はあどぼいるど・えっぐ

世の事どもをはあどぼいるどに綴る日記

ヴィンランド・サガ(10)

2011-07-03 17:50:52 | マンガ
ヴィンランド・サガ(10) (アフタヌーンKC)
クリエーター情報なし
講談社


「ヴィンランド・サガ(10)」幸村誠

 親の仇を失い、目的を失ったトルフィンの農業生活はまだ続く。
元農夫で奴隷仲間のエイナルの指導の下、必死で畑を耕し麦を植える様には、かつての鬼神の姿はない。むしろすくすくと麦が育つ喜びを感じて、様々な農の知恵に感じ入って、精神的リハビリは順調に進んでいる。エイナルのほうも奴隷仲間の女性といい感じになってきて、これはいったい、この漫画はどういう方向に進んでいくのか……と心配なような嬉しい気もちでいた矢先、奴隷でない、普通の小作人からの嫌がらせで、畑がめちゃくちゃにされてしまう。
これにはさすがにキレたトルフィン。すわ血の雨が降るのかと思いきや、殴る程度で済んでしまう。しかも、そのことにけっこう凹だんりしている始末で、見ているこっちがやきもきしてしまう。いや、脱戦士はいいことだとは思うんですがね……。

 相変わらず、漫画とは何かを感じさせてくれる作品で、非常に楽しく拝見させていただいた。一心不乱に最後まで鬼神なトルフィンのほうがいいと思う自分と、そうでない自分。エンターテイメントか人の道か、こんなことで悩めるのは、きっと平和だからで、きっといいことなんだと思う。いっそこのまま農業漫画でいってくれてもいいのかな……?
 まあ、たぶん無理だとは思うのだけど……。