![]() | まりあ・ほりっく 1 (1) (MFコミックス アライブシリーズ)遠藤 海成メディアファクトリーこのアイテムの詳細を見る |
「まりあ十ほりっく①」遠藤海成
宮前かなこは触れられただけで蕁麻疹ができてしまうほどの男嫌い。でも女の子は大好きで、運命の恋(?)を求めて難度の高い天の妃女学院の編入試験を突破したほどの同性愛者(レズビアン)。百合色の学園生活の予感に胸を躍らせていた矢先、出会いは唐突に起こった。
品行方正成績優秀容姿端麗、メイドまで連れたパーフェクトな前理事長の娘・祇堂鞠也。初対面の彼女に不意打ちのキスをかまされ、この方が運命の人なのだろうかとときめくかなこ。
しかしそんなご都合主義的展開は神が許しても読者が許さない。完璧お嬢の正体はなんと男で、しかもかなりの問題物件。玩具(人)を弄るのが三度の飯より好きなS男。かなこが同性愛者であることをネタに脅し、それでもダメなら「ぶち犯す」とすごんでみせる。学校内でも逐一ちょっかいをかけ、寮に帰れば同室を迫りとやりたい放題。
考えてみりや恐ろしい話なのだが、どんな無茶を強いられても最終的には鞠也の可愛さにほだされてしまうかなこがどこかおかしく、くすりと笑える。
「ナイス眼鏡っ娘」、「ツンデレのにおいがする」など腐りきったセリフを吐いては鼻血を噴く変態・かなこはもちろん。毒舌メイド・末莉花。ネコミミ寮長。男装の麗人風どんかん娘・石馬隆顕。鉄面皮・桐奈々美。弓道少女・稲森弓弦。ロリータ・桃井サチなどなど魅力的なキャラには事欠かない。
しかしダメを押すのはなんといっても鞠也だろう。外に楚々として内に腹黒く、「感動的に愛らしいだろ?」と自分の美貌に絶対の自信がある女装趣味の変態。その傲岸不遜さがいっそ心地よい。何をやってもかわいいし、男なんだけど許せてしまう。タイトルまんまのまりあ中毒。
百合本なんてどんな人たちが読む本なのかと思っていたけど、いやこいつは面白い。近所の本屋に最新刊が平積みになっていたのを思い出したので、さっそく買いに行かねばならないのだ。