広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

青森駅周辺

2011-11-04 23:37:46 | 津軽のいろいろ
青森市の話題です。※前回の青森の記事

青森県内に4年も住んでいた上、秋田のお隣の県庁所在地だというのに、僕は青森市内を見たことがほとんどなかった。
青森市は人口30万人で、秋田市より若干(2万人ほど)少ない。中核市になったのも大合併後の2006年で最近。また「コンパクトシティ」をまちづくりの基本に掲げていることもあり、秋田市よりも小さな町だというイメージを勝手に持ってしまっていた。
しかし、今回、青森駅前周辺を歩いた限りでは、予想以上に賑わいがあると感じた。こう思ってしまうのは、秋田市中心市街地が寂れすぎているのが原因かもしれないし、昔の青森に比べると寂れてはいるのだろうけど。
百聞は一見にしかずとはよく言ったもので、青森市のイメージが変わった。
青森市で特徴的に感じたのは、
・駅、商店街、官庁街が近接していて、徒歩圏内にある
・駅の近くを国道など幹線道路が走っている
・商店街であっても道が広くて余裕がある
といった点。

僕がよく知る、秋田市と弘前市は、どちらも城下町で道が狭く、駅・官庁街・幹線道路が離れて配置されているなど、青森市とは異なる点が多い。
そのため、市内のちょっとした移動でも車が使われ、歩く人は減って街が寂れるという悪循環が生じてしまっているのかもしれない。

青森では、車だろうが公共交通機関だろうが、駅近くにみんなが集まり、そのエリア内では歩いて用を足せるように感じた。これが、賑わいの源かもしれない。
これは、青森市が明治になってから行政の中心地となった新しい町であるということが理由だと思うが、それが結果としてコンパクトシティにつながったのだろうか。

そんなことを思いながら見た、青森市内の様子です。
青森駅正面(東口)
1959年竣工の駅舎で以前は壁や窓がむき出しで広告看板が並ぶ、昭和の雰囲気だったが、新幹線開業に合わせたのか白いルーバー状のものが壁面に取り付けられ(大曲駅に似たもの)て印象が変わった。緑色の「あおもり駅」の表示は健在。
2015年の北海道新幹線開業に合わせて、橋上駅舎への改築が計画されているらしい。
駅周辺。左が駅ビル「ラビナ」、右奥が青森ベイブリッジ
駅前のバス乗り場もリニューアルされ、白を基調としたものになった。

青森駅正面から東へ1キロほど延びるのが、白い信号機のある「新町通り」。
※以前の記事で、「駅から西へ」としていましたが、「東」が正当です。訂正します。
車道も広いが、両側の歩道も広くて高いアーケードがある。
駅を背に東を望む
駅前に居酒屋チェーンが多いのは、今やどこも同じか。
上の写真右奥(赤い柱)が、青森駅寄りの南側に2001年にできた再開発ビル「アウガ」。ここだけアーケードがないのは、ちょっと不便。
夜のアウガ
アウガは、地階は鮮魚店などが並ぶ市場風フロア(以前ここにあった市場が入店)、上の階は女性向けファッションの店、ヴィレッジヴァンガード、市民図書館などいろいろ入る。
人が集まっていて、再開発がうまく行っているかに見えるが、運営する第3セクターの経営は芳しくないそうだ。秋田の再開発はどうなるか…

駅から400メートルほど進んだところが、
「さくら野百貨店 青森店」と「成田本店 しんまち店」
さくら野百貨店は、かつてはサティと同じくマイカルが展開していた「ビブレ」だった(現在はイオンのブランド)。東北地方のビブレ各店舗は地元の百貨店が集まって作った「ダックビブレ」が運営しており、マイカルの経営破綻を経てビブレを返上して「さくら野」というブランドになった。
さくら野弘前店も同じ経緯をたどっているが、途中で土手町から郊外へ移転している。
青森店の壁面のさくら野のピンクの看板の上には「長」マークが
青森店の起源である「カネ長武田百貨店」のロゴが、今も残っているということのようだ。(弘前店もカネ長武田がルーツだが、弘前にはないはず)

その隣の「成田本店」。こちらで紹介した通り、青森では「書店」のことを「本店」と呼ぶ場合がある。
この「しんまち店」には、同社の本部も置かれているようなので、ここが実質的な「成田本店の本店」ということだろう。
本店の本店
【5日追記】成田本店しんまち店が、青森でいちばん地価の高い地点とのこと。
夜の新町
人通りは多くはないが、秋田市広小路に比べれば…

