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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

新青森駅1

2011-07-06 21:02:46 | 津軽のいろいろ
新青森駅を紹介します。今回は在来線エリア・南口周辺を中心に。
「新」でない青森駅は青函連絡船のりばがあったことからも分かるように、海の近くに位置している。そこに新幹線を通すと遠回りになってしまうなど不都合なので、新たに造られた駅が新青森。

このように昔からの町の中心駅と新幹線の駅が別々にある例としては、横浜(と新横浜)や大阪(と新大阪)が代表的。
駅名が「新◯◯」という駅だけに絞って全国的にみると、なぜか西日本に多い。東日本では新花巻と新白河(上越・長野新幹線には1つもない)、東海道新幹線では新横浜、新富士、新大阪だけなのに対し、山陽新幹線に6駅(新大阪を除く)、九州新幹線に4駅もある。
(実際には、水沢江刺や燕三条のような「合成地名」の駅名の場合もある)


新青森駅は、青森市街地の西、石江地区に1986年(昭和61)年に在来線の奥羽本線の駅として開業した。青森駅からの営業キロは3.9キロ。ホームは1つだけの無人駅で、JR東日本秋田支社の管轄だった。
新幹線駅工事本格化に伴い、2007年に秋田支社から盛岡支社へ移管(JR東日本「青森支社」は存在しないので)された。昨年12月4日の新幹線が開業に合わせ、在来線ホームが1本増え(1面2線と呼ばれる1つのホームの両側に乗り場がある形式)、駅員・駅長も配置された。

線路の配置は、在来線が東西方向に走り、その上を新幹線の高架が南北に走っていて、ほぼ直角に交わっている。
現在のところ、新青森が日本の新幹線網の“最北端”なわけだが、線路が駅で途切れてはおらず、さらに北へ続いている。
北側に車両基地(盛岡新幹線車両センターの青森派出所)があることと、将来の函館方面への北海道新幹線延伸に備えてのもの。
最南端の鹿児島中央駅も、在来線と新幹線がほぼ直交するが、桜島にぶつかるかのように駅で新幹線の線路が途切れていて、これ以上南へ伸びないことを示しているのとは対照的。


駅は新幹線に沿った南北方向に長い建物。
新青森駅に近づく奥羽本線の電車に乗って前方を眺めていると、まるで大きな門(凱旋門みたいな)かついたてのように駅舎が立ちはだかっていた。


新青森駅には、新幹線開業時に全列車が停車するようになった。
奥羽本線の普通列車・特急列車などに加え、従来は青森止まりだった函館からの特急も新青森まで来るようになった(青森駅も通り、新青森が始発/終着)。
新青森-青森間だけの乗車であれば、特急列車自由席に特急券なしで乗車できる特例ができた。

僕が降りた時は、弘前始発の青森行き普通列車と函館からの特急「スーパー白鳥」が同時に到着。
新青森駅近くに青森西高校があるため通学の利用もあり、普通列車に乗り込む高校生はいた。しかし、下り新幹線がない時間帯だったので、新幹線からの乗り換え客は少なかった模様。
在来線ホーム
降りる客は両列車とも多かった。ホームの幅は一般的な小さな駅レベルなので、乗り換え客でごった返す。
ホームから改札階へは、階段・エレベーター・エスカレーターがある。(車掌が乗っている列車では、到着前の車内放送でそれぞれの位置を案内していた。)

2本のホームは、どちらがどっち方面と明確に決まっていないようなので、要注意。
上の写真の発車標には、「浅虫温泉」「青森経由 函館」「秋田」と多方面の行き先が表示され、交通の要衝となったことを示している。
1番線の16時27分発「浅虫温泉」とあるのは、青森から第3セクター「青い森鉄道」(旧東北本線を転換したもの)に乗り入れる列車。ここにも「青森経由」を入れたほうが親切な気がする。

