド&ファイアー。前作の「セプテンバー」も、今回の「レッツ・グルーヴ」も、みんなが幸せになる祭りのフィナーレには最適だ。

『ナイト ミュージアム/エジプト王の秘密』 名優ロビン・ウィリアムズをしのぶ 2015.3.21.


https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/fc7d83f66321234b05f02f4006ae6a3d
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『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』

2018-03-18 19:05:04 | 映画いろいろ
英国版招き猫の物語



 ホームレスでジャンキーのストリートミュージシャン、ジェームズと野良猫のボブの奇跡の出会いを綴ったノンフィクションを映画化。気になってはいたが、見逃していた映画をDVDで鑑賞。

 日本でも『猫タクシー』やら『猫侍』やら、猫によって福を得る人間の様子を描いたドラマや映画が製作されているが、この映画は実話の映画化で、しかもボブ本人が出演?しているところに説得力がある。まさに、招き猫、福猫、癒やし猫の話だが、ボブの存在によって変わっていくジェームズの姿を丁寧に描き、ただの“猫依存映画”で終わらなかった点に好感が持てる。

 また、ジェームズが販売員になる『ビッグイシュー』の日本版では、以前よく原稿を書かせていただいたので、本場イギリスでの活動の様子が映るのを興味深く見た。

 監督は、主に80年代にハリウッドでそれなりの映画を撮っていたカナダ出身のロジャー・スポティスウッド。何だこういう丁寧な映画も撮れるんじゃないか、と少々驚かされた。

 ところで、かの『第三の男』(49)で助監督を務めたガイ・ハミルトンが「ハリー・ライム(オーソン・ウェルズ)の足元にまつわりつく猫を撮るのが大変だった」と語っていたし、フランソワ・トリュフォーが映画製作の裏側を描いた『アメリカの夜』(73)にも、猫に演技をつける難しさを描いたシーンがあった。猫は気まぐれだから、ボブのような“名優”はなかなかいないのかもしれない。それにしてもボブみたいな猫が欲しいなあ。
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【ほぼ週刊映画コラム】『リメンバー・ミー』

2018-03-17 16:27:54 | ほぼ週刊映画コラム
エンタメOVOに連載中の
『ほぼ週刊映画コラム』

今週は

誰かが覚えている限り人は死なない
『リメンバー・ミー』



詳細はこちら↓

https://tvfan.kyodo.co.jp/feature-interview/column/week-movie-c/1144204
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『妻よ薔薇のように 家族はつらいよⅢ』

2018-03-15 08:22:24 | 新作映画を見てみた
 山田洋次監督によるシリーズ第3作。



 3は周造(橋爪功)版の『ホーム・アローン』(一人で留守番)とのうわさもあったが、1の熟年離婚問題、2の高齢者ドライバーや無縁社会の問題に続いて、今回は専業主婦の労働問題が“喜劇”の中で描かれる。

 タイトルの「妻よ薔薇のように」は、成瀬巳喜男監督の『妻よ薔薇のやうに』(35)から取られているのだろうし、劇中には、成瀬が映画化した林芙美子の『めし』の引用や、黒澤明監督の『生きる』(52)のパロディシーンもある。今回の表向きの主役は平田家の主婦である史枝役の夏川結衣だが、裏主役は家族の絆を取り持つ次男・庄太役の妻夫木聡だろう。

 最近は、一つ年上のクリント・イーストウッドが映画を撮れば、負けじと山田洋次も撮るという感じになってきた。本当にこのじいさんたちはすごいと言うべきか。

 詳細は後ほど。

『家族はつらいよ』について書いたコラム 2016.3.12.は↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b7488534eef43b532b745dc52669d2e6

『家族はつらいよ2』について書いたコラム 2017.5.27.は↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5ee2efd9a006f6f6243ed0abaa763857
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ホーキング博士を描いた『博士と彼女のセオリー』

2018-03-15 07:16:25 | 映画いろいろ
 車いすの天才物理学者と呼ばれたスティーブン・ホーキング博士が亡くなった。彼の半生を描き、演じたエディ・レッドメインがアカデミー賞を得た『博士と彼女のセオリー』はとてもユニークな映画だった。



 公開時に書いた『博士と彼女のセオリー』関連のコラム

アカデミー賞に見る“実話映画”の流行について 2015.2.28.↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/827cab23cd0d90c5560a58ba52ddf7b8

『イミテーション・ゲーム~』と『博士と彼女のセオリー』 2015.3.14.↓
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/b0d61b863bb1a95d0133eab02484bbf1
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『悪い奴ほどよく眠る』

2018-03-13 09:45:24 | 映画いろいろ
 森友学園問題のニュースを見ながら思い出したのが黒澤明監督の『悪い奴ほどよく眠る』(60)だった。1981年の元日にテレビで見た際のメモが残っていた。



 全く黒澤明という人は何という人なんだ。よくもまあ、こんなに腹立たしい、後味の悪い、すごい映画を作ったものだ。官僚制度が生み出す歪みや、官僚の無責任さなどは、『生きる』(52)でも鋭く描いていたが、この映画では、さらに醜く、どぎつく、救いようのないほど徹底的にその嫌らしさを描いている。

 公団汚職にまつわる悪を告発しようとする主人公の西(三船敏郎)と自分の身を守る事しか考えない汚職者たち(森雅之、志村喬、西村晃ら)のすさまじい攻防の中に、西(実は板倉)の悲劇の復讐劇、板倉(実は西・加藤武)との友情、和田(藤原釜足)の下っ端役人であるが故の弱さや上司への忠節、岩淵(森)をはじめとする上層部の悪らつぶり、佳子(香川京子)と辰也(三橋達也)の兄弟愛、西と佳子の夫婦愛といったさまざまなドラマを描き込みながら、上級官僚たちの恐ろしく憎たらしい姿を浮き彫りにし、あと一歩で敗れる西の姿を対照的に見せながら、「これでいいのか!」という叫びで締めくくる。

 実際、われわれは和田のような事なかれ主義で生きている場合が多く、西のように真っ向から悪に立ち向かおうとはしない。たとえ立ち向かっても西のようにやられてしまうのが目に見えているから、「これでいいのか!」と感じながらも、誰もそうしようとは思わないのだ。この映画は、そんなわれわれの弱点を見事に批判している。悪が勝つというところに黒澤たちのメッセージがあるのだろうが、それにしてもあのラストシーンはあまりにも腹立たしい。佐藤勝の音楽が効果的で見事。又もや黒澤映画の脇役の層の厚さに感嘆した。

 あの頃と何も変わっていない…。
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