TAMO2ちんのお気持ち

リベラルもすなるお気持ち表明を、激派のおいらもしてみむとてするなり。

読書メモ:『革命キッズ』

2021-12-05 12:08:00 | 読書
読書メモ:『革命キッズ』


 60年安保を背景にした、荒唐無稽なピカレスクロマンであるが、岸信介、池田隼人、田中清玄、樺美智子、森田政治、青木昌彦らの錚々たる?歴史的人物の造型を、巧みにすり替えるなどして楽しませてくれる。でも、後処理を考えたら硫酸風呂はないなw

 その上で、彼らの当時の思い、日本の置かれた背景が浮かび上がってきて、政治的に考えさせられるセリフもちりばめられていた。60年安保で大衆的動員ができたのは、端的に言えば「アメリカが押し付けた民主主義のルールを、アメリカに妥協して生き永らえた岸信介が踏みにじることは許せない」という国民感情にあった、というのは今や常識かな。

 それも含めて、国家社会主義者として日本の枠組みを作ろうとした岸は妖怪だし、その後日本人の潜在力を高度経済成長に流し込んだ池田隼人も怪物である。田中清玄は全学連の学生に共感して、転向後の右派リベラルの立場から支援していたのは言うまでもない。

 ついでに言うと、日本共産党は、人様に民主主義を求めながら自らは実践しない専制主義政党であるのは言うまでもない。

 日本共産党はともかく、今どきの政治家からはスケールの大きなビジョンを感じられない理由を考えないと、日本は亡国だろう。これは、我々有権者の責任でもある。

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