※以下、駅構内の写真は節電消灯が実施されているため、暗く写っています。

2階へ
エスカレーターからまっすぐ進むと自由通路へ直接出る在来線改札口、左へ曲がって数十メートル進むと、新幹線との乗り換え改札。
在来線改札と新幹線改札の間は比較的距離があるため、在来線から乗り換え改札までの通路が長いという点では、東海道新幹線の小田原駅や豊橋駅を連想させられた。

上の写真の通り、在来線改札内にJRのコンビニ「NEWDAYS」があった。
比較的大きな店舗で、東北地方の在来線改札内にこうしたコンビニがあるのはとても珍しい。キオスクなどは他になく、新幹線側の店舗まで遠いため、乗り換え客や高校生など地元客のために設置したのだろうか。

乗り換え改札の方へ進む。
現在の震災後の特別ダイヤでは1日1往復だけの速達列車「はやぶさ」への乗り換え客でこみ合っていた。
この日は「大人の休日倶楽部」会員向けの格安パスの利用期間中だったが、同パスでははやぶさの利用に制限がある(運賃部分のみ有効)ためか、会員とおぼしき乗客は少なかった(別記事でアップしますが、後続の「はやて」には多かった)。「はやぶさ」には子供連れが多かったような気がした。
「青森へまたお越しください」という横断幕が(デスティネーションキャンペーン実行委員会・新青森駅長名)
その裏側の新幹線を降りた人が見る面は
「歓迎 よぐ来たねし青森」こっちは方言なのね
乗り換え客が途切れると、構内は閑散とした。

戻って在来線改札口から外へ。
改札外側から
自動改札機は3通路(出/入専用1本ずつ、兼用が1本)。
有人改札は、ガラスと自動ドアで囲まれたカウンター風のタイプ。最近のJR東日本の駅ではこの方式が多いようだ。冬の防寒にもなるだろうが、客としてはちょっと入りにくい。
自由通路と在来線改札
在来線改札口横の自動券売機は、タッチパネル式の近距離用(JR東日本標準型、Suica使用不可)が1台だけ。秋田の土崎駅や新屋駅にだって2台あるのに…
在来線側には「みどりの窓口」やクレッジトカードが使えてネット予約したきっぷが受け取れる「指定席券売機」はなく、新幹線側へ行かないとならない。

券売機の初期画面
この券売機では新幹線のきっぷは購入できない。JR東日本では、近距離券売機でオレンジカード(もちろん現金も可)を使って新幹線の乗車券・自由席特急券(または特定特急券)を購入できる駅が多いが、新青森駅ではそれができないことになる。

このタイプの券売機では、原則として近距離券売機の担当範囲外である100キロ以上の区間であっても、いくつかの駅までは専用のボタンが表示されていて乗車券を購入できるのが一般的。
新青森では上り方面は秋田県の二ツ井と東能代までなら購入できるが、秋田までのボタンはない。
しかし、ちょっとした裏技で、この券売機で秋田までの乗車券を購入する方法はある。「(左側の列の)特急」→(駅名を選択してからだったかな?→)「乗車券のみ」と選択すれば、特急が停車する各駅までの乗車券だけを購入できるはず。(新幹線側の指定席券売機でも購入可)

それから、JR北海道エリアの木古内や函館までの乗車券も購入できるのが意外。一般的には特急券も同時に購入するだろうから、この画面に乗車券だけのボタンを設置しても使う人は少なさそう。
青い森鉄道を間に挟んだJR線である大湊線内は、下北駅と大湊駅までのものしか券売機では購入できないようだ。

自由通路南側から
西側が木目調の壁、東側がガラス張りで遠くに青森市街が少し望める。天井はあまり高くなく、シンプルな印象。通路に小学生が並んでいた。修学旅行だろうか。
列車がない時間は人通りがまばらだが、地元の人が散歩でちらほら通る。

南口へ降りる。
 南口
階段・エスカレーター部分は天井が高くて開放的。
南口駅前は、若干きゅうくつな感じで、裏口の趣。
南口にはバス停が2つあり、一般路線バスはこちらを発着する(急行・高速や観光バスは反対側の東口発着)。路線バスが裏側に追いやられたのではなく、従来からのルートであった県道247号線(旧国道7号線)に近いからだろう。
青森駅など市街地方面から青森市西部や浪岡地区(旧浪岡町)を結ぶ青森市営バスと、矢田前地区・青森駅から五所川原や浪岡・黒石方面の弘南バスが乗り入れる。(反対の東口側も含めて、弘前市内へ行く路線バスはない)

ちょうど、青森営業所(矢田前)発五所川原行きの弘南バスが来たが、乗った人はなし、降りた人もたぶんいなかった。
バスが来ない時には、
バス乗り場にタクシーや自家用車が乗り付けて、乗り降りする光景が
屋根付きで南口のすぐそばで、バスの本数はそれほど多くないとはいえ、これはいかがなものか。

バス停後方の新幹線の高架の下が駐輪場になっていた。
そのマーク
自転車の形がちょっと珍しい。

南口側から駅舎。右が在来線
駅前はちょっとした広場に整備されている。数年前に少し見た、整備途中の状況と比べると、立派になったなという感はする。
駅前(在来線を背にして南方向)
住宅など古くからの建物が比較的あり、他の新幹線新駅ほど「何にもない」感はしないが、お店はほとんどなく、県庁所在地の新幹線駅としては、寂しすぎる。
強いてあげれば、
コーヒー&社交ダンス
という、よく分からない取り合わせの店(?)くらい。


最後に、踏切の話題。
昨年3月に、JR東日本秋田支社管内の踏切に通し番号が振られていることを紹介した。
奥羽本線では秋田駅を境にいったん番号をリセットしており、下り方向では秋田駅側から改めて1番、2番…と北へ向かうほど増えていく。奥羽本線最北端の青森駅付近では何番だろうかと思っていた。

新青森駅のすぐ東側に「石江踏切」がある。
新青森駅南口側から
上記の通り、新青森駅より下り側は盛岡支社管轄になるので、もしかしたら番号がリセットされているかもと思ったが、番号と表示板のデザインからして、秋田から通しの秋田支社仕様のものだった。(盛岡支社管内では、緑色地に白文字の表示板のはず
201番!
地図を見ると、石江踏切より青森寄りにはさらに7つの踏切が存在するようなので、208番が奥羽本線最北の踏切かもしれない(未確認です)。

今回は在来線部分と南口を紹介しましたが、次回以降、正面である東口や駅舎の新幹線側を紹介するつもりです。→こちらです

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2 コメント

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Unknown (くるみタルト)
2011-07-07 00:47:50
新青森駅が新幹線の乗り入れ駅になったので、在来線のホームも当然豪華(笑)を予想していたのに、待合室も含め少し狭いですね。開業後に地元の新聞にもこの在来線の待合室が狭く開業時は冬で待合室に入れない人が寒かったり、駅構内のトイレが少ない事が取り上げられてましたが、サービスエリア位の数があってよさそうですが…。また新青森前広場は全く活用されてない様ですが、まだこれから整備されるのでしょうか?あまりインパクトがない様に思いますが…
乗換駅 (taic02)
2011-07-07 21:37:10
以前、一時的に九州新幹線の始発駅だった、「新八代」駅に降りたことがあります。東横インがあるくらいで、ほかにはなんにもありませんでした。
新青森駅の方が周辺の住宅は多く、駅内の店舗が充実してはいますが、在来線部分など、よく似ていると感じました。

あくまで「乗換駅」であり、長居しないで青森なり弘前なり目的地に直行してほしいというのがJRの意向なのでしょうかね。
でも冬の寒さや遅延を考えると、たしかにもう少し設備に余裕があってもいいと思います。
駅周辺にはコンビニすらヤマザキが1軒あるだけでしょうか。ホテルもないですね。
コンパクトシティを目指しているという青森市にあって、新青森駅周辺は今後どうなっていくのでしょう。

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