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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

松島駅→高城町駅→塩釜駅

2018-08-13 00:03:45 | 旅行記
宮城旅行記の続き(前回の記事)。
松島から塩釜にかけては、JR東北本線とJR仙石(せんせき)線がほぼ並走している。
海が見えたかと思えば、トンネルもあって地形は変化に富む場所を、両路線は寄り添ったり離れたりを繰り返す。ただし、駅が同じ場所にあるものはない。
この区間の駅の配置を簡単に示す。
駅間の距離は、ある程度意識して配置しています
東北本線の松島・塩釜2駅の間に対応する区間に、仙石線は6~7駅もある。

仙石線は、元々、私鉄として開業したので、駅が多い。
東北本線の駅間が離れすぎているとも言え、ちょうど10.0キロ。東北本線(3セク化された盛岡~青森を含めても)でもっとも駅間距離が長いのがここのはず。
ちなみに、上野を出た東北本線が、370キロほど走って初めて海に出会うのも、この辺りとのこと(この先で海が見えるのは青森の野辺地辺りかな)。


ここに限らず、一部の“乗り鉄”が考えるのが、鉄道で直接つながっていない駅どうしを、バス、船、徒歩などで短絡すること。旅程が効率的になることもあるが、道路や地形が歩きにくかったり、時間が読めずに失敗することもある。※広島でやった記録
松島・塩釜周辺では、松島駅と高城町(たかぎまち)駅、塩釜駅と西塩釜駅の間が近く、いずれも10分ほどで徒歩連絡が可能。
※昨年や前回の記事の通り、バスを使えば、塩釜と本塩釜など塩竈市街地では他の連絡もできる。

今回の旅では、東北本線の列車を塩釜駅で降りて、鹽竈神社に向かうつもりだった。
時刻表を見ると、手前の松島駅で降りて高城町駅まで歩くと、ちょうど乗り換えられそうな仙石線の列車を発見。乗り換えは必要になるが、本塩釜駅から参拝したほうがいいような気もしていたので、それに惹かれた。
車内でぎりぎりまで悩んで、思い切って松島駅で降りた。
東北本線松島駅
2010年にできたきれいな駅舎。駅業務は子会社へ委託されていて、時間帯によっては無人。
旧駅舎であったというキオスクは今はないものの、待合室には紙コップの飲料自動販売機があり、Suica決済可能、しかもフラッペというか水分の多いかき氷も2種類あるという、初めて見たタイプ。後で買ってみたらかき氷とはちょっと違ったけれど、暑い時にはうれしかった。

高城町へのルートは難しくない。
駅正面の一本道を150メートル進むと、国道45号線の横断歩道橋のある交差点と高城川。国道向かいに高城川の橋があり、仙石線の橋も並行するのがさっそく見える。
歩道橋の上から橋と仙石線
道路の橋は「松島橋」だそうで、
古ぼけた表示板に「松島橋」
橋を渡れば、あとは脇道(何本かある)に入って仙石線沿いをたどる。途中、生協のスーパーがあるところで、信号機のない広い道路を渡るので、注意。
仙石線沿いの道

正面の建物側面が見えているのが高城町駅
松島駅到着後、高城町発の電車まで12分ある。800メートルほどだから、10分あれば余裕と高をくくっていた。
ところが、生協の辺りで怪しくなってきた。走れば間に合いそうだったが、汗をかきたくないから断念。次に乗ることにした。

高城町駅から仙台方面への昼間の列車は、昔は、石巻始発の快速と各停が毎時1本ずつだった。
それが2015年からは、仙石線としては石巻始発各停1本、この高城町駅始発(折り返し)各停1本、そして石巻始発で途中から東北本線に入る「仙石東北ライン」の快速が1本の毎時3本体制。
仙石東北ラインとは、東北本線と仙石線を接続する連絡線を建設し、直通車両を開発したもの。連絡線は、東北本線・塩釜駅方向と仙石線・高城町駅方向を行き来できる形状(上の図のピンク色の線)。

乗り損ねた列車の次の列車は、仙石東北ライン。
これに乗ってしまうと、結局、東北本線・塩釜駅で降りることになってしまい、旅程としては時間を無駄にしただけになってしまうのは、ちょっと悔しい。
でも、機会があれば乗ってみたいとも思っていたので、1駅だけ乗っちゃうことにした。

