2020年9月のアップしそびれていた記事。秋田県南秋田郡井川町(いかわまち)の話題。
井川町は、秋田市の北の潟上市の北、八郎潟(八郎湖)に面する自治体。
秋田市から国道7号で向かうと、井川町に入る直前の、潟上市飯田川飯塚で国道285号が分岐し、それぞれ井川町に入る。7号は引き続き、JR奥羽本線と並走するように西側(八郎潟)側を、285号は東側を進む。
285号沿いには、井川町を代表する大規模な公園「日本国花苑」があり、そこを過ぎると田んぼと住宅が交じる風景。国花苑の先で、橋を渡る。
南側
北側
グレーのトラス橋。上部が盛り上がっていない「平行弦トラス」。
長い橋という印象はなく、トラスが連ならない1つだけだが、最近の単純な桁橋と違って、存在感がある。また、道路と川の交わる角度の都合なのか、トラスが道路に対して斜めの配置になっているようで、ちょっと個性的。
東側歩道から北方向。正面奥は森山
橋の下の川は、こんな川。
東・上流方向
橋に比べると小さい川。
この橋の名前は、
「井川橋」
実はこの下の川の名前が「井川」。
つまり、井川町の町名の由来は、この河川なのだと思う。恥ずかしながら、この時まで川の存在すら知らなかったのですが…
ちなみに、元は「上井河村」「下井河村」(いずれも「いがわ」と濁るらしい)が合併して、1955(昭和30)年に井川村が発足、1974年に井川町となった。
橋の名前としては、「井川に架かる橋」の意味かもしれないし、285号では井川町でおそらく唯一、そうでなくても最大の橋だから「井川町にある橋」なのかもしれない。
国道285号は、県管理の国道。
「秋田県 橋梁長寿命化修繕計画(2019年1月秋田県建設部道路課)」によれば、1982年竣工、橋長70.0メートル。2027年度に修繕予定。
井川は二級河川だから、やはり県管轄。
「馬場目川水系井川」となっているようだが、馬場目川とは直接つながっていない。八郎潟干拓以前はつながっていたのかもしれない。【23日追記・八郎潟も河川の一部ととらえて、一体的に馬場目川水系としているようだ。】
井川町ホームページには「(町は)出羽丘陵に源を発し八郎潟残存湖に注ぐ井川(全長11.6km)に沿って拓けている。」とある
井川は東から西へ流れ、井川町はそれに合わせた横長の町。
285号の井川橋は、河口から3.6キロほど。そこから西には、川沿いに集落が続いているため、橋が多い。JR奥羽本線や国道7号「浜井川橋」もあるが、ほとんどが井川町道の小さな橋。
その1つが、浜井川橋の1つ上流に架かる。立地的に、昔は主要道路だったのかもしれない。河口から約2キロ。
下流らしく、幅いっぱいに流れ、水量は多め
川の名前はもちろん、
「井川」
そして、橋の名は、
「いかわばし」
※橋名板で「~はし」でなく濁る「~ばし」なのが珍しい。しもおもかげばしときゃらばしもそうだった。
なんとこちらも「井川橋」!