さくら野からさらに300メートルほど。
開店前だけど「ベニーマート青森店」
秋田市でいえば、昔、広小路にあった「マルサン」っぽい雰囲気?(マルサンは弘前には複数店舗があった。ロゴは秋田と同じだったが、同経営だったかは不明)
紅屋商事が経営するスーパーマーケット・ベニーマートといえば、弘前市土手町の閉店した「紅屋弘前店」、弘前市松原の「ベニーマート松原店」くらいしか知らなかったが、ここが紅屋商事の本社のようだ。(知らなかったけど、秋田市内にもあるドラッグストア「スーパードラッグメガ」も同社の経営とのこと)
外見はやや古めかしい構えだが、青森駅周辺では数少ないスーパーだと思われる。
※イトーヨーカドーやイオン(旧ジャスコ)は3キロほど離れている。

この辺りは、若干空き地もあった。ベニーマートの数件先にあるのが、
「秋田銀行青森支店」。隣は空き地のようだ
看板は秋田県内では「あきぎん」表示だが、県外店舗なので「秋田銀行」になっている。
そのシャッターが、
昔の秋銀のロゴ。懐かしい
青森銀行・秋田銀行・岩手銀行の北東北3銀行は、相互のATM利用手数料が無料となる提携(AAIネット)を結んでいる。そのためか、秋田市にあった青森銀行秋田支店は撤退してしまったのだが、秋田銀行青森支店は残っていることになる。

新町で感心したのが、
独立した自転車通行帯があること
アーケードの外の車道を削って仕切ったものらしく、歩道とは完全に分離されている。その分、車道は狭くなってしまうが、元々広いので、ほとんど影響がないように見えた。
バス停部分
バス停や横断歩道のある部分の自転車通行帯は、歩行者と交錯しないよう、路面標示や柵が設けられ、かなり安全に配慮されていると思う。
秋田市では、元から道が狭くて限界があるとはいえ、機械的にラインを引いただけの申し訳程度の自転車通行帯があるが、それとは対照的だ。
自転車の歩道走行の原則禁止が検討されているようだが、そうなってもここなら安心だろう。
ただ、自転車利用者の中には、歩道部分(アーケード内)を乗ったまま通る人も少なくなかった。

また、「自転車歩道通行可」を示す標識の補助標識には、
赤文字で「歩行者優先」
その通り! 歩道は歩行者のものであり、ごく一部とはいえそれを無視して(あるいは知らずに?)我が物顔で歩道を無謀走行をする自転車がいる現状では、この表示こそ必要だ。
秋田県警・秋田県内の各道路管理者もこの補助標識を採用すべきだ。(この標識は、警察と道路管理者両者が設置できる)


新町通りから北へ500メートルも進めば青森港で、青森市が港町であることが分かる。かつての青函連絡船「八甲田丸」が展示されていたり、三角の観光施設「アスパム」があったり、新幹線開業にあわせて開業した施設があったりするのだが、今回はパス。反対の南側を歩いてみた。
新町通りの南300メートルほどを国道7号線が走っており、「古川」という拠点バス停もあるようだ。この一帯には、アーケード商店街や官庁街がある。
アウガの裏側は市場っぽい雰囲気。秋田市の市民市場周辺に似た感じだが、店の数が多く、人出も多い。そこから東へ進むと、新町通りとは違う雰囲気のアーケードがある。
ニコニコ通り
青森の巣鴨と呼ばれるらしい「ニコニコ通り」、「夜店通り」、「いろは通り」などがあるが、どれも天井が低い昭和を連想させるアーケード。実際、夜店通りは1979年に設置されたアーケードのようだ。
昔の秋田市広小路もこんなアーケードだったけど、代替わりした広小路のアーケードが老朽化を理由に撤去されている現在、同じく積雪地であるここのアーケードは大丈夫なのか、ちょっと不安になってしまう。
それにしても、裏通りにもこんなに多くアーケードがあるのは、商店街がにぎやかなことの表れではないだろうか。秋田市は…

ニコニコ通りと昭和通りの交差点角、駅からの距離としてはアウガとさくら野の中間にある、
中三(なかさん)青森本店
1974年開店当時からの店舗のようで、リニューアルされている弘前店と比べると小さく古く感じる。壁に互い違いに窓がたくさんあるのが、ユニーク。
弘前店同様、経営破綻後に営業を再開している。(撮影時は開店前の時間)東急ハンズが期間限定で出店しているが、好評のため3月まで延長されたという。

さらに東へ進んで、さくら野の裏側が、「アスパム」方面と国道7号線を結ぶ「県庁通り」。ここから先は、官庁街。
どこが正面だかよく分からなかったけど、
青森県庁
初めて見た。

県庁と裁判所・税務署の間に、突如、林のような空間が出現する。
国道側、西側から撮影
これは、
「青い森公園」
昭和62年付の県知事名の碑があった。
看板によれば、樹木だけで130種9550本が植栽されているようで、緑豊かな空間。
バラ園もあり手入れが行き届いている
こういう「街中のオアシス」的な公園っていい。秋田市には千秋公園は別として、緑のある公園といえば遊歩道や運動公園を兼ねたものばかりで、ちょっと雰囲気が違う。
弘前市の公園とは違い、犬を連れて入園することはできるようだ。
なお、青森市内には、「青い森セントラルパーク」や「青い海公園」があるが、それとは別です。