折り返し駅かつ分岐駅である高城町は、小さな駅。
高城町駅。タクシー乗り場だけやけに広く、あとはすべて狭い

ホーム側から
狭い道路と線路に挟まれて小さな駅舎がちょこんとあり、構内踏切で結ばれた1面2線の島式ホームがちょこんとある。昭和の地方私鉄の風情が漂う駅だけど、仙台周辺にはわりとあるかも。例によって駅業務は子会社委託。
列車が到着
仙石東北ラインの車両は2両1組だが、多くは2組つないだ4両で運転されるという。
来た列車は、運悪く2両編成の列車。席は埋まり、立ち客がけっこういた。
ところが、先頭車両の先頭部がぽっかりと空いていた。そこに立つしかあるまい。結果的に、前面展望を楽しむことができた。

車両はHB-E210系気動車。ハイブリッド方式のディーゼルカーで「リゾートしらかみ」などと同じ方式。
東北本線は交流、仙石線は直流で電化されているため、安価に直通運転しようということなんだろう(石巻から先、非電化の石巻線へも直通できるメリットもある)。
※ハイブリッド方式は、男鹿線のような蓄電池式電車ではなく、新潟や五能線に導入される電気式気動車とも少し違う。

ワイドボディ3ドア、セミクロスシートの車両。
1駅だけの乗車、しかも混んでいてよく分からなかったけれど、E721系など最近のJR東日本の普通列車と大差なさそう。
走行音や振動も、ハイブリッドのリゾしらと変わらない感じ。エンジン作動時は、それなりの音と振動がある。

高城町を出て2分ほど。これから2度停車した後、東北本線へ入る旨の放送が流れる。
海の近くとは思えないほど「山」の風景。右側へポイントが切り替わっている
たしかここでいったん停止してから、連絡線へ。
まっすぐが仙石線、右が連絡線
連絡線には架線が張られていない。
連絡線走行中。右に東北本線が見えてくる
東北本線に合流するところに信号機(「場内」と表示)があり、赤なので2度目の停止。
青信号に
青に変わったタイミングで、左隣の仙石線を下り列車が通過。それと入れ違いのように我々の列車は東北本線へ入る。
この場所は「信号場」のような位置付けかと思っていたら、松島駅の構内という扱いらしい。松島駅自体は通過すらしないけれど。

信号機の下に「無線切換」と注意書きがあったので、無線方式が違うのだろうか。なお、自動列車停止装置(ATS)はこの区間では両線とも同じだから、切り替えなくていいはず。

連絡線通過にかかった時間は1分ほど。
あとは、東北本線を普通に走って(車両の最高速度は100km/hだから、E721系よりは少し遅いのかも)、塩釜到着。

仙石東北ラインにより、仙石線の快速と比べて、石巻-仙台が10分ほど短縮されて60分を切った。連絡線の通過時間をさらに短縮する計画もあるらしい。
一方で、よそ者としては運行形態が分かりづらい。地元利用者としても、仙石線の仙台-松島海岸では快速がなくなったし、石巻-本塩釜・多賀城の直通列車は減ったし、東北本線の松島駅では、以前あった仙台-松島の折り返し列車が廃止されたし、場合によっては不便になったところもあるはず。
仙石線側で容易に快速を増発できる環境ではないし、震災復興、地方の活性化の意味もあるけれど、全体的に考えればどんなもんなのだろうか。

旅行記は続く。

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2 コメント

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どこのドイツ (ガーゴイル)
2022-08-30 19:50:37
塩釜線を建設するために陸前浜田駅に東北線に停車場所を建設して陸前浜田駅の南の仙石線と東北線の分かれる場所に乗換駅を建設するといい。
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Unknown (taic02)
2022-08-30 23:26:25
陸前浜田駅は、仙台側から行って、東塩釜の先。東北本線と仙石線が最初に重なるポイントですね。
おっしゃる「塩釜線」とは、そこから塩釜方面に新たな路線ということなのでしょうか。かつて塩釜線という貨物線があったそうですが。
当地の地理や流動をよく把握しておらず、なんとも申し上げられません。
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