「井川町橋梁橋梁長寿命化修繕計画(2020年3月井川町産業課)」によれば、町道「今戸飯田川線」に架かり、橋長30.0メートル、幅員6.6メートルで、1964年架設。2010年に改修工事は終わっており、高欄(欄干)も更新されている。
同じ自治体の中の同じ河川に、同名の橋が存在する。異橋同名。
管理者が異なり、距離も離れているとはいえ、取り違えや混乱が起きてしまわないか、気になる。「町道の」「国道の」と“枕詞”を付ければいいのだろうけれど…
現役の橋は、町道のほうが古いが、それ以前に架け替えた可能性はある。だとしても、町道のほうが歴史がありそう。
国道の井川橋を造る時、県なり国なりが気付けなかったのか、あるいは町から申し出て違う名前にしてもらうとか、できなかったのだろうか。
同様に、秋田市下新城笠岡の新城川に、県道と秋田市道にそれぞれ「笠岡橋」が存在した事例もあった。現在は河川付け替え工事により、市道の橋が廃止された。ほかに、一般道と高速道路の間なんかでありそう。【23日追記・秋田自動車道の橋も「井川橋」とのこと。】
時折問題提起する政治家がいる(けれどなかなか解消されない)、二重行政とか縦割り行政の結果の1つではないだろうか。全国にたくさんあるのかもしれない。
※井川町のバス停の話題。
井川町は、秋田市の北の潟上市の北、八郎潟(八郎湖)に面する自治体。
秋田市から国道7号で向かうと、井川町に入る直前の、潟上市飯田川飯塚で国道285号が分岐し、それぞれ井川町に入る。7号は引き続き、JR奥羽本線と並走するように西側(八郎潟)側を、285号は東側を進む。
285号沿いには、井川町を代表する大規模な公園「日本国花苑」があり、そこを過ぎると田んぼと住宅が交じる風景。国花苑の先で、橋を渡る。
南側
北側
グレーのトラス橋。上部が盛り上がっていない「平行弦トラス」。
長い橋という印象はなく、トラスが連ならない1つだけだが、最近の単純な桁橋と違って、存在感がある。また、道路と川の交わる角度の都合なのか、トラスが道路に対して斜めの配置になっているようで、ちょっと個性的。
東側歩道から北方向。正面奥は森山
橋の下の川は、こんな川。
東・上流方向
橋に比べると小さい川。
この橋の名前は、
「井川橋」
実はこの下の川の名前が「井川」。
つまり、井川町の町名の由来は、この河川なのだと思う。恥ずかしながら、この時まで川の存在すら知らなかったのですが…
ちなみに、元は「上井河村」「下井河村」(いずれも「いがわ」と濁るらしい)が合併して、1955(昭和30)年に井川村が発足、1974年に井川町となった。
橋の名前としては、「井川に架かる橋」の意味かもしれないし、285号では井川町でおそらく唯一、そうでなくても最大の橋だから「井川町にある橋」なのかもしれない。
国道285号は、県管理の国道。
「秋田県 橋梁長寿命化修繕計画(2019年1月秋田県建設部道路課)」によれば、1982年竣工、橋長70.0メートル。2027年度に修繕予定。
井川は二級河川だから、やはり県管轄。
「馬場目川水系井川」となっているようだが、馬場目川とは直接つながっていない。八郎潟干拓以前はつながっていたのかもしれない。【23日追記・八郎潟も河川の一部ととらえて、一体的に馬場目川水系としているようだ。】
井川町ホームページには「(町は)出羽丘陵に源を発し八郎潟残存湖に注ぐ井川(全長11.6km)に沿って拓けている。」とある
井川は東から西へ流れ、井川町はそれに合わせた横長の町。
285号の井川橋は、河口から3.6キロほど。そこから西には、川沿いに集落が続いているため、橋が多い。JR奥羽本線や国道7号「浜井川橋」もあるが、ほとんどが井川町道の小さな橋。
その1つが、浜井川橋の1つ上流に架かる。立地的に、昔は主要道路だったのかもしれない。河口から約2キロ。
下流らしく、幅いっぱいに流れ、水量は多め
川の名前はもちろん、
「井川」
そして、橋の名は、
「いかわばし」
※橋名板で「~はし」でなく濁る「~ばし」なのが珍しい。しもおもかげばしときゃらばしもそうだった。
なんとこちらも「井川橋」!
「井川町橋梁橋梁長寿命化修繕計画(2020年3月井川町産業課)」によれば、町道「今戸飯田川線」に架かり、橋長30.0メートル、幅員6.6メートルで、1964年架設。2010年に改修工事は終わっており、高欄(欄干)も更新されている。
同じ自治体の中の同じ河川に、同名の橋が存在する。異橋同名。
管理者が異なり、距離も離れているとはいえ、取り違えや混乱が起きてしまわないか、気になる。「町道の」「国道の」と“枕詞”を付ければいいのだろうけれど…
現役の橋は、町道のほうが古いが、それ以前に架け替えた可能性はある。だとしても、町道のほうが歴史がありそう。
国道の井川橋を造る時、県なり国なりが気付けなかったのか、あるいは町から申し出て違う名前にしてもらうとか、できなかったのだろうか。
同様に、秋田市下新城笠岡の新城川に、県道と秋田市道にそれぞれ「笠岡橋」が存在した事例もあった。現在は河川付け替え工事により、市道の橋が廃止された。ほかに、一般道と高速道路の間なんかでありそう。【23日追記・秋田自動車道の橋も「井川橋」とのこと。】
時折問題提起する政治家がいる(けれどなかなか解消されない)、二重行政とか縦割り行政の結果の1つではないだろうか。全国にたくさんあるのかもしれない。
※井川町のバス停の話題。