ちなみに、この青い森公園前が、国道4・7・45号線の終点とのこと。(探せば表示があったのかも)
公園から東へ200メートルほどで、新町通りの東端でもある「柳町通り」と交わる。
大きな「国道柳町」交差点。奥が県庁方面。左右が柳町通り
交差点を越えてもさらに官庁街・オフィス街は続く。
国道沿い、写真右の四角い建物は、

日本銀行青森支店
1953(昭和28)年築とのことで、1952年築の秋田支店とは1年違い。
建物の感じもよく似ている(秋田支店はこの記事などで)が、秋田支店の方が若干大きく、建物前の空間が広いかな。
営業時間前だったが、青森支店では敷地前にロープが張られていた。秋田支店では前の道に歩道がないためか、実質的に敷地を歩行者通行空間として開放してくれているので、閉店時でもロープなどは張らない。

日銀の隣が、
青森市役所
国道に市役所が面しているのが、珍しいといえば珍しいか。

市役所付近から北方向へ戻って、新町通りの続きの道へ向かう。地名としては「本町」。
その南北方向の通りの1つに「税務署通り」というのがあるようだが、上記の通り、青森税務署は県庁のそばにある。
昔、この辺りに税務署があったのだろう。ねぶた祭りの公的な案内などでは「旧税務署通り」と表記されている。
青森市本町には、お寺が集まっている。近くは官庁街で国道が走り、さらに北側は歓楽街や港、善知鳥(うとう)神社があるのだから、いろんなものが集中していることになる。これこそコンパクトシティ。
常光寺
右の高いビルの壁にもお寺の名前が表示されていたが、何に使われているんだろう。

路上の地図
こういう案内地図は、情報の更新が手間だろうけど…
かつて青森駅周辺には、さくら野、中三のほかに、もう1つ百貨店があった。それが、2003年に閉店・自己破産した「松木屋」。
新町東端近くに「松木屋」
現在は解体されて、マンションになっているようだが、まだ地図に名を残していた!(同型の地図2か所で確認)

ちなみに、その松木屋は西武百貨店と提携していた。
秋田でいう「本金(ほんきん)」と同じ位置づけになるわけだが、本金は早くから「ほんきん西武」と西武の名を前面に出し、現在は「西武秋田店」となって本金の名は消えてしまったが、店舗としては残っている。西武の名を出さなかった松木屋は、店・会社自体がなくなってしまったのと対照的。
ちなみに僕が青森にいた頃は、「おかいものクマ」が「♪おかいもの、おかいもの、西武◯市(冬市とか夏市)」と歌うCMを、同じ声で「…松木屋◯市」と差し替えたバージョンが放送されていた。(当時のほんきん西武では、そのまま「西武」バージョンを放送)。

青森の話は続きます

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2 コメント

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こんにちは! (たむたむ)
2011-11-05 10:13:16
私は・・・
駅前の通りは、広いとはあまり感じませ~ん!
なぜなら、路駐が多いから…
一時期、取締りの人が全国一斉にいましたよね?
その時は、かなり良くなったように感じたのですが、最近は、また以前のような感じになりつつあります。

駅前に車で行くと、どの信号で、どのように進んだらいいのか?
戸惑いました。
最近は、あまり行くことがなくなりました。
新幹線利用は、新青森駅だし~。

青い森公園に、バラ園のようなところがあったとは・・・
知りませんでした!(気がつきませんでした)

県庁?渡り廊下みたいなので、つながっているんですよ~。
1度わたったことがあります。
面白いですよね~。青森って。。。

続きも楽しみにしております。
青森市 (taic02)
2011-11-05 20:23:33
なるほどね。たしかに駐車車両はいました。駐車場の問題もあるのでしょうし、やっぱり中心市街地へ車で来るのは楽じゃないのかも。
秋田駅前に初めて来た人は大規模な一方通行に戸惑うといいますが、青森駅前は車線変更に戸惑いそうです。
新青森が離れた場所にできてしまったわけですが、将来は青森駅前とどういう関係になっていくのか、気になるところです。

公園のバラは、秋の遅い時期にこんなに咲き乱れていたのですから、大したものです。反対側にあった大きなヤナギの木も印象的でした。
秋田市にはないタイプの公園で、気に入りました。

県庁の渡り廊下、反対側にありましたね。昔の秋田の木内とか日赤病院を思い出したりして。
いろんなネタが見つかって楽しい青森市でした。
そういえば、テレビ局がなかったと思ったら、各局とも駅から離れた場所なんですねー

後で、小ネタとか弘前の話題をお送りします。

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