田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『ミミック』

2018-03-27 18:27:34 | 映画いろいろ
『シェイプ・オブ・ウォーター』のアカデミー賞受賞記念、というわけでもないのだろうが、同じくギレルモ・デル・トロ監督作の『ミミック』(97)をテレビでやっていた。



初見の際のメモを。

 タイトルの意味はものまね。つまり遺伝子操作で作られた新種の昆虫が人間の“ものまね”をして擬人化していくというB級ホラーだ。

 その昔のワニ男やハエ男のばかばかしさをほうふつとさせる“ゴキブリ男”が登場。ニューヨークの地下を舞台に、ミラ・ソルビーノが真っ黒になって頑張り、ジャンカルロ・ジャンニーニ、チャールズ・S・ダットン、F・マーリー・エイブラハムらの脇役も面白く、『ジョーズ』と『エイリアン』を足して割ったようなB級映画のテイストにあふれたなかなかの拾い物だった。実はこういうばかばかしい映画も大好きなのだ。


 今回は、若き日のジョシュ・ブローリンが出ていたのを発見。デル・トロ独特のグロさは昔の方が強烈だった。『シェイプ・オブ・ウォーター』はそれを緩和させたが故にオスカーを受賞したのかと改めて思わされた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

スティーブン・フォスターの伝記映画など

2018-03-27 06:50:26 | 映画いろいろ
 先日テレビで、アメリカの作曲家スティーブン・フォスターの生涯について語る番組が放送されていた。

 フォスターといえば、「おおスザンナ」「草競馬」「故郷の人々」(「スワニー河」)「主人は冷たい土の中に」「ケンタッキーの我が家」「金髪のジェニー」「オールド・ブラック・ジョー」「夢見る人」…などの名曲を残しながら、零落して夭折した悲運の人。

 初期の曲の多くは、「ミンストレル・ショー」と呼ばれる、顔を黒く塗った白人が、踊りや音楽、寸劇などを演じるショーのために書かれたものだという。だが、やがて芸術としての音楽に目覚めたフォスターは、生活と芸術のはざ間で悩むことになるのだ。



 確かフォスターの伝記映画があったはずだと思い、調べてみたら、『懐かしのスワニー』(39・Swanee River)という映画で、日本でも1951年に公開されていたことが分かった。

 製作はダリル・F・ザナックで、監督シドニー・ランフィールド、脚本フィリップ・ダンというスタッフ。後年『コクーン』(85)で粋なじいさんを演じたドン・アメチーがフォスターに扮し、ミンストレル・ショーを思わせる黒塗りの顔で売った、『ジャズ・シンガー』(27)のアル・ジョルスンが共演している。

 また、もう一本、日本未公開でアラン・ドワンが監督し、『捜索者』(56)のアラン・ルメイが脚本を書いた『I DREAM OF JEANNIE』(52)という映画もあるようだ。こちらはビル・シャーリーがフォスターを演じている。

 もちろんどちらも未見なので、ぜひ見てみたい。

 ところで、かの山本周五郎が、フォスターの生涯を翻案し、舞台を浄瑠璃の世界に移し替えた『虚空遍歴』という長編を書いているという。こちらも未読なので、この際、読んでみようかなと思っている。
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする