やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。2 (ガガガ文庫) | |
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小学館 |
「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。(2)」渡航
生まれた時から死ぬまでぼっち。というぐらいぼっちであることに誇りを持っている比企谷八幡が、完璧美少女・雪乃と共に奉仕部活動を始めてからしばらく経つ。八幡のことを気にしている日和見少女・結衣が定期的に通ってくるようになったので、総勢3人になっている。そんな彼らのもとに運ばれてくるのは、やはり残念な人たちの残念な事件ばかりで……。
八幡の独白やツッコミが好き。八幡が妹・小町をツンデレ的に溺愛していたり、男の娘・戸塚に惑わされて変な方向に行きそうになったり、クラスのリア充・葉山に憎悪の炎をたぎらせつつも、本人を目の前にするとへどもどしてしまったり、すべての行動が笑えてしょうがない。残念さでは「はがない」の小鷹よりも数段上。
女の子に関しても負けず劣らずの可愛さ。相変わらず一部のデレもない雪乃さんは、今回も終始女王として登場人物たちの上に君臨していた。基本制服のシーンばっかりなので、後半で出てきたフォーマル姿に感動。あの年齢にしてあの状況でのこなれさはかっこよすぎ。
八幡に気付いてもらえずにヤキモキ空回りしっぱなしの結衣は、雪乃さんと仲よく(一方的に)しながらちょいちょい八幡を気にしたり、彼のへたれぶりをフォローしたりとかの行動がかわいかった。このまま八幡とくっついてもいいなーとは思うのだけど、そうすると雪乃さんがかわいそうだし、2人ともいい娘だけに悩む。
それ以外のキャラも良かった。戸塚の天然ぼくっ娘要素は天井知らずで、いつ八幡が完全陥落するとも知れず。小町の計算高さは新鮮で、単なるブラコン妹としてではない独自性があった。平塚先生のモテなさ加減もけっこうやばいのだけど、個人的にこの小説の中で八幡の次くらいに好きなキャラなので、そのままでいってほしいと思う。もてないでください。
僕はライトノベルを読み返すことはあまりないのだけど、本作は数少ない例外。実際、最近多い「ぼっち系」作品群の中でもこれは白眉だと